花椿夕月の『雪*星*さざれ石』

日本映画ネタ、雑ネタなど

☆5月15日 映画「かりそめの唇(1955)」を見た PT2

2022年05月15日 | この映画見ました

花椿です。

昨日書いた『かりそめの唇』ですが、ブログ書きの前にPCの画面上で再生しながら内容

確認と同時に写真を十数枚切り出した。 そのうち5枚は本文に使ったのですが、残りを

ボツにするのも惜しいので『かりそめの唇 PT2』としてブログに出しておきます。


■写真右列

上:藤乃高子。 川喜多雄二の勤務先に面会に行った場面。

中:箱根の旅館で浅茅しのぶが川喜多雄二に求愛するシーン。 実業家の柳永二郎の愛

人だったのを解消したのちに川喜多への愛に目覚めた。 しかし最後は柳の元へ戻る。

下:自殺した柳の葬儀。 淡路恵子は人生で何が一番大切なのかに気付く。 そして潔

く川喜多をあきらめて藤乃や浅茅と和解する。

■写真左列

上:淡路と藤乃。 病院内で医者いつ来るのよ、と淡路が文句垂れるシーン。

中:藤乃と浅茅が恋のライバルだったのを解消して和解するところ。

下:淡路恵子。 出版社に川喜多を訪ねたら不在で、このあと社長(山形勲)から暴行

される。


以上。 なお本文で書き忘れたけど、映画の主題歌はコロンビア・ローズの歌唱で作詞

作曲は西條八十と万城目正の黄金コンビ。 哀愁に満ちたメロディでなかなか良い。

折原啓子の「恋しかるらん」に匹敵する名曲だな。


じゃ、またね。

2022年5月15日、午前3時5分記。
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☆5月14日 映画「かりそめの唇(1955)」を見た

2022年05月14日 | この映画見ました
花椿です。

松竹大船作品の「かりそめの唇(1955)」を見た。 旧作邦画の純愛メロドラマ一筋

の俺にとっては前から死んでも見たいと思う作品の一つなのだが、スカパー衛星劇場の

「番匠監督作品特集」でようやく実現した。


早速、BD-Rに録画して75型の大型テレビで視聴したけど、松竹全盛期の大船調メロド

ラマに飢えていた俺にとっては久しぶりにワクワクしながら大画面に見入ったね。 

だいたい北条誠が原作を書いた作品にハズレは無くて大いに期待できる作品だ。


この作品に登場する主演の川喜多雄二、淡路恵子や助演の柳永二郎 、吉川満子 それに

松竹作品のお馴染みの悪役俳優、永井達郎 など大人気メロドラマ「この世の花」の登

場人物と重なる部分が多い。


時期的にも1955年(昭和30年)の8月封切であり「この世の花」の続篇の撮影時期と

重なったんじゃあるまいか。 藤乃高子の役を水原真知子 が演じていたら「この世の

花」そのまんまだろうな、実業家の柳永二郎とか憎々しい母親を演じる吉川満子のキャ

ラとかもクリソツだし(笑)。


まあ、それはともかくこの映画のストーリーだ。 簡略化すると川喜多雄二が出版社の

サラリーマンで夜学の教師もしているのだが、叔父の実業家である柳永二郎の娘(淡路

恵子)が運転する車に同乗中、子供にケガをさせてしまう。 全てはここから始まる。


そして子供を連れて行った先の病院の看護婦をしていた藤乃高子と子供の姉である浅茅

しのぶが登場する。 もともと淡路が川喜多を愛して独占欲をみなぎらしていたところ

に、この二人の女たちが参戦したわけだ。


そして浅茅が柳の愛人をしていたのが発覚するわ、藤乃はドクターの永井達郎に求愛さ

れて乱暴されそうになるわ、川喜多が浅茅を愛していると誤解して藤乃が姿を消すわ、

さまざまな行き違いや誤解を生みながら恋愛ドラマが展開する。


最後は再び柳の元へ戻った浅茅であるが柳が疑獄事件に巻き込まれて自殺した。 柳の

葬儀の日に川喜多と浅茅、藤乃、淡路が参列したが、淡路は川喜多の本心が藤乃にある

と知り潔く身を引いた。 また父親である柳の供養をしながら一人生きて行く決心をし

た浅茅を理解し許した。 淡路と浅茅は川喜多と藤乃が乗る東京行き列車を見送るのだ

った。 以上。


まあ面白いのは確かだけども大船調メロ映画らしく突っ込み所がめちゃ多い。 一応、

記憶が薄れないうちに書いておくと、、、


1.ケガを負わせた子供の姉である浅茅しのぶが、実は偶然にも川喜多の叔父・柳永二郎

の愛人だった。

2.病院の看護婦をする藤乃高子が川喜多の教え子(清川新吾 )の姉だったという、また

しても偶然。

3.藤乃が川喜多に面会に行ったら偶然にも浅茅から電話があって藤乃がショックを受

ける。

4.川喜多が母親を連れて箱根の旅館に泊まったら偶然にも浅茅が働いていた。 しかも

藤乃もたまたま同じ旅館に来ていて、浅茅が川喜多に求愛する場面を目撃して再度の大

ショックに見舞われる。

5.藤乃が就職の相談に京都の都ホテルに行ったら偶然、浅茅と出会った。


などなど突っ込み所が満載じゃん。 もちろんストーリーの展開にはご都合主義も必要

だし見る側も理解しているが、この作品はちょっと多かったな。 まあ北条誠らしいと

いえばそれまでであるが。


女優原理主義者の立場で見た場合は、藤乃高子は美人に違いないが身長が低いのが難。

特に淡路恵子と浅茅しのぶが高身長だけに目立った。 浅茅しのぶは俺好みの女優やけ

ど前から感じていたが歯並びが悪い。 淡路恵子はファッショナブルで良かったが性格

の悪い女を演じたのがイメージ的にややアゲンストだな。


レア場面としては第二部の冒頭、出版社の場面で無名時代の白木マリが事務員の役で数

秒間だけ出てますね。 1時間4分目あたりで。 風景としては藤乃が住んでいる場所と

して飯田橋あるいは市ヶ谷あたりの外堀沿い。 総武線の電車が通っていた。 当時の

大阪駅舎と阪急百貨店なんかも映る。


1955年(昭和30年)8月24日公開の松竹大船作品だ。 第一部「たそがれの過失」と第

二部の「幸福の岸」に分離してあるが、これはまあ映画館で上映する時のトイレタイム

をつくるためじゃなかろうか。 合計で110分。 テレビ放映はCMなしで連続している。

モノクロ。


俺の作品評価はランクB(水準作より少し上)でしょうかね。 ただし松竹女優または

主演の川喜多雄二が好きな人には楽しめるはず。 俺もその一人だわ。


□写真上

主演の川喜多雄二。 ボーっとした感じが何とも言えない。

□写真2番目

誤解したまま帰る藤乃高子を川喜多が呼び止める夜のシーン。

□写真3番目

淡路恵子。 登場シーンの全てがファッショナブルだった。 カラーで見たいわ。

□写真4番目

川喜多雄二と浅茅しのぶ。

□写真下

川喜多雄二と藤乃高子。 背景は大阪城だ。


じゃ、またね。

2022年5月14日、19時35分記。
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☆5月12日 映画「新しき天(1954)」を見た

2022年05月12日 | この映画見ました
花椿です。

大映作品の「新しき天(1954)」を見た。 数日前にスカパーで放映した旧作日本映画

であるが、山本富士子が映画界デビューして2年目の作品だ。 個人的に山本富士子コレ

クション63本のうちこれより古い作品は「浅草物語」「春雪の門」「十代の誘惑」の3本

しかない。 かなりレアな作品だと思う。 とにかくメロ映画一筋の俺の立場では絶対に

見なければいけない作品なのだ。


ストーリーを簡略化して書いておくと、山本富士子が幼い頃に別れた母親に面会に行く。

富豪の家だったが、そこで見かけた母親の再婚相手の前妻が生んだ令息(北原義郎)と両

思いの関係になるわけ。


ところが北原の父親が他の財閥の娘(藤田佳子)と政略結婚を考えていたため反対するし、

山本はこれも父親が別の結婚相手を決めていて無理やり好きでもない男と結婚式を挙げる

事に。 しかし山本は北原の存在が忘れられず新婚旅行の列車から逃げ出して北原と二人

で佐渡へ渡った。


佐渡の尖閣湾の断崖に立つシーンもあったが思い直してその夜は旅館に泊まった。 そこ

へ二人を探し出した北原の実母から二人の結婚を両家が許したと伝えられた。 二人は抱

き合って喜ぶのだった。 以上。


まあメインストーリーとは別に山本・北原ご両人の実母との関係が描かれている。 南田

洋子は山本富士子の従妹の役で山本の逃避行を助けるが、これは作品に花を添えた程度の

露出だった。


全体の印象としては予定調和のようなストーリーであまり盛り上がらない。 感動も少な

くて作品レベルとしては水準作の域は出なかったと思う。 数年前に「薔薇いくたびか」

を見た時にも感じたが、メロドラマとしてはややリアルな作風の大映調よりもご都合主義

の突っ込み所が満載の松竹大船調の方が面白いと思うけどね。


ただ女優原理主義者の俺としては山本富士子と南田洋子、さらに大映の新人(当時)女優

の藤田佳子への思いが相当なウェイトを占めるので、その意味では俺の評価は高い。 俺

にとってはいいも悪いも女優しだいで、今回も山本富士子いいなあ、いいなあ、美人だな

あ、と思いながらの視聴だから、これはもう作品の評価を超越しているのよ(笑)。


山本富士子の相手役、北原義郎は大映の主要脇役として活躍した役者だけども、俺の世代

ではテレビドラマの悪役のイメージが濃い。 今回、初めて北原義郎が主演するメロドラ

マを見て悪役のイメージとダブって変な感じがしましたね(笑)。 


なお元大映営業マンの有名なブログによると、ブログ主と北原義郎は親しい関係でまだ

存命だとの記載があった。 2022年5月時点で優に90才を超えていると思う。

(ブログ主も昭和30年大映入社組で90才だと書いてあったが・・)


1954年(昭和29年)10月27日公開の大映作品だ。 モノクロで93分。 1932年(昭和

7年)に入江たか子主演で初映画化されて、これはリメイクらしい。 俺の作品評価はラ

ンクC(水準作)となるが、女優のレベルを加味して実質ランクBにしておきます。 


□写真上

封切時のポスター。 上の二人は南田洋子と林成年だ。

□写真2番目

佐渡の尖閣湾にて山本富士子と北原義郎。

□写真3番目

交通事故で入院した北原義郎を山本富士子が見舞ったシーン。

□写真4番目

左から林成年、南田洋子、山本富士子。

□写真下

北原義郎&山本富士子。 日比谷公園にて。


なおモノクロ映画ですが、写真着色ソフト「着彩!モノクロ写真」を使用してカラー化し

てあります。(AIの着色は赤や黄色が苦手なのであくまで簡易的カラーとなります)


じゃ、またね。

2022年5月12日、23時40分記。

(14日に加筆しました)
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