後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

今日はカトリックのミサと他教会での音楽会に行きました。

2013年04月21日 | 日記・エッセイ・コラム

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先週の日曜日は長崎の国宝、大浦天主堂で短いお祈りをし、隣の建物でのコルベ神父様の特別展を見ました。

その上、昔のセミナリオでの踏絵やマリア観音像の展示を見て、往時の隠れキリシタン達の苦しみを想像してみました。

大浦天主堂のすぐ下にあるカトリック大浦教会も訪問し、お祈りをしました。

2日後は平戸のザビエル記念天主堂でもお祈りをしました。境内には平戸での殉教者の記念碑にもお祈りいたしました。

それは観光旅行でもあったのですが、短い巡礼の旅のようでした。

今日は2週間ぶりにカトリック小金井教会でのミサにあずかって来ました。旅先のお祈りも良いものですが、やはり自分の所属している教会では落ち着いてお祈りが出来ます。

午後からは近所の東京フリー・メソジスト小金井教会で開催された「チャペル・コンサート2013」に行きました。

武蔵野音楽大学卒の高木美江さんのしっとりした音質のソプラノ独唱が11曲ありました。流石にプロのソプラノ歌手だけあって教会堂に響きわたる美声で、丁寧な歌い方に感銘を覚えました。

ピアノ伴奏は新明美恵さんでした。堅いピアノリサイタルだけでなく、レストランやバーや大型客船で弾いているだけあって、誰でも気楽に楽しめるような伴奏ぶりで好感が持てました。

そして最後の「荒城の月」のピアノ独奏は圧巻でした。小原孝氏の芸術的深みのある編曲で、あの甘い「荒城の月」が荒れ狂う海のようになったり、静かな高原の湖のようになったり、その緩急自在な演奏ぶりには感動しました。琴やハープの音色も響くような、素晴らしい月夜が描き出されていました。

この教会の主任牧師様の宮川浩二師が最後の挨拶をなさって閉会になりました。

思いがけず質の高い生の音楽を聴いて幸せな日曜日でした。

下に東京フリー・メソジスト小金井教会の写真を示します。

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・下の左は主任牧師様の宮川浩二師です。右は今日の音楽会のポスターです。

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なおこの音楽会の詳細はhttp://www.tokyofree.net/pdf/2013%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%9A%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%81%E3%83%A9%E3%82%B7.pdf をご覧ください。

Mie1 この写真は新明美恵さんの写真です。


映画、「舟を編む」をお薦めします。

2013年04月21日 | 日記・エッセイ・コラム

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(上の写真は、http://fune-amu.com/ より転載しました。)

映画の宣伝はつくづく難しいものと思います。上の写真は昨日、映画館へ行って見た映画の宣伝用の写真です。しかしこの映画の内容も、どんな人が見たら面白がるかということがさっぱり伝わって来ません。

内容はさて置き、どんな人々にお薦めすべきでしょうか?とりあえず以下の人々へ是非ご覧下さいとお薦めいたします。

(1)言葉の意味、そしてその言葉のいろいろな使われ方に関心や興味を持っている人々。そして言葉の意味が時代によってどのように変わるかに関心のある人々。

(2)24万語を網羅した辞書の根気良い編集や出版までの苦しい過程に興味を持っている人々。収益性の悪い膨大な辞書を何故出版社が出すかに興味のある人々。

(3)昭和時代に郷愁を感じていいる人々。戦後の日本映画、たとえば小津安二郎監督の「東京物語」や木下恵介監督の「二十四の瞳」のような映画を懐かしく思っている人々。

(4)職場の人間関係の暖かさや、夫婦愛の素晴らしさを映画を通して体験してみたい人々。

(5)残酷な殺人や暴力シーンは映画では絶対に見たくない人々。

まあ、ここまで書けばこの映画の内容がご想像できると思います。

そこでまず題目の意味から原作者の三浦しをんさんの説明を記します。

「言葉の海。

人は辞書と言う舟で

その海を渡り、

自分の気持ちを

的確に表す言葉を探します。

誰かと繋がりたくて

広大な海を渡ろうとする人たちに

捧げる辞書、

それが大渡海(という辞書)」

この言葉に魅了された主人公の馬締(まじめ)さんが、出版社の地味な辞書編集部で辞書、「大渡海」の編集を完成するまでの紆余曲折を描いた作品です。

その「大渡海」は24万語の言葉を網羅し、完成までに18年もかかったのです。

完成はしましたが監修者の松本先生が胃ガンで亡くなってしまいます。病床に駆けつけて行った馬締さんの持って行ったゲラ刷りだけを見て死んで行ったのです。

この映画の監督は、石井裕也さんというまだ36歳の若い人です。しかし丁寧な演出、ゆっくりしみじみしたカメラワーク、そして思い切った省略、などに感銘を受けました。

三浦しをんさんの原作を本で読んだ人は映画製作での「省略部分」に不満を感じる人もいると思います。しかし映画とはそういうものなのです。

私は地味な仕事をしている職場の人々の連帯感や、さりげない気配りに感銘をうけました。そして馬締さんが不器用な恋愛をし、それが実って暖かい家庭を作った流れのきめ細かな描き方に感動もしました。監督の演技指導が傑出していたに違いありません。

久しぶりに映画らしい佳作を見たと満足いたしました。「舟を編む」という映画をお薦めする次第です。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)