残った私達はその寂しさを振り切るように海岸沿いの散歩に出かけた。
まず最初に、アパルトマンを出て左の方へ出かけて行った。
そちらの方は海岸に突き出ている崖の上へ行く散歩道で、上から見る海岸はなかなか見晴らしが良かった。
高台から戻って来ると大きなステージが有って、そこでブルターニュの民族衣装を着た若い男女がダンスをしていた。
どおりで人が多いはずだ。またアパルトマンの下をバグパイプの一団が行進していたのもこれだったのだ。
バグパイプはスコットランドだけのものと思っていたのだが、それはここで誤りだとはっきり解かった。
そしてブルターニュにはブルトン人と言うフランスでも固有の文化を持つ人たちがいるといことを知ってはいたが、このダンスや演奏や民族衣装を見て実感した。
ダンスは若い人たちが踊っており、年寄りが辛うじて守っているという状態でないことが解る。しっかり引き継がれている文化なのだ。
そのショーを少し見てから、近くのジェラールのヨットを見に行った。
沢山のヨットが係留されているところで彼のヨット「カツラ(桂離宮の桂から取った名)」があった。
今回はそれで海に出かけることは出来なかったが、何時か乗せてもらえる日が来る気がした。
ここにもカトリーヌの思い出が染みついている。数日前にカトリーヌが出て行ったばかりなので無理もない。
日本に送られてきたヨットの上の二人の写真を、思い出してしまった。
一度アパルトマンの前まで帰り、海岸で休息した、海岸の砂浜で無心な子供たちが走っていた。
海に足を浸した。しかし冷やさなければならないのはジェラールの心であった。
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