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加藤楸邨
かなしめば鵙金色の日を負ひ来
秋は小鳥が楽しい。木の実草の実が色付き小鳥たちの餌が豊富になる。その中でもキイキイと声高に枝の高みから下界を見渡しているのが鵙である。一方で人間どもは秋のアンニュイ、秋を愁いている。何処から来る感傷なのか哀しみにとっぷりと浸かっている。キイと鳴いた高みを見上げれば金色の日を負って鵙が辺りを征している。繰り返す季節の舞台は様々な役者を配して秋まつ只中の景へと転じている。『俳句の鳥』(2003)所収。:やんま記
加藤楸邨
かなしめば鵙金色の日を負ひ来
秋は小鳥が楽しい。木の実草の実が色付き小鳥たちの餌が豊富になる。その中でもキイキイと声高に枝の高みから下界を見渡しているのが鵙である。一方で人間どもは秋のアンニュイ、秋を愁いている。何処から来る感傷なのか哀しみにとっぷりと浸かっている。キイと鳴いた高みを見上げれば金色の日を負って鵙が辺りを征している。繰り返す季節の舞台は様々な役者を配して秋まつ只中の景へと転じている。『俳句の鳥』(2003)所収。:やんま記