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後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

田舎暮らしで自給自足する人を訪ね話を聞く

2019年08月24日 | 日記・エッセイ・コラム
山梨県の八ヶ岳や甲斐駒岳の山麓にはよく遊びに行きます。来週も行く予定です。
その辺には別荘があり都会から移住している人々も数多く住んでいます。
しかしよく見ると移住しても農業をしている人はいません。庭にキュウリやナスを育てていますがとても自給自足なんて出来ていません。
実際には農業を一切しないで都会から引っ越す人も多いものです。その別荘地に隣接する村落の地区の組合いには加入しないで独自の生活をするのです。
このような移住の仕方のほうが問題が少なく、かえって良いのです。
ところが私の山林の中の小屋に近い所で本格的に稲作をいている人を発見したのです。米も野菜も他人へ分け与えるほど作っています。完全なに自給自足をしているのです。
その人は停年前はある大会社の研究所長をしていたのです。
訪問して詳しく話を聞きました。
今日はこの田舎暮らしをして完全に自給自足している方の話をご紹介したいと思います。
まず風景写真をご覧下さい。

1番目の写真は甲斐駒岳山麓の蕪(かぶら)開拓地の風景です。

2番目の写真は北杜市白州地区の新しい別荘地区です。不動産会社が開発し都会の人々が移住していますが農業はしていません。後の山は八ヶ岳です。
しかし稀には本格的に農業をしている人もいます。
その人の家は白州の尾白の湯の周囲の田圃に囲まれた村落にありました。
この方、K氏は田舎暮らしに憧れ定年後、都会生活を引き払いご夫婦で引っ越してきて10年以上になるそうです。K氏を訪問したら、まあ、お茶でもどうぞと招じられました。

3番目の写真はそのK氏の家です。写真のように都会風の家です。下の方は広々とした水田になっています。 南には地蔵、甲斐駒、北には八ヶ岳、東には金峰山が見えます。

4番目の写真は声楽がご趣味の奥様の作ったカボチャです。奥様はもっぱらガーデニングが趣味でロマンチックな洋風の庭を作り上げています。

5番目の写真はご主人のK氏が使っている300坪の水田です。これで毎年7俵(420Kg)のお米が取れるそうです。他に畑も借りて野菜も作っています。米も野菜も完全有機栽培で農薬は使っていません。
農機具や水田はほんの少しのお金で村落の人が貸してくれるそうです。農作業の仕方も親切に教えてくれます。どうもその地区の区長さんと仲が良いようです。
 k氏は有名なあるベアリング製造会社の研究所で定年まで働いていて、研究所長をしていたそうで、悠揚迫らない雰囲気です。筆者も工学の研究をしていましたので話が合いました。
家の1階の大きな部屋には高級なステレオ装置とピアノがあります。
一角には食卓用のテーブルがあり、そこに座れば地蔵岳や金峰山が見えます。手前に目をやると芝生と草花の庭があり、その先には水田が広がっています。陽射しが明るい場所で、昔からの村落の端にあります。
ピアノが置いてあっても狭く感じません。奥様は毎月、何度か都会の声楽の先生の所へ通い、ソロの演奏もしています。田舎でレッスンの合宿もするそうです。近くの花白州というペンションに泊まりながら。
このK氏の話から私は以下のような条件の全てが満足されていなければ田舎へ移住し農民と同じ生活をすべきでないという結論にいたりました。
(1)夫婦揃って本当に田舎暮らしが好きで、夫婦がそれぞれ車の運転が出来る。
(2)夫は稲作や農作業が大好きで、自給自足以上の米や野菜を作る決心をしている。
(3)奥さんもガーデニングが好きで、独自の趣味をしっかり持っている。
(4)自宅の中は完全に都会風で、日常の生活が清潔で便利に出来ている家である。
(5)日当たりが良くて、近くにスーパーや病院があるような立地条件になっている。
(6)ゴミ収集や無料の健康診断など市役所のサービスが無くても不平不満を言わない。
(7)村落の地区の区費を毎月出して共同作業に参加する決心をしている。
偶然にお会いしたK氏の暮らしは上の7つの条件を完璧に満たしています。
多くの人々は農作業が好きではありません。 しかし、農作業が好きでも野菜作りまでです。水稲栽培が出来る都会人は少ないものです。
一般的には奥さんが都会に残り、ご主人だけで田舎に住んでいる人が多いです。こういう場合は家庭を犠牲にしているので長続きしません。
k氏は土地が高価でも日当たりの良い農地を購入し宅地へ変更申請をしたそうです。水田は借りたそうです。
各種のベアリングは現代技術の根幹技術です。この地味な分野の研究をこつこつ努力してきたK氏だからこそ実行出来た「完璧な田舎暮らし」ではないでしょうか?

このk氏はまれに見る自給自足に成功した方です。
とにかく無理をしないで悠々と自然の中で暮らせば幸せになります。自給自足にこだわると大変です。何でもこだわることはいけませんね。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)

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