goo blog サービス終了のお知らせ 

花椿夕月の『雪*星*さざれ石』

日本映画ネタ、雑ネタなど

☆1月12日 映画「君ゆえに」を見た

2020年01月11日 | この映画見ました
花椿です。

映画「君ゆえに」を見た。 この映画作品をいつも世話になっている巨大コレ

クターから入手して半年以上も経過するが、実は数日前まで見ていなかった。 


何でか言うと画質が悪いとの思い込みがあって後回しにしていたのであるが、

実際に見たら録画の質が悪いのではなくて、フィルムの保存状態が少し悪いだ

け。 不快感を感じるほどの悪さではなかった。


で、「君ゆえに」だよ。 メロドラマとしては今まで見た中で断トツのナン

バーワン!だと断言しても良いと思う。 こんないい映画がまだあったのかと

感動しまくり。 しつこく3日間で5回も見た。 少し前に見た「わが胸に虹

は消えず」も良かったけど、こっちはさらに上を行く作品だ。 簡単にメイン

・ストーリーだけ書いておくと、こうなる。


ヒロインの安西郷子が就職のため札幌から東京へ出て来た。 夜の道で暴漢に

襲われるが南明大学4年でラグビー部主将の中山昭二に助けられた。 この偶

然の出会いから二人の交際が始まるのであるが、間もなく安西は親が有力者か

ら支援を受ける代わりに好きでもないその有力者との結婚を約束させられたの

だ。


それで中山と熱海のホテルで一夜を過ごした翌日、札幌へ帰ったが中山の事が

いつまでも忘れられない。 そして好きでもない有力者と東京会館で結婚式を

するために汽車で上野駅へ向かう途中、埼玉県の「久喜」という駅で一時停車

した。 


中山はたまたま同じ日に郷里から東京へ戻るために東武伊勢崎線の電車に乗っ

ていてやはり久喜駅で停車した。 窓の外を見たら停車した国鉄の長距離列車

内に安西の姿があった。 いったんは外へ出るも婚約者がいるため声がかけら

れず、隣の線路を同時並走する列車の中の安西を見守るしかなかった。 やが

てその列車も反対方向へ走り去った。


で、映画は悲恋のままで終わるのかと不安に思っていたら、東京会館の結婚式

のシーンで思わぬ大逆転が起きた。 結婚相手の有力者の愛人が子連れで式場

に乱入したのだ。 当然、結婚式は大混乱! 安西は怒ってその場を抜け出し

た。 そして自ら車を運転して中山の元へ向かうのだった。


と書けば、なんだその程度の話かと思うだろうが、中山昭二と郷里の幼なじみ

の女(美雪節子)との関係がサブストーリーとして巧妙に織り交ぜてあって骨

太な作品に仕上がっている。

(美雪は中山を愛しているが安西の存在を知り自殺未遂をする)


思うに中山昭二も良いが、ヒロイン役の安西郷子の美貌が凄かった。 人によ

っては日本映画界で歴代最高の美人スタアという説もあるくらいで俺もイチオ

シだね。 ブログのスナップショットにしたいくらいだ。 OSKの出身だか

ら歌も踊りも得意なはず。

(鶴田浩二が主演した「俺も男さ」でストリッパーを演じてセクシーな衣装で

踊る場面があったけど、上手だったぜ)


それとコロムビア・ローズと霧島昇がデュエットで歌う主題歌「君ゆえに」が

めちゃめちゃにいい! 超名曲じゃん! 映画会社の新東宝もこの曲によほど

自信があるのか作中で3回もBGMで歌の場面があった。 しかも2番まで続

ける大サービス! この名曲を知っただけでも「君ゆえに」を見た甲斐があっ

たね。


それと監督の野村浩将って人は戦前に大ヒットした「愛染かつら」の監督だと

知った。 それと俺も見た戦場メロドラマの佳作「憲兵」(中山昭二、岸恵子)

も野村監督じゃん。 メロドラマのツボを知っているはずだな。


1954年(昭和29年)2月封切。 新東宝制作のモノクロ映画作品だ。


写真1.

熱海のホテルで中山昭二と安西郷子。 好きでもない男と結婚させられる安西

はその前に自分が本当に好きな男とベッドインしたかった、、、を示唆する場

面がある。


写真2.

安西郷子の美貌。 好きでもない男と結婚させられる前の日の夜、心の恋人で

ある中山昭二に一目会いたいと訪ねて来たが、すれ違いに終わった。


写真3.

別の線路を並走する列車に安西郷子が乗っていた! それを見守る中山昭二の

後ろ姿。 この場面になる直前から歌手の霧島昇が透き通った声で♪♪別れ行

くとも 胸深く 浮かびて消えぬ 幻よ・・♪♪と歌い出すと俺は感動のあまり泣き

に泣いた。


写真4.

熱海のホテルで中山昭二と安西郷子。 翌朝のシーン。 なお、中山昭二は「

ウルトラセブン」に登場するキリヤマ隊長役を演じた役者だね。


じゃ、またね。

2020年1月12日、午前1時5分記。
========================================

1月12日夜間に加筆修正しました。

========================================

2月15日、「ウルトラマン」→「ウルトラセブン」に訂正しました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆1月7日 映画「わが胸に虹は消えず」を見た

2020年01月06日 | この映画見ました

花椿です。

昨日、映画「わが胸に虹は消えず」を見た。 このレアな映画作品はいつも

世話になっている巨大コレクターから1か月前に入手したけど、映画界デビュ

ー初期の宝田明が見たいというだけで、あまり知らない映画だし昨日まで放置

していた。


ところが、ところが、ところがこれが大当たり! 東宝作品でありながら中身

は松竹大船調をパクったようなドロドロ、ズルズルのメロ映画! 俺が今まで

に見た東宝メロ映画では「忘却の花びら」が圧倒的な大傑作と信じていたけど

いやはや、まだ上があったとは・・・。(苦笑)


簡単にストーリーを書くと、ある造船企業の若手社員をしている宝田明と美貌

の令嬢である河内桃子が偶然の出会いではあったが、河内が同じ会社の幹部(

上原謙)の娘といういきさつもあって思いを寄せ合う関係になった。


しかし娘を手放したくない上原の反対や河内に横恋慕する悪徳医師の妨害、さ

らに河内が上原の実の娘ではなかったという秘密の暴露などが重なった上に、

宝田の同僚である杉葉子が宝田を愛していたのが誤解を呼び、二人は意思に反

して離ればなれになった。


まさに「愛染かつら」「君の名は」「この世の花」「忘却の花びら」「あの橋

の畔で」などのエッセンスを丸ごと詰め込んだような「すれ違いメロドラマ」

の王道を感じる作品だったと思う。


けれども最終場面は予想もしなかった。 第一部から第二部へ進んで最後はみ

んな解決して宝田明と河内桃子が一緒になる、または何らかの事情で悲恋のま

ま終わる、そのどちらかしかないわけよ。 で、ワクワクしながら見続けた。


しかし、この映画は終わらなかった!(と確信する) 最後の場面で河内が

宝田と出会うが「私は母親の不義で生まれた娘です、あなたとは結婚できませ

ん」とか言いながら宝田の手を振り切って離れてしまう。 あとは河内桃子が

泣きながら一人でとぼとぼと歩くシーンで終わった。


愛し合いながらも別れようとしたのは理解したけど、話が何も解決していない

のだから(杉葉子の件にしても)当然、観客は第三部へ続くと考える。 が、

第三部は存在しない。 東宝サイドで何か事情があったとしか思えないが謎で

ある。 


ただ途中打ち切りのような作品じゃあったけど、メロ作品としてはかなり骨太

だったと思うね。 第二部まで2時間15分の長編、十分に楽しませてもらっ

た。


なお、この作品は監督は「ゴジラ」で有名な本多猪四郎だ。 配役も宝田明、

河内桃子、平田昭彦など「ゴジラ」の主要キャラ。 平田昭彦は悪役だった。 

宝田明と河内桃子はこの時代では珍しい長身コンビだわね。 河内桃子の姉

を演じた根岸明美も良い。


俺の評価はランクA(水準作よりも上)であるが第三部まで制作していたら

ランクAAは確実だね。 1957年(昭和32年)7月封切。 東宝配給

のモノクロ映画。(第一部のデータ) 


□写真1

映画のチラシ。 ヤフオクに出品してあったチラシの写真をコピーした。

□写真2

宝田明と河内桃子。

□写真3

宝田明と宝田に愛の告白をする杉葉子。

□写真4

宝田明と河内桃子。 第二部のラスト近くのシーン。

(写真はモノクロをカラーライズしてあります)


じゃ、またね。

2020年1月7日、午前1時20分記。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆12月24日 映画「哀愁の街に霧が降る」を見た

2019年12月24日 | この映画見ました

花椿です。

昨日、映画「哀愁の街に霧が降る」を見た。 この前の日にブログで書いたば

かりの「朝霧」を見ているが、今度の映画は「朝霧」のちょうど1年後に東宝

が制作した作品だ。 もちろん山田真二と青山京子の青春コンビが主演である。


視聴を始めて1時間はこれでもか、これでもかと正統派メロドラマの直球を浴

びて人の善意と純粋な人間愛に感動しまくりの俺だったのが、終わり近くにな

ってガラッと様相が変化、火曜サスペンス劇場のような展開になったのには驚

いた。 ラストシーンではハンマーで頭をぶん殴られた気分にされた。


ストーリーを簡単に書けば、女子大生の青山京子が病弱な姉と2人で同居して

いて生活費を稼ぐ目的で似顔絵を描くアルバイトをしている。 たまたま酒場

に来ていた学生の山田真二と知り合って交際が始まったのであるが、ストーカ

ーの男(徳大寺伸)がいて青山を困らせていた。


ある日、徳大寺が二人の交際を妨害する目的で偽の手紙を青山に書いたため、

すっかり手紙を信じた青山は山田の元を離れた。 山田は必死の思いで青山を

探し出して、ようやく誤解が解けたのもつかの間、二人の家に訪ねて来た徳大

寺ともみ合いになり誤って徳大寺を刺し殺してしまったのだ。


山田を育てた伯父は世間体を気にして逃げるように勧めるが、結局、山田は

自首する道を選択する。 最後は青山と二人で警察署へ行くところで終わった。


なんかちょっと腰を折られた気分になった。 徳大寺伸を間違って刺したとこ

ろまでは、まあ、いい。 そのあとがダメ。 叔父を演じる小沢栄が「俺はこ

れから部長になるんだぞ!」と言って半狂乱になってスキャンダル発覚を恐れ

るシーン。 これが延々と続くが全く不要。 


ラストシーンで山田と青山が二人で警察署へ歩いて行く途中、急に大ヒットし

た映画の主題歌「哀愁の街に霧が降る」を二人で歌う場面があるが、自首では

なくてまるでピクニックへ行くような感じで、これにも水を差されたね。

(曲はともかく)


思うに恋人を救うために誤って人を殺すというのはメロドラマの古典的名作「

滝の白糸」やこのブログでも書いた「思い出月夜」なんかがあるが、ラストシ

ーンはもっと上手に処理してあったはず。 それと比較してシナリオが雑だね、

この映画は。 


あるいは最初から山田・青山が主演するメロ風のサスペンスドラマにしたつも

りかも知れないが、何にしても失敗作だ。 ただし初めの1時間は楽しませて

貰ったので俺の評価はランクA(水準作よりは上の出来)である。 この部分

に限っては捨てがたい味わいがあったのは確か。


1956年(昭和31年)10月封切。 東宝制作のモノクロ映画。 75分。

山田真二が歌う主題歌「哀愁の街に霧が降る」が大ヒットした(らしい)。


写真1.

山田真二。 

写真2.

山田真二と青山京子。

写真3.

山田真二と青山京子。 ラストに近いシーン。

なお、写真はモノクロをカラーライズしてあります。


じゃ、またね。

2019年12月24日、21時55分記。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆12月23日 映画「朝霧」を見た

2019年12月23日 | この映画見ました

花椿です。

映画「朝霧」を見た。 同名の映画が3本制作されているが、俺が見たのは

1955年(昭和30年)11月に東宝が配給した山田真二、久保明、青山京

子、岡田茉莉子、杉葉子が主演した青春メロ映画の方だ。


はっきり言って数か月前に「ロマンス誕生」を見た時に山田真二のファンにな

るまで、こんな映画がある事実さえ知らなかった。 しかし俺の場合はいった

ん好きになると徹底してこだわる方だから、山田真二のフィルモグラフィは全

て見なければいけないという気分に支配されて日本映画の巨大コレクターに照

会した。 そしたらあった。 


「朝霧」「哀愁の街に霧が降る」「若い樹」「ロマンス祭」など俺が見たいと

思う山田真二が主演するレアな映画作品がみんなあった。 大喜びしながらそ

の中で一番古い「朝霧」から見ることにした。 


ストーリーを簡単に書けば、山田真二が信州で大学生をしている。 ある日、

親友の久保明とリンゴ園の中で農家の娘である青山京子と知り合った。 とこ

ろが青山は貧しい一家を助けるために芸者として売られる身である。 それで

山田は必死の思いで過酷なアルバイトに励み青山を苦境から救い出そうとする

が事故死してしまった。


それを知った久保はすでに芸者に身を落した青山の元へ行き山田の訃報を知ら

せた。 泣き崩れる青山。 久保はどうする事も出来ず涙を浮かべながら立ち

去るしかなかった。 映画はそれ以外に久保と岡田茉莉子との関係やら、久保

の姉(杉葉子)と岡田の父親(志村喬)の愛人関係の話やらが同時進行の形で

描かれる。 


俺の評価はランクA(水準作よりは上)であるがランクAA(最上級)には達

しない。 何でか言うと山田真二の死が電報の知らせという形で唐突に出て来

るのも驚いたけど、その前後がさっぱりわからない。 最初から省略するつも

りだったのか、時間の都合で仕方なくカットしたのか知らないがご都合主義と

評されても仕方あるまい。


主役は久保明であるにしても山田・青山の青春コンビが映画の途中で急に消え

たのはレモンのない紅茶みたいなものである。 その点はちょっとガッカリだ

ね。 しかし全体的には友情とか人間愛とかが、これでもか、これでもかと善

意の塊のような作品作り。 このマジメさは凄い。 あまりに感動して久しぶ

りに画面を見ながら泣いたよ、俺。


1955年(昭和30年)11月封切。 モノクロ作品だ。 松本城や上高地

がロケ地になっているが色彩で見たかったね。 それと、このブログの「山田

真二スナップショット#17」に「朝霧」の挿絵を出してます。


写真1.

山田真二と青山京子。 青山京子は庶民的な顔立ちでそんなに美人女優じゃな

いけど俺は好きだね。 清純派。

写真2.

松本城を背景に山田真二と青山京子。

写真3.

リンゴ園の中で。 右から山田真二、久保明、青山京子。

写真4.

上高地で久保明と岡田茉莉子。

写真5.

久保明が芸者になった青山京子に山田真二の死を知らせる場面。


じゃ、またね。

2019年12月23日、午前2時50分記。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆11月12日 映画「ロマンス誕生」を見た

2019年11月11日 | この映画見ました

花椿です。

先月、映画「ロマンス誕生」を見た。 基本的にはミュージカル形式の青春ド

ラマを東宝が誇る若手二枚目の山田真二と若手歌手として人気絶頂の雪村いづ

みが演じた作品である。 


二人とも歌えるし、ゲストの美空ひばりが本人の役で出たり、宝田明の歌うシ

ーンまであって楽しさ満載といったところ。 おまけにSKD出身の淡路恵子

がソロで本格的に踊る場面を見て卒倒しそうになった。 個人的には非常に美

味な作品だったね。


ストーリーを簡単に書けば大阪へ向かう列車の中で雪村いづみと山田真二が知

り合う。 最初は気まずい関係であったが実は雪村の父親(日守新一)が支配

人をしているキャバレー「ロマンス」の経営者が山田の父親だった。


ある日、日守が美空ひばりのマネージャーとロマンス出演の契約を結ぶのだが

これが見事な詐欺。 しかし大宣伝した手前、取り消すわけにもいかず日守と

娘の雪村は困り果てる。 


そこに親のあとを継いでキャバレー経営者を目指す山田が登場。 京都で公演

中の美空ひばりと直接かけ合って、キャバレー・ロマンスでの美空ひばりショ

ーの開催を承諾させた。


雪村は社長の運転手と思い込んでいた山田が実は息子だと知ってびっくり。

山田が大学のクラブで主催するミュージカルショーにも出演を約束した。 そ

の時に音信不通の姉・淡路恵子とも面会が叶い、何もかもハッピーエンドで終

わった。 


まず山田真二の二枚目ぶりに驚いた。 歌も上手だし、あとで調査したら東宝

の江利チエミ、雪村いづみ、美空ひばりの3人娘が主演するミュージカル映画

にはみんな準主役で出てるじゃん! しかもギャグのセンスもあるし単なるア

イドルじゃあないぜ、この役者。 俺は二枚目が好きだから今頃になってハマ

ってしまいそうである。


雪村いづみ嬢もめちゃグッド! 歌って踊れるのがいい! この映画では終盤

にかぐや姫に扮して歌いながら日舞を踊るシーンがあったけど宝塚の豪華絢爛

日舞ショーを見たような感じで最高だ、こりゃ。


美空ひばりも本人の役ってのが面白い着想だ。 東映のひばり映画は好きで割

と見ているけど一人二役や男に扮装するのはよくあるが、本人の役ってのは初

めて見た気がするね。 歌の場面は当然良かった。


1957年(昭和32年)5月封切。 東宝配給で総天然色だ。 松竹のベテ

ラン役者の日守新一が出るのも見どころ。 俺の評価はランクAだわね。


■写真1

キャバレー・ロマンスの舞台で宝田明と雪村いづみ。

■写真2

山田真二。 端正な顔立ちで歌って踊れる。 ギャグのセンスもあり。

■写真3

キャバレー・ロマンスで歌う美空ひばり。(本人役)

■写真4

かぐや姫の雪村いづみサマ。

■写真5

雪村いづみと淡路恵子。


じゃ、またね。

2019年11月11日、20時20分記。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆11月5日 映画「女は夜霧に濡れている」を見た

2019年11月04日 | この映画見ました

花椿です。

つい数日前にスカパーでオンエアした「女は夜霧に濡れている」をリアルタイ

ムで見た。 俺の場合は映画作品は録画してから見るのが普通で、録画しなが

らリアルタイムで見るのは珍しい。 今年は3月放映の「花真珠」をリアルタ

イム視聴して以来じゃないかと思う。 


それだけの期待感をこの作品に感じたわけやけど、その理由は2つあった。 

一つはヤフオクで日本映画のポスターを物色していた時に、この作品のポスタ

ーが非常に気に入ってウォッチリストに入れた時から見たい作品である。


もう一つは原作が川内康範で脚本が下飯坂菊馬じゃん。 川内康範はメロ映画

「誰よりも君を愛す」や「東京の夜は泣いている」で俺を感動させているし、

下飯坂菊馬は80年代後半の昼メロとして圧倒的な視聴率を誇った高木美保、

渡辺裕之主演の「華の嵐」とその姉妹作である「夏の嵐」の脚本を書いた人だ。


30年前、「華の嵐」を見てウルトラ感動した俺の脳内では下飯坂菊馬=メロ

ドラマの巨匠みたいなイメージが出来上がっている。 したがって、この二人

がタッグを組んだメロ映画なら絶対に感動するはずとの思いがあった。


しかもカントクが江波杏子の「女賭博師」シリーズを大ヒットさせた井上監督

とあらば、まさに鬼に金棒であろう。 見る前からワクワクするはずである。


しかし見終わった印象としてはやや盛り上がりに欠けたと思う。 良く言って

水準作、悪く言えば凡作だ。 叶順子、藤巻潤、田宮二郎と役者は揃っている

が、いまいち何か不足感があった。 


一体何が不足なのだ?と俺なりに考えてみたら、俺の場合は松竹のドロドロし

た男女関係の奴とか(恋人が敵になるとかの)、すれ違いドラマが好きなのよ

ね。 大映のこの作品はドロドロ感もなければ、すれ違いもない。 オマケに

藤巻潤はメロドラマ向きの俳優じゃない。 本郷功次郎の方がまだ良かった気

がする。

(テレビ版の「愛染かつら」も藤巻潤じゃあねぇ・・・みたいな気がした。 

ザ・ガードマンのようなアクション系とかミステリ系の作品は良いけどね。)


ストーリーは実に簡単で、建築家の田宮二郎と別れて愛人業に身を落とした叶

順子が建築家志望の大学生・藤巻潤を好きになってしまうわけ。 藤巻は米国

留学を目指しているが、選考委員の一人が田宮である。


田宮は藤巻が叶の恋人であると知って、田宮との結婚を断れば藤巻を選考から

外すと叶を脅かした。 結局、叶は藤巻に米国留学をして欲しい一心から田宮

の要求を受け入れた。 藤巻を空港で陰から見送った叶はその日の夜、霧の中

で涙ぐむのだった。 1962年(昭和37年)2月4日封切。 総天然色。


■写真1

叶順子と藤巻潤。

■写真2

夜霧の中で涙ぐむ叶順子。

■写真3

藤巻に留学させるため田宮の要求を受け入れた叶が「私の体は汚れている」と

か言って藤巻に別れ話を持ちかけた。

■写真

悪役を演じた田宮二郎と叶順子。


なお、写真の切り出し作業をしていて気が付いたけど、監督の趣味なのか人物

のシーンは上半身だけの大写しがやたら多かった。 叶順子の足元まで写るシ

ーンが極端に少ない。


じゃまたね、

2019年11月4日、22時10分記。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆10月28日 映画「消えた中隊」を見た

2019年10月28日 | この映画見ました

花椿です。

アマゾンでDVDを調査していたら黒澤明DVDコレクションってのがあって

そのシリーズ追加作品に黒澤が脚本だけ書いて他の監督が指揮をした作品が

10本くらいあった。 そのうち「戦国群盗傳」「吹けよ春風」「消えた中隊」

の3本を買った。 いずれもレア作品だ。


で、さっそく一番興味のある「ソ満国境2号作戦・消えた中隊」を見た。 そ

の結果はあまりの衝撃的なラストに完全に圧倒された。 はっきり言って、俺

の評価はランクAだ。 ウルトラ級のランクA。 黒澤明の脚本は凄ぇなと思

ったね。


ストーリーを簡単に書けば、辰巳柳太郎が演じる陸軍大尉がソ連と満州の国境

近くにある日本軍の監視哨で指揮を執る事になった。 たまたま辰巳が待合で

飲んで眠っていた時に軍の上層部が関特演(関東軍特別大演習)を利用してソ

連軍を挑発する謀議をするのを知ってしまい、利用される羽目になった。


要するに挑発に乗って国境を侵犯したソ連軍を叩いて自分たちの手柄にしたい

わけ。 ところが全くの偶然ではあるが部下の中尉が子供を助けるために命令

違反をしてしまい挑発に失敗した。 当然、その中尉は軍法会議である。


しかし謀議をした関東軍参謀や師団長は軍法会議で自分たちの犯罪がバレるの

を恐れて、その事実を知る中隊の全員を抹殺する計画を考えた。 最後はその

中隊が反乱を起こしたとかでっち上げて他の部隊に駐屯地を砲撃させた。


当然、味方から突然砲撃された中隊は全滅だ。 軍司令部の上層部が自らの

失態を隠ぺいするための犠牲にされたわけ。 題名の「消えた中隊」とはその

意味なのだと理解した。 映画を見終わってから「うう~む」と重いテーマに

押し潰されそうになったぜ。 


日本軍をテーマにした映画を見て重いテーマに重圧されたのは「八甲田山」以

来だろうか。 とにかく黒澤らしい重厚な脚本だった。


あとは島崎雪子が慰安所の売春婦の役で出ていたけど、まさかこんな作品で島

崎雪子に会えるとはねぇ。 関東軍参謀と謀議する大陸浪人風の黒メガネのオ

ッサンを演じたのが島田正吾やけど、この人は「八甲田山」でも師団長か何か

の役で出ていたと思う。 


とにかく凄い映画を見た!という思いでいっぱいだ。 珍しく突っ込み所はな

かった。 超A級の映画であると断言する。 昭和30年1月封切の日活映画。 

モノクロ。


なお上に出した予告篇はモノクロ場面を疑似カラーに変換してあります。 

悪しからず。


じゃまたね、

2019年10月28日、朝5時45分記。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆10月20日 映画「殉愛」を見た(続き)

2019年10月20日 | この映画見ました

花椿です。

さっき書いたばかりの映画「殉愛」の写真が映画雑誌に出ていないか調査した

ら映画ファン誌と近代映画誌の昭和31年10月号に東宝が提供した宣材写真

が掲載してあったので撮影してみた。


あくまで宣材であるから実際の映画シーンに出ていない写真が含まれている。

例えば上の写真の海軍第2種軍装(白い軍服)の鶴田浩二は映画には出ない。

案外、第2種軍装のシーンが撮影されたが編集でカットされたのかも知れない

が。


とにかく鶴田浩二の特攻隊員は他の映画でもあったと思うが飛行服姿はカッコ

いい! 「神桜隊」なんて書いてあるとなおさらよ。 八千草薫は俺の世代で

はお母さん役のイメージしかないが、全盛期の美貌はおそらく日本一であった

と断言する。(身長がやや低めなのが惜しい)


じゃまたね、

2019年10月20日、午前1時5分記。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆10月20日 映画「殉愛」を見た

2019年10月19日 | この映画見ました

花椿です。

個人投資家をしている俺が暇潰しに「この映画見ました」のカテゴリーを作っ

て日本映画の感想を書いて来たけど、最近はサボってもう2か月以上も経過し

た。 


書きたい作品は結構あるが一番記憶が新しいのが、昨日見たばかりの鶴田浩二

と八千草薫が主演した「殉愛」だ。 大スタアである鶴田浩二の映画は結構見

ていて月初めにも「春高楼の花の宴」で山本富士子と共演したメロ映画を見た

ばかり。(これは駄作であったけど)


なんか俺の世代では鶴田浩二ってのは映画で暴力団組長とか時代劇で遠山の金

さんを演じる役者みたいなイメージがあるが、今思うと昭和20年代後半~

30年代前半の鶴田浩二の現代劇はやたらメロが多い。 女たちの絶大な支持

があったらしくて映画ファン誌なんかでは「浩ちゃん」の愛称で記事が出たり

する。

(もっとも30年代後半から「浩ちゃん」は里見浩太朗の愛称に変化するが)


ま、それはともかくメロ映画で面白い奴はないか?と調査して出て来たのがこ

の映画。 ある巨大マニアに照会したらお持ちだったので提供して貰ったしだ

いだ。 封切は1956年(S31年)10月31日だね。 俺が2才になる

少し前のモノクロ映画。 東宝制作。


簡単にストーリーを要約すると日本の敗色が濃くなった昭和20年、鶴田浩二

が海軍予備学生出身の特攻隊員として航空基地にいる。 鶴田は大学時代から

八千草薫と両思いであったが、結婚を強く願う八千草に対して「君を未亡人に

するわけにはいかない」と言って鶴田は拒否するのであるが、結局、八千草の

気持ちに負けて結婚した。


ある日、出撃が決まり自宅で最後の一夜を過ごす二人であるが、鶴田の上着に

遺書が隠してあるのに気が付いて真実を知った。 八千草はかねてより鶴田が

出撃する日に自分も死ぬと決めていたので、鶴田を見送った直後、ためらわず

服毒自殺を遂げた。


ところが鶴田の方は基地へ戻る途中に敵戦闘機の機銃掃射を受けて負傷したわ

けだ。 当然、出撃は叶わず自宅へ帰った鶴田は聖女のように眠る八千草を

発見した。 で、全てを知った鶴田は拳銃を取り出して自らも八千草のあとを

追ったのである。


この映画に限ってはキネノートで勉強していたから見る前からストーリーを知

っていたのもあるが、なんかあまり感動しなかった。 いかにも最終場面がわ

ざとらしい。 


ずいぶん前に新東宝映画の「戦場の撫子」を見た時は、日赤が満州に派遣した

従軍看護婦が日本が降伏した際に敵兵から清らかな大和撫子の体を汚されるく

らいなら死にます!といって全員が青酸カリを飲んで自決する場面があって、

俺なんか感動してオイオイ泣いたものやけど、その俺が全く感動しなかった。 


その意味では明らかな失敗作。 むしろ鶴田が搭乗する戦闘機が250キロ

爆弾を抱いて飛び立つのを見送ったあとで服毒自殺するという方が映画として

は良かった気がするね。 二人ともが戦争のない所へ行ったという意味では。


しかし、まあ、突っ込み所は満載やけど映画全体の出来栄えは決して悪くない

と思う。 いかにも反戦映画でございます的なドラマ、あるいは特攻隊員のお

涙頂戴的なドラマは大嫌いやけど、この映画はあまり思想的な意味での反戦色

は感じなかった。 つまり左翼っぽい映画でないのはいい。


それと俺が断固として言いたいのは、八千草薫が超絶的に美しかった。 スト

ーリーには感動しなかったが八千草の美貌にはめちゃめちゃに感動した!!

その意味では俺の評価は高いね、この映画。


■写真1

両思いの鶴田と八千草。

■写真2

八千草薫のアップ。

■写真3

大学時代の想い出のシーン。

■写真4

戦闘機に搭乗する鶴田。

■写真5

映画のラスト近く。 出撃できなかった鶴田が自宅で八千草の遺体を発見した

場面。


じゃまたね、

2019年10月19日、22時35分記。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆8月9日 映画「愛情の都」を見た

2019年08月08日 | この映画見ました

花椿です。

7日にスカパーの日本映画チャンネルでオンエアした「愛情の都」をさっそく見

た。 1958年(S33年)東宝作品だ。 最近はS30~32年頃に公開し

た松竹大船作品を見る機会が多いので、大船調メロ映画に洗脳された俺の感覚で

東宝のメロはどうなのよ?とちょっと怖い感じもあったけど、よく考えたら俺を

めちゃめちゃに感動させた「忘却の花びら」は東宝作品だったわいね。


で、まずいきなり東京神田のニコライ堂らしき切り絵に「愛情の都」のタイトル

がバーンと出たのに驚いた。 しかもこの切り絵は巨匠・藤城清治の作品じゃん。

タイトルを見た瞬間にワクワクしたのはあまり経験がない。

(シンゴジラを見て以来か?)


主演は宝田明と司葉子であるが、小泉博、淡路恵子、白川由美、草笛光子、団玲

子ら当時の東宝が誇る若手/中堅スターが全員参加。 俺の好きな役者ばっかりだ。 

スカパーの解説では清純派の司葉子が演技派に脱皮するきっかけとなった作品と

の事である。


簡単にストーリーを書けばプレイボーイで女にモテモテの宝田明が行きつけの居

酒屋を経営する草笛光子の妹でまじめな性格(しかも処女)の司葉子と知り合う。

結婚を口約束するところまで愛し合うが実は宝田にはダンサーの愛人・淡路恵子

がいた。


淡路は司の存在を知ってめちゃくちゃに嫉妬するわけ。 しかも淡路の存在を

司にも知られてしまい、司は宝田から逃げるように去った。 さらに草笛の愛人

である河津清三郎から処女を奪われた司は自暴自棄になって場末の女給へと転落

した。


それを知った宝田は場末のバーに行き厚化粧の飲んだくれに変貌した司と再会す

るが、帰り道で淡路にピストルで撃たれて重傷を負った。 ラストは知らせを受

けて病院に駆け付けた司と宝田が病室で再び愛を誓う場面。 病室の窓からは雪

景色が見えていた。


はっきり言って力作ではあるが、やや盛り上がりに欠けた。 司葉子を転落させ

るのであれば場末の女給ではなくて、一気に特殊飲食店(赤線)の売春婦をやら

せた方がインパクトが大きいと思う。 行儀の良い東宝ではそれは無理だったか。


司葉子本人も売春婦の役はいやだったかも知れないが、このシナリオにしたらビ

ビアン・リー主演の「哀愁」みたいな感動的なラストシーンが見られたかも知れ

ない。 ちょっと惜しい。


個人的な事を書けば団玲子の美貌に驚いた。 ファニーフェイスの女という印象

を持っていたが、この映画では俺が一番魅力を感じた女優は団玲子だね。 白川

由美は前から俺の恋人やけど出番が少ない。 


草笛光子は当時25才にしてはあまりにババァ。 松竹時代から老け顔じゃあっ

たけど、この映画ではどう見ても45才くらいにしか見えなかった。

(メイクのせいかも知らんけど) 

「忘却の花びら」からまだ2年しか経過していないと思うのだが・・・。


司葉子も「忘却の花びら」で主演したのやら、ずいぶん東宝映画で主演したの見

たけど目の保養には良いが身長が低いのがやや難だわね。 宝田明は当時の東宝

映画には全部出ているんじゃないかと思うくらい見ているが相変わらずカッコ良

すぎ。 個人的には好きな役者だね。 それと宝田明はまだ元気らしく、少し前

にNHKのお昼のトーク番組に出ていたぞ。


□写真1

場末のバーで変わり果てた司葉子と再会したあと雪道をとぼとぼ歩くシーン。

宝田本人が歌う主題歌が流れていた。

□写真2

司葉子の美貌。

□写真3

宝田が司に「君を愛しているよ」と迫るシーン。

□写真4

宝田の愛人、淡路恵子が司の存在を知って逆上する。

□写真5

重症の宝田に病室で面会した司。

□写真6

場末のバーの女給に落ちぶれた司とプレイボーイを廃業して司ひとすじの宝

田。


じゃまたね、

2019年8月8日、21時20分記。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆7月21日 映画「炎の氷河」を見た

2019年07月21日 | この映画見ました

花椿です。

昨夜までまる3日間も絶不調で、のたうちまわるほど腹部の痛みと不快感に苦し

んでいたのが、今朝になって目を覚ましたらかなり良くなっていた。 じゃ、3

日ぶりに映画でも見るかと思い立ってライブラリーから選んだのが「炎の氷河」

だね。


昭和32年2月に松竹大船が公開した総天然色(カラー)作品だ。 会社として

も当時まだ高価なカラーで制作するわけだから、かなり力を入れた作品じゃない

かと思う。


もっとも、俺がこの作品を選んだ理由は大好きな女優の杉田弘子が主演している

という、ただそれだけ。 しかし見ているうちに興奮したのか、杉田弘子の美貌

にガーンと頭をぶん殴られた気分になって、続けて2回目も見た。 おそらく3

回目、4回目も見ると思うが、個人的にはそれくらい価値のある作品だ。


ストーリーも結構面白い。 一口で言えば杉田の父親が経営していた会社が実業

家の柳永二郎の計略で乗っ取られて、父親が拳銃自殺するのが物語の発端だ。


杉田は柳への恨みから会社を取り戻すべく仕手筋の多々良純に頼んで株の買い占

めをするわけだが、杉田が多々良の体の要求を断ったことから裏切られて失敗す

る。 しかし柳は杉田の兄(川喜多雄二)から射殺された。


一方、杉田には恋人(高橋貞二)がいたのだが、これが宿敵・柳の息子。 その

ために恋人をも敵に回す羽目になっていた。 最後は株の買い占めに失敗して意

気消沈した杉田が箱根湖畔(芦ノ湖?)で入水自殺を図るも高橋の機転で救われ

一命を取りとめた。


思うに、千篇一律の大船調と言ってしまえばそれまでやけど、その大船調が面白

いのよ。 杉田が敵になった元の恋人、高橋のことを思いながら雪の湖畔をとぼ

とぼと一人歩く場面で島倉千代子の主題歌が流れる。 これを見た瞬間、俺は泣

いた。

(1時間21分あたり)


感情移入して泣いたわけじゃ決してない。 杉田弘子が主演する映画にこんない

いシーンがあった。 しかも総天然色だし、島倉千代子の曲もいい。 杉田弘子

の最高の場面をついに見たという、ある種の達成感だ。 これに感激して泣いた。

この映画、俺の評価は断トツに高いね。


□写真1番目

杉田弘子と高橋貞二。

□写真2番目

杉田弘子。 俺の趣味として杉田弘子、野添ひとみのようなはっきりした顔立ち

が好きだね。

□写真3番目

川喜多雄二と杉田弘子。 川喜多の出番は少なくて狂言回しのような役。

□写真4番目

杉田弘子。 俺が感動した箱根の湖畔をとぼとぼと歩くシーン。


じゃまたね、

2019年7月21日、15時45分記。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆6月16日 映画「いとしい恋人たち」を見た#2

2019年06月16日 | この映画見ました

花椿です。

昨夜、「いとしい恋人たち」を見た直後に興奮して記事を書いたけど、まだ書き

足りないと考え、以下の記事を#2として追加しておきます。

====================================

この映画、15日の夜間に見てめちゃめちゃ感動。 この感動はブログの記事に

残しておかねばと詳細な記憶が残っている間にすぐ書き上げた。 そして16日

の朝になってもう1回見た。 同じ映画を連続して見たのは「青い夜霧の港町」

以来なのだが、つまりそれだけ良かったという意味だ。


で、やはり同じ映画を2回見てわかった部分があった。 劇中で杉田が石浜に「

あなた女の気持ちがわかってないわ」と話す場面がある。 最初に見た時はさほ

ど意味は感じなかったが、2回目、つまり内容を理解した上で見たら、要するに

これって「私、あなたを愛しているわ」をさりげなく表現したのだと鈍感な俺に

も理解できた。 


それとは別に石浜が野添を家に連れて来た時に母親役の浦辺粂子が大喜びという

よりも、一瞬もの悲しい表情を見せる。 結局、母親としては次男の石浜と未亡

人になった杉田を一緒にさせたいと考えていたところへ突然、野添ひとみが現れ

て母親の希望が打ち砕かれたってところだろう。 この映画って色々な部分に伏

線が張り巡らされていて非常に凝ったシナリオである。 これはやはり同じ映画

を2回見なければわからない。


肝心の野添ひとみについて語れば、その美貌はともかく、なんか最初から最後ま

で不幸を背中に背負った感じのキャラがいまいちだった。 というか映画は野添

ひとみ主演になっているけど、実際は杉田弘子主演の悲恋ものと表現した方が正

しい。 野添ひとみと石浜朗が結婚してやれやれハッピーエンドではなくて、杉

田弘子の悲恋がメインストーリーなのだ。 だからこそ面白い。 悲恋もの大好

きなのよ、俺って。


ついでに書くと、この映画は昭和32年1月3日封切になっている。 正月映画

だから松竹として力を入れた作品だと思うが、実際に撮影したのは31年の11

~12月じゃあるまいか。


映画を見たら当時の庶民の生活が偲ばれるけど、冬の暖房は火鉢と湯たんぽのみ

でテレビも冷蔵庫も洗濯機もなくて朝起きたら井戸の水をくみ上げて顔を洗う。 

外へ出たら舗装してない土の道を駅まで歩くわけ。 当時の俺は2才やけど、

今の時代がどんなに凄いかよくわかったね。


□写真上

石浜朗(右)と野添ひとみ。 

□写真2番目

石浜朗(右)と杉田弘子。

□写真3番目

石浜朗(右)と杉田弘子。 ラスト近くの別れのシーン。

□写真下

野添ひとみ。

なお、モノクロ映画ですが俺の方で勝手に疑似カラーにしてあります。 悪しか

らず。


じゃまたね、

6月16日、朝10時45分記。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆6月16日 映画「いとしい恋人たち」を見た

2019年06月15日 | この映画見ました

花椿です。

1957年(昭和32年)松竹大船制作の「いとしい恋人たち」を見た。 作品

そのものは野添ひとみ主演の青春もの映画で典型的なプログラム・ピクチャーと

いうか、どこにでも転がっている話だと思う。 俺個人は野添ひとみが見たい、

見たい、見たい一心で内容はどうでも良かったのだが、結果的には伏兵の杉田弘

子の美貌にやられた。


杉田弘子は1950年代後半の大船作品によく登場する女優で特に珍しくはない

けどこの作品、「いとしい恋人たち」では妙に大人っぽいお色気があった。 最

近の俺は高千穂ひずるにも心惹かれているし、なんとなく大人っぽい系が好きな

のよね。


ストーリーを簡単に紹介すれば、理系サラリーマンの石浜朗と同じ会社で事務員

をしている野添ひとみが恋人同士である。 ところが母子家庭の野添の母親が娘

離れ出来ず結婚に猛反対だ。 それではと信州に婚前旅行に行って事実を作る二

人の強硬策が成功して母親を承諾させた。


一方、石浜の家にはテレビ局で働く未亡人の義理の姉(杉田弘子)が同居してい

て何かと石浜の世話を焼いている。 周囲はみんな杉田が石浜を好いていると感

じていたが、その石浜が野添と婚約したために杉田の方は当然ながら心乱れてし

まった。


結局、杉田は大坂へ赴任する事が決まって石浜と別れる日が来た。 その時には

っきりと「あなたが好きでした」と言うわけじゃないが、それを示唆する言葉を

遠回しに喋ったわけ。 愛の言の葉よ。 この場面で俺は感動して泣いた。 


「映画は愛がなければだめ!」っていう俺をめちゃくちゃに感動させたこのラス

トに近いシーン。 この場面の杉田弘子がいい! ますます感動して泣いたぞ。


□写真上

石浜朗(左)と杉田弘子。 杉田がまるで夫婦のように義弟の石浜の世話を焼く

場面。

□写真2番目

野添ひとみ。

□写真3番目

石浜朗(右)と野添ひとみ。 杉田が乗った飛行機を見送るところ。

□写真下

杉田弘子。


なお、モノクロ映画ですが俺の方で勝手に疑似カラーにしてあります。 悪しか

らず。 それと昭和32年(撮影は31年末)の小田急線豪徳寺駅あたりの商店

街や住宅街が出て来るのも見どころ。


じゃまたね、

2019年6月16日、午前0時20分記。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆5月26日 映画「薔薇の木にバラの花咲く」を見た

2019年05月26日 | この映画見ました

花椿です。

1959年(昭和34年)3月に大映が公開した「薔薇の木にバラの花咲く」を

ようやく見た。 題名の由来は全く分からなかったが、劇中で田宮二郎が若尾文

子に「花はなんで美しいか知っていますか? 花は自分の美しさを知らないから

です」と話しかける場面があって何となくわかった気がした。


薔薇の花は自分の美しさを知らないのだと。 「薔薇の木にバラの花咲く」とい

う変てこな題名はそんな意味を込めているのじゃないか? もちろん薔薇の花は

ヒロインを演じる若尾ちゃんを指すわけよ。


まあ、それはともかく川崎敬三の二枚目キャラが光る作品だったと思う。 俺の

世代では川崎敬三ってのはホームドラマの父親役とかアフタヌーンショーの司会

者のイメージが強いが、若い頃の二枚目もなかなかだなと唸ってしまった。


だいたい大映時代でも女をレイプするような悪役とか三枚目風のキャラとか色々

なキャラが使い分けできる便利な役者さんであって、俺なんかどれが本当の川崎

敬三なのか今でもさっぱりわからんのであるが、この映画のキャラは今まで見た

中で一番良かったと思う。 


ストーリーを簡単に書けば、ある大学の貧乏女子学生(若尾文子)は同じ仲間の

川崎敬三と仲良く学生生活を送っている。 その時、たまたま若尾ちゃんがアル

バイト先で建築家の田宮二郎と知り合い深い関係にまで発展した。


ところが戦争孤児だった若尾ちゃんには赤線で働いていた姉がいた。 今現在も

売春を生業にしている。 それを知った田宮は姉に大金を渡して若尾ちゃんと縁

を切らせてしまうわけ。 しかし若尾ちゃんの方は苦労を共にした姉と別れる決

心が出来ず、結局、田宮と別れる事になった。


最後は全ての事情を受け入れた川崎と一緒になるところで終わった。 元に戻っ

たわけだ。 思うにどこにでもあるようなワンパターンの美談じゃあるけど、そ

こがいい! 俺はこんな映画が好きだね。 暴力もエロもなく徹底的に男女の愛

なのよ。 「愛がなければだめ!」の俺の評価は高いね、この映画。


なお上の写真はモノクロ作品の切り取りを疑似カラーに変換してあります。 悪

しからず。

■写真1.

若尾文子(左)と川崎敬三

■写真2.

若尾文子

■写真3.

川崎敬三

■写真4.

若尾文子(左)と田宮二郎

■写真5.

若尾文子(左)と川崎敬三、エンディングの場面。


じゃまたね、

2019年5月26日、午前2時50分記。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆5月21日 映画「珠はくだけず」を見た

2019年05月21日 | この映画見ました

花椿です。

「珠はくだけず」をようやく見た、、、といっても、この映画の存在を知ったの

がわずか数か月前。 たまたま映画ファン誌の昭和30年12月号のグラビアを

見ていたら上の写真の広告が出ていた。 


よく見たら根上淳、若尾文子、菅原謙二、船越英二、川崎敬三、藤田佳子など

当時の大映が誇る若手~中堅のスタア総動員の作品、しかも珍しく総天然色映画

じゃん!と早くも俺の見たいものリストに入れたわけ。 1ページ全面広告だか

ら会社も力を入れた作品なのだろうなと。


しかし俺が懇意にしている女流マニアも持っていないし、これを見るのはかなり

困難だろうと半ばあきらめていたのが、まさか、まさか、まさかの事態が勃発だ。 

突然、ウルトラ級のマニアが登場してこの映画を提供してくれたわけ。


見たのはつい3日前やけど、一気に見た。 登場人物が多くてちょっとわかりに

くい内容じゃあったけど、それなりに面白かった。 簡単に書けば菅原謙二と根

上淳の兄弟が富豪の令嬢(若尾文子)を愛してしまうが、根上淳が兄に遠慮して

身を引く。


根上は会社も辞めて一匹狼のようなドラマーになるのだが、若尾は根上を愛して

いて何かと心配している。 そこへ親の意向で九州の富豪・船越英二と政略結婚

をさせられそうになるのが、菅原、根上兄弟の妹(藤田佳子)を愛人にしていた

のがバレて破談。 そのバタバタの最中、ようやく根上は若尾からの求婚を断っ

たのを後悔して再び若尾の元へ戻る決心をする、、、というような話だった。


しかし、はっきり言って出演者が多すぎる。 菅原謙二の役はほとんど意味がな

いが、主演級スタアの菅原謙二を起用した以上はそれなりの役が必要だ。 その

ために無意味なサブストーリーが並行する格好になって逆に散漫な印象になった。


といって営業政策としては根上、若尾ちゃんの二人に新人同然の藤田佳子だけじ

ゃぁ弱い。 客寄せパンダがもう一人必要ってところだったのか? 主演はあく

まで根上淳だな。 俺の世代では根上淳のイメージは銀髪の中年、それも紳士な

らまだ良い方で悪役も多かったと思うが、昭和30年前後は堂々たる二枚目だ。 

カッコ良すぎ。 昭和30年11月封切。


■写真上

根上淳(左)と若尾文子。

■写真中

富豪の令嬢を演じた若尾文子。

■写真下

若尾文子(左)と根上淳。

■写真左

映画ファン誌掲載の1ページ大の広告。


じゃまたね、

2019年5月21日、午前2時55分記。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする