やんまの気まぐれ・一句拝借!

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白波の一里のかなた鴨の睦 平畑静塔

2016年09月29日 | 俳句
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平畑静塔
白波の一里のかなた鴨の睦

鴨はカルガモの様に留まって暮すものもあればマガモの様に冬鳥として渡来するものもある。バードウオッチ用の双眼鏡で見るとその美しさに驚かされる。小生もコガモの群れから一羽をクローズアップした時オシドリにも似た美しさに感動したものだ。いま静塔は水辺に佇んでいる。その大きな湖水か内湾だかに白波が立っている。遠く展望すると点々と鴨たちが身を寄せ合って群れている。人間の心眼には家族の睦まじさが見えてくる。一人っ子の小生には大家族の団欒がうらやましい。世は少子化の時代へ加速しつつも突入してゆく。『俳壇』(2010年9月号)所載。:やんま記