外国に暮らす場合に、幸多い日々を過ごすための鉄則が3つあります。その2番目のものは現地の人々と親しくなることです。
しかし日本人には生まれつき社交的でない人も居ます。近所の人々と仲良くする方法を知らない人もいます。職場でも仕事以外の趣味の話はしてはいけないと思っている人も居ます。
趣味の事を現地の人々と話しあうのは必要が無い・・・仕事さえ出来れば良いと思っている人も居ます。大会社から外国へ派遣された「仕事の出来る人」にしばしば見られる態度です。
しかしそれでは幸多い、心豊かな外国生活が出来ません。
外国の人々と親しくなる上で一番重要な事はその国の文化を尊敬し、人々を大切に思う心です。
もっとキザな言葉で言えば、外国人を心から愛する事が一番重要な事なのです。その気持ちと熱い愛を持っていれば外国人はそれを察し、あなたへ対して好意的になります。
必要以上に社交的に振る舞う必要はありません。
朝夕の挨拶を心を込めてするのです。そして少しだけ天気の話や趣味の話しをします。特に職場の外国人は、夫婦揃って自宅に招き簡単な料理とビールを供します。
その折、その国の歴史や文化が好きですと言います。そしてその国の文化について教えて貰います。
趣味の話も良いです。例えば下の写真のような日本の帆舟の写真を見せます。相手が帆船に興味があれば話が弾みます。ヨットの趣味の話になるかも知れません。
それから郷に入れば郷に従いたいと思う心が重要です。例えば貸家を探す時は現地の人々の忠告を良く聞くべきです。何処に住んだら安全かとか周りの住民が嫌がらないかとかいろいろ聞きます。その話が進むと、「それでは私が丁度良い貸家を探して上げましょう」という話しになります。外国人を信頼し、全てを任せてしまうと良いのです。私はドイツで家を探し、中古車を買った時、すべて職場のドイツ人がしてくれました。車の登録やナンバープレートも取ってくれました。
全てを任せます。信頼しています。尊敬しています。ドイツの音楽が好きです。そんな気持ちを最初に持つことが一番重要なのです。お世辞は逆効果です。知らない事は何でもドイツ人に聞きました。
この時、もう一つ大切な事があります。それは自分の国の歴史や文化を自分で誇りに思っている事です。簡単な説明も出来なければなりません。日本の文化とドイツの文化には優劣がないと信じている事が重要なのです。そうでないと外国人は貴方を卑屈な人間と思い、親しくなってくれません。
現地の人々と親しくなる事は友情を厚くし、国際友好も増進し、温かい平和な世界を作ります。しかしそのような善い効果の他に、自分や家族が急病になったり交通事故に会ったときに現実的なアドバイスや支援をしてくれます。そして人間は国の違いを超越出来るのです。人種の違いを超越出来るのです。
これこそが幸多い日々を支える精神的バックボーンとなって貴方を何時も支えてくれます。この境地こそは外国に住んでいて始めて体験する事の出来る至福の境地なのです。
それはそれとして、
今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。藤山杜人