焼酎のオンザロック

ただの好み。

知らなかった遺跡

2018年10月31日 16時00分28秒 | 港街日記

 遺跡というほど古くは無いような気もするが、これは「山下居留地遺跡」というもので新たに大きなビルを建設したときに出てきた物である。江戸末期に開港してから明治32年まで外国人はここにしか住めないと定められた居留地の跡で住宅や商店の基礎等が出土したのだった。

 概ねレンガ造りだが当初は木造の洋館造りだったのが大火で焼け野原になり、その後は耐火煉瓦などを使って再建されたらしい。その後関東大震災で壊滅して跡形も無くなってしまった。

 地下室もあり下水道やガス灯のためのガス管なども整備されていて、当時の日本では画期的な近代的街並みだったようだ。

 この遺構は10年近く前から保存活動が始まりビル建設側・行政・市民団体が絡み、どのようにどんな範囲で保存展示するのか、経費はどうするか、結構大変だったようである。

 当時関係していたと思われる方々の文章に

《毎回の会議打ち合わせは全て県の方針で「会議限り」とか「部外秘」と、まるで拘束状態の経緯です。
 行政とはこんにも公開することを嫌うのか、何を恐れるのか、一般市民には理解できない世界です。
 私達「山下居留地遺跡の価値を考える会」さえ会議に参加させれば、市民と合議したという建前だけが必要だったのかと疑いたくなります。》

という記述があり大分すったもんだして漸く完成したようだ。

 ビル等の建設では遺跡が出るのは悪夢で、工期は遅れるし設計変更を求められる可能性もあり、施主にとっても建設会社にとってもおおごとなのである。単に残すだけでも大変だがこれを整備して展示できるようにするとなれば継続的な経費が発生するので行政側も大変である。

 いきおい見なかったことにして埋めてしまうという事もあり得るのであった。

 そういえばそんなこともあったっけなぁ。




 
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