後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「春の箱根、彫刻の森、湿生植物花園、富士屋ホテルの思い出」

2024年04月23日 | 日記・エッセイ・コラム
春が来ました。野山が陽光を浴びて美しく輝いてます。小さな旅に出たくなります。そんな折には箱根がお薦めです。
箱根には首都圏から小田急のロマンスカーで湯本に入ります。登山電車で強羅、そこからケーブルカーで芦ノ湖の桃源台へ行けます。船で芦ノ湖を渡って箱根町に行きます。箱根には幾つかの美術館、レストランやホテルが沢山あります。
今日は何度も旅した箱根のいろいろな所から強羅の彫刻の森美術館と仙石原の湿生植物花園と宮ノ下の富士屋ホテルの3ヶ所を選んでご紹介したいと思います。写真は全て私共の撮ったものです。
(1)強羅の彫刻の森美術館
強羅の彫刻の森美術館は広い芝生の上に大きな彫刻が飾ってあります。その光景は感動的です。この彫刻の森美術館は長野県の美が原にある美ケ原高原美術館と姉妹館です。
さて箱根の彫刻の森の展示内容をご紹介しましょう。
入場してすぐにある芝生の広場には西洋の有名な近代彫刻家の作品が点々と展示されています。
1番目の写真はフランス人のエミール・アントワーヌ・ブルーデル(1861年ー1929年)の作品です。1918年から1922年作の巨大なブロンズ彫刻です。右から「雄弁ー大」、「自由ー大」、「勝利ー大」、「力ー大」という題の彫刻です。
2番目の写真はエミール・アントワーヌ・ブールデルの1909年作の「弓をひくヘラクレス」と題するブロンズ彫刻です。
この他の主な展示作品を以下のようなものです。
イギリス人のヘンリ-・ムーア(1898年ー1986年)の1970年作の「横たえる像:アーチ状の足」というブロンズ彫刻。
スウェーデン人のカール・ミレス(1875年ー1955年)の1949年作の「人とペガサス」という題のブロンズ彫刻。
イタリア人のジュリアーニ・ヴァンジ(1931年生まれ)の2004年作の「偉大な物語」という彫刻。
フランス人のオーギュスト・ロダン(1840年ー1917年)の1898年作の文豪バルザックのブロンズ彫刻。
このような展示場が山の斜面を上手に利用して展示してあります。そしてピカソの作品だけを展示した「ピカソ館」やステンドグラスの塔や特別展示をしている本館ギャラリーもあります。
彫刻の森に展示されている作品は膨大です。その作品一点、一点の詳しい紹介は、http://www.hakone-oam.or.jp/permanent/?id=4 に掲載されています。
そして「美ケ原高原美術館」(http://www.utsukushi-oam.jp/ )も同じような所なのです。

(2)仙石原の湿生植物花園
箱根町立の湿性植物花園では春になると水芭蕉、山吹、碇草、石楠花などが水辺に美しく咲いています。
3番目の写真は湿性植物花園の風景です。
4番目の写真は丁度今頃咲いている水芭蕉の花です。
この湿生植物花園では仙石原のススキ原の下に広がる湿地帯を昔の植生に再現しています。派手な花々はありませんが日本古来のささやかな花々が何気なく咲いて居ます。幅の広い木道が何処までも続いています。風が新鮮で、しとやかな雰囲気が心地良いのです。植物が好きな方々なら絶対に感動する所と信じています。
仙石原へは乙女峠から下る道と宮の下から登る道があります。この二つが仙石原の北端で合流して、湖尻へ登る道になる三叉路交差点があります。その交差点から湖尻方向へ100m位行くとラリック美術館が右側にあります。そこから更に500m位登ると右方向(西方向)へ入る脇道があります。仙石原の真ん中を走っている道です。
その脇道を300m位行くと左手に箱根湿生花園の正門があります。広い無料駐車場があります。花園は丁度、仙石原の一番低い湿地にあります。南西の方向を見上げると小山があり、その小山の裾にススキが原が広がっています。ススキはまだ去年の白い穂が一面に広がっています。

(3)宮ノ下の富士屋ホテル
宮ノ下の富士屋ホテルはクラシックホテルです。クラシックホテルとは横浜のホテルニューグランド、日光金谷ホテル、箱根の宮ノ下の富士屋ホテル、軽井沢の万平ホテル、奈良の奈良ホテル、それに上高地の帝国ホテルなどのように創業が明治期で、昔のヨーロッパのホテル文化を背負ったホテルのことを言います。
5番目の写真は明治18年創業の箱根の宮ノ下の富士屋ホテルの花御殿です。戦前の長い間、外人専用のホテルとして営業していたので建物は外人好みのいささか悪趣味なデザインと色彩になっています。チャップリンやヘレンケラーやマッカーサー夫妻やヨーロッパの王族たちが泊まった時の彼等のサインが写真とともに廊下に展示してあります。アメリカ占領軍の接収解除後は一般の日本人に開放されました。
6番目の写真は泊まった部屋の室内の様子です。天井がやたらに高くスチーム暖房で古いヨーロッパのホテルの部屋のようです。デスクの引き出しに聖書と仏教解説本が入れてあります。大きなテレビが違和感を与えています。家具は古い木造で使い勝手は良くありません。クローゼットがやたら大きく、浴室も古色蒼然ながら清潔感があります。
このように欠点のあるクラシックホテルに何故多くの人が泊まりに行くのでしょうか?その限りない魅力とは何でしょうか?
不思議です。人の懐旧の情をそそるからでしょうか。食事の美味しさでしょうか。
しかしクラシックホテルの最大の魅力は従業員のサービスの質の高さにあるのです。この魅力は書いて説明するのが難しいものです。
人みな優しい気持ちになれるのがホテルの魅力なのでしょう。
そして最後に強調したいことはクラシックホテルがヨーロッパ文化の良い点を2つ持っていることです。
その一つは古い昔の伝統的な建物や家具を大切にしでいることです。これは日本でも同じなので説明は不要と思います。
もう一つの最大の魅力はどんなお客でも差別しないで人間として平等に接してくれることです。
日本の旅館では客を見て態度を変える傾向が伝統的にありました。
日本のクラシックホテルではチップを渡さなくても差別しません。その上、お客と従業員が平等な人間として優しく接してくれるのです。
これこそがクラシックホテルの最大の魅力なのです。

今日は何度も旅した箱根のいろいろな所から強羅の彫刻の森美術館と仙石原の湿生植物花園と宮ノ下の富士屋ホテルの3ヶ所を選んでご紹介致しました。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)

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