.①9月4日15時の天気図 気象庁HPより引用
②9月4日15時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用
③9月4日15時の全国レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用
9月4日は、台風17号から変わった低気圧が本州南岸を進んで、寒冷前線が日本海から本州上を南下してきましたが、台風17号から変わった低気圧の縁を廻るようにした入り込んだ暖湿流と、日本海から本州に南下する寒冷前線に伴う暖湿流とが合流した、近畿地方や中京地区では、記録的が豪雨となりました。
特に、名古屋市を中心とした、愛知県や岐阜県、三重県などの中京地区では、4日15時過ぎより、所によっては、1時間に100㎜を超すような記録的な大雨となり、4日夕方、名古屋市全域に、避難準備情報も出されたほどでした。
このような、記録的大雨になる場合、地表付近の気流の局地的な収束もさることながら、暖湿流の収束(上空1000m付近)も大きな要素になると、私は考えています。
引用図②より、4日15時現在、上空1000m付近で、名古屋では南南東風で20m以上とといまっています。これは、四国沖にある台風17号から変わった低気圧の外縁を廻るようにして南南東風として伊勢湾方面に流れ込んだ暖湿流が強まっている様子ですが、名古屋の北西側の福井では、北より風10m以上と、寒冷前線が通過直後である様子で、4日15時現在、寒冷前線が濃尾平野付近に差し掛かっていることが推測されます。
通常、寒冷前線は、前面に南西風として、暖湿流が流れ込んでいるもの。前記した、四国沖にある台風17号から変わった低気圧の外縁を廻るようにして南南東風として伊勢湾方面に流れ込んだ暖湿流と、濃尾平野周辺で暖湿流同士が合流していることが解ります。
異なった気流の暖湿流同士が合流すれば、当該合流箇所では、上昇気流が周辺地域よりより一層強まることは当然の成り行きとなります。
引用図③より、4日15時現在、寒冷前線に伴う南西風の暖湿流と、台風17号から変わった低気圧の外縁部を流れてきた、南南東風の暖湿流とが合流している濃尾平野周辺で、特につ陽降水域が発生ていることが判ります。
台風(台風から変わった低気圧も同様)、前線、太平洋高気圧の外縁が、天気図上にある場合、それぞれから暖湿流が流れ込んで、当該暖湿流同士が合流した箇所で、特に雨雲が発達するものです。
そして、このような、異なった気流の暖湿流同士が合流して引き起こす大雨は、当該暖湿流を供給している台風、低気圧や前線の移動と共に、その移動方向へ移動するといった保存性もあります。
すでに、4日夜になって、寒冷前線東進に伴う強い雨雲の一部が県内に掛かり、一部で1時間に40㎜以上の激しい雨を観測した地点も出てきました。
これから5日にあけて、県内では、大雨や落雷、突風には充分に警戒してください!