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津島俳車
月光にふるれば鳴らん小判草
通勤の往復に通る道がある。今頃の季節には小判草が繁茂している。小判という名前ではあるが大きさから言って鈴なりの鈴といったところ。何時もの帰り路、残業に疲れた眼には月光が眩しい。裾が草に触れる。月下にそよぐ小判草だ。ふと触れたなら今にも鳴り出しそうな気配がした。『合本・俳句歳時記』(1974)やんま記
津島俳車
月光にふるれば鳴らん小判草
通勤の往復に通る道がある。今頃の季節には小判草が繁茂している。小判という名前ではあるが大きさから言って鈴なりの鈴といったところ。何時もの帰り路、残業に疲れた眼には月光が眩しい。裾が草に触れる。月下にそよぐ小判草だ。ふと触れたなら今にも鳴り出しそうな気配がした。『合本・俳句歳時記』(1974)やんま記