アヴィニョン夫妻の京都二日目の案内(一日目はこちら)である。
先ず初めは金閣寺だった。
金閣寺にいつも良く案内するがこの寺は、金閣舎利殿を見られる最初の地点でこの寺への感激の大半が費やされるように思う。
緑を背景に、池の向こうに燦然と輝く均整のとれた建物を最初に見た時、多くの人が驚く。そのインパクトは大きい。
しかしそのあとはこれに勝る見るべきものは無く、そのまま回遊して出てしまうことになる。
次に大徳寺の鉄鉢料理へ案内した。
奮発したつもりだし、食器を重ねられる面白さも見せたかった。
しかし、マダムは料理を前にため息をついた。
日本食になじめないのだ。残念ながら、空振りの昼食であった。
その前に大徳寺の境内の一角で、腰を落として座っている他のフランス人を見掛けた。
マダムが何やらそのムッシュと喋っていた。
後で聞くと、そのフランス人は日本に来たがどうも日本が好きになれないらしく、もう二度と来ないとか言っていたそうだ。
詳しいことは判らなかったが、そういう人もいるのも残念な事実としか言いようがない。蒸し暑い京都の夏に閉口したのだろうか。
午後は竜安寺に行った。しかしながら大勢の人が来ていて、せっかくの石庭も落ち着いて見られない状況だった。
フランス人は大体そうだが、人の多いところは好まない。
マダムさっさと方丈の裏側にある知足石の所に行き、どっかと座り込んだ。
知足石の石鉢の説明をしたが、こういう哲学的な話はフランス人の好きなところである。これでどうにかこの寺に案内したことの面目を保ったようだ。
本来、「石庭の石の数は15個ある。けれど一度に全部は見えない。最大でも14個だ。後の一つは心の目で見るんだよ。」と言うような話がフランス人向きなのだ。
しかしある時、タクシーの運転手がガイドしていて、15個見えるただ1か所のポイントを客に教えていた。それをそばで聞いてしまった。
確かにそこに立って見ると、15個全部見えた。
それが良かったかどうか、そんなポイントは無かった方が良いのではないか、あっても知らない方が良かったのではないかと、そのあと考え込んでしまった。
さて脱線してしまったが、京都案内の二日目の後半は次回に続けます。
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