大飯原発再稼働の決定は、近いうちに野田首相が発表すると予想されます。
そして、定期検査中のすべての原発の再稼働は予定よりも遅れながらも実行されるでしょう。
このような情勢の時に原発賛成派と反対派の本音の比較をしても仕方が無いと思う人もいると思います。
しかし反対派の本音を知れば、再稼働する原発の安全対策がよりきめ細かくなります。緊急時の対応訓練も実施される筈です。
全電源喪失にそなえて24時間体制の人員配置も実行されるでしょう。
完全な予備電源装置を設置してもその運転要員が24時間体制で貼りついていなければ、また水素爆発が起きます。
ですからこそ、反対派の本音を電力会社の人々が深く理解しておく必要があります。
そこで昨日の、「大飯原発再稼働に賛成の人々の本音と反対する人々の本音を比べてみる」の続編としてこの記事を書きたいと思います。
(5)反対派;「私は赤ちゃんを育てている主婦ですが、危険な放射能を飛散させる原発には絶対反対です。爆発しない正常な原発は放射能で汚染された大量の海水を放出しています。放射能をもった蒸気洩れも時々起きています。とにかく原発は、原爆・核兵器同様に絶対反対です!」
賛成派;「こういう論理的でない感情的な反対は無視すべきです。多量の放射能を持った海水が放出しているというのは全く根拠の無い風評なのです。風評を拡大生産して反対運動するのは無知な女性のやり方です。無視すべきです!」
(6)反対派;「私は共産主義の同情者です。共産主義によると核兵器につながる原発は世界の平和を乱す原因になるので絶対反対です。日本がアメリカの軍事力の奴隷になっている状態を解消すべきと信じています。その為には中国やロシアの共産党とも協力しあうべきと信じています。とにかく資本者階級だけを一層金持ちにする原発には共産主義と言うイデオロギーからも絶対に反対です!」
賛成派;「共産主義者は昔から非国民でした。ロシアや中国に協力する国賊なのです。その上、感情的に原発反対をする女性層を自分の政治運度に取り込むような卑しい考えを持っているのです。無視すべきです!」
(7)反対派;「私はキリスト教の信者です。私の属している宗派が原発反対運動の署名集めをしています。水素爆発の可能性があり、使用済核燃料が狭い日本に溜まる一方です。将来の子供達の健康と安全のために原発には反対なのです」
賛成派;「再稼働する原発の安全対策は完璧なのです。子供達の将来も心配ありません。使用済核燃料は安全に化学処理をしてセメントで固めて、使用済核燃料は奥い坑道の底に埋め込みます。現にフィンランドにはそのような深い坑道が出来ているのです。そしてついでに余計なことを言えば、宗教が政治や社会問題に口を出さないほうが良いのではありませんか?無視します!」
さて昨日から(1)から(7)まで7項目の賛成派、反対派の本音を比較して来ました。以上でほぼ充分と思いますので一応完結とします。
望むらくは再稼働賛成派と電力会社の人々が反対派の本音に寄り添って、安全対策を完全にし、再び水素爆発が起きないように万全を期すことを祈っています。
反対派の人々も根拠のない風評に踊らされ感情的な騒ぎをしないように期待します。そして反対派は再稼働した原発の完璧な安全装置と安全要員の配置へ対して具体的な提言や意見発表を根気良く続けることが非常に重要と信じています。
私自身は福島原発の事故が起きる以前から原発廃止論者へ変わっていました。
そのことはこのブログの2009年2月24日と25日に掲載した記事で説明した通りです。2009年2月24日の記事:原子力発電へ反対することにしました と2009年2月25日の記事:原子力発電に反対し、現実的な解決法を提案します です。
この考えは変わっていませんが、原発が再稼働する事態にあたって、より建設的な反対運動になるようにと祈りつつこの2つの記事の終わりとします。
それはそれとして、今日も皆さまのご健康と平和をお祈り申し上げます。
後藤和弘(藤山杜人)