遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

蛍草、菜々の剣

2019-09-08 19:07:52 | 日記
令和元年9月8日(日)

蛍草、菜々の剣

NHKBS時代劇 : 葉室 麟 原作


父が無念の死を遂げ、家断絶、母親の郷で暮らす
16歳の菜々は、身分を隠し風早家に女中奉公する。
主の風早市之進は鏑木藩の上士、妻女と二人の子、
下男との平穏な暮らしの中、妻女の病死と、藩の不正
を暴かんとする市之進は同役等の陰謀で投獄、、、
次々と起きる不運の中、菜々は二人の幼子を連れて
屋敷を出される、、、、。

キャスト

安坂 菜々     : 清原 果耶

風早 市之進    : 町田 啓太

   佐知     : 谷村 美月

   正助     : 山下 心煌
   とよ     : 田中 乃愛

再婚相手 雪江   : 南沢 奈央


轟 平九郎     : 北村 有起哉
日向屋孫右衛門   : 本田 博太郎

壇浦 五兵衛    : 松尾 諭

質屋女主人お舟   : 濱田 マリ
椎上 節斎     : 石橋 蓮司
涌田の権蔵     : 宇梶 剛士
柚木 弥左衛門   : イッセー緒方


鏑木 勝重(前藩主): 中原 丈雄
   勝豊(藩主) : 中山 麻聖

ストーリー

16歳となった、菜々は身分を隠し、百姓の娘
として、風早家へ女中奉公をした。
鏑木藩上士の主、市之進と妻女の佐知、嫡男の
正助(4歳)、妹とよ(3歳)と下男の甚兵衛
の暮らしはとても平穏で、皆それぞれが優しく
失敗続きの菜々を大事に扱ってくれる、、、。

菜々の父親は同役であった、轟平九郎に騙され
在らぬ濡れ衣を哉されて切腹させられ、家断絶
止むなく母の実家で暮らす、その母も病死する
間際に、平九郎への恨みを言い残し、短刀を
菜々に手渡した、、、、。

菜々は月に一度、母の郷へ野菜を貰いに出かけ
その帰り道で、空腹に倒れる浪人者を助け、、
近くの茶店で、ナケナシの金子で団子(60本)
を食べさせてやる。(その後その浪人は藩の剣術
師範として迎えられる事となる。)

或る日、風早家を訪ねて来た武士の顔をみて、
父の仇の轟平九郎と知り、菜々は驚愕する。
市之進は、藩内に於いて、豪商の日向屋が江戸屋
敷へ金子を用立てる不正が在ると、国家老、目付
や轟平九郎の面前で直訴するが、、、退けられる。

そんな頃、病弱な妻女の佐知が寝込み、医師から
労咳であると宣告され、高価な高麗人参をと、、
市之進は家宝の茶碗を菜々に渡し「これを質に入
れ金子を調達して欲しい」と、、
質屋の女主人お舟に交渉し、薬を手にする。
容体が良くなった頃、子等の姿が見えず、雨中を
探索するうち、再発し高熱を出し、帰らぬ人となる。
死の間際に菜々を呼び、「主と子等を頼む、、、」

佐知の残した蛍草の押し花を手に、、、

或る夜、市之進の同輩の4人が轟平九郎を待伏せ
るが、返り討ちに会う。手傷を負わされた一人、
桂木仙之助は、平九郎に脅され「闇討ちは市之進
の指図によるもの
との口書を提出させられ、市之進は投獄される。
数日後、菜々と子供達は家を追い出され、、、
止むなく質屋のお舟を頼り、あばら屋を借り受て
住まう。裏手に住む椎上節斎(死神先生)は子等に
儒学を教えて居り、菜々は昼間、子等を彼に預け、

お舟に大八車を借りて、母の実家から野菜を仕入れ
売り歩く、、、 やっと客が付いた頃、地場の権三
親分が子分を引き連れ、「所場代を払え」と脅す。
出て来た幼女のとよが権三に小石をぶつけると、
権三は急に大人しくなる(権三は流行り病で亡く
した、とよと同い年の娘を思い出し、とよに重ね)
明くる日権三は、大工、左官を連れて来て荒家の
修理をし、「昨日は済まなかった」と謝った。

菜々は母の家から遺品を取寄せ、父の荷の中から
平九郎の悪だくみの証を見つける。
聞きつけた、平九郎が訪い、証を出せと脅し、、
目の前でその書面を焼いた。(実はその写しを
死神先生に書いて貰い、保管してあった)


捕獲された市之進は、江戸送りをされる、、
途中、囚人等が城下に判れを告げる為「一本松の
ある場所」で、菜々は市之進の籠が止まるのを
待ち、佐知の好んだ「月草の和歌」を大声で詠い
市之進がそれに気つき、目線で別れを告げた。

そんな頃、市之進の再婚相手であった雪江が訪れ
嫌がる子供達を「私が育てます」と無理やりに
連れ出していった。


「市之進自ら罪を認めれば、死罪を免ぜよう」と
雪江を騙し、菜々を説得させ、菜々は動揺するが、

市之進の命が助かると信じ、涙ながらに了承した。

後日、師範の壇浦五兵衛が菜々を訪れ、「市之進
は出獄出来ない」と告げられる、、悲嘆にくれる
菜々は、雪江に自己談判するが、雪江は騙された
と悟るが、、、 帰路、新藩主のお国入りの際に
御前試合が催される事を知り、五兵衛に「御前
試合の後、私の仇討ちの許可をお願いして下さい」
と頼む。藩主らは反対するが、日向屋と前藩主が

「帰り討ちにすれば何もかも消える」と賛意
を示す。

菜々の周りの善意の仲間達は心配するが、決死
の覚悟の菜々は五兵衛に真剣での指導を願う。

五兵衛は「真剣は命を捨てる覚悟、技よりも気
の充実を、、」と指導が始まる、、、。

仲間が心配する中、御前試合の当日が来た、、


仇討ちが始まり、菜々は2度3度と打ち込むが

軽くあしらわれ、平九郎は「遊びはもう終わり
だ」と、菜々の剣を弾き飛ばし、、、ひるむ
菜々の頭上に真剣が、、この時、必死の菜々は
形見の短刀を取り、剣を受け止める、、、


懸命に押し返し、一瞬のスキを見て菜々は懐の
父の証書を手に、新藩主に走る、、、

直ぐに取り押さえられるが、国家老の柚木弥左
衛門が証書を取り、新藩主鏑木勝豊に手渡す。
「殿、何卒御目通りを、、、、、」

前藩主の勝重は「無礼者」と、 然し勝豊は
「藩主は私で在る」とこれを一喝、、、、

菜々に「必ず吟味いたす、、」と約束した。

一か月後、轟平九郎は切腹となった。
何故か一言も弁明しなかった。 幼い頃に
孤児だった自分を育ててくれた日向屋への
恩義を胸に秘めたまま、、、、。




菜々は、お舟等の慰留を断り、家を出る事に
お舟は「いつでも戻っておいで、、、」

太鼓橋を渡ると、後方から子供等の声が、、、
正助ととよが走って来る、、、、、。
その後ろから市之進が現れ、 「長い間苦労
かけた、、亦、一緒に暮らそう、妻として」
戸惑いつつも、菜々は笑顔がこぼれる、、、、

不幸が続く菜々の周りは、不思議と善意在る
仲間が次々現れ、助けてくれる、庶民の温もり
今の世の中、何かが足りませんネ、、、

今日の1句

蛍草群るる小径の温もりて    ヤギ爺