花椿夕月の『雪*星*さざれ石』

日本映画ネタ、雑ネタなど

☆2月22日 『女の顔』コレクターズDVDを見た

2024年02月22日 | この映画見ました
花椿です。

今回はベストフィールドが2023年12月に発売した 昭和の名作ライブラリー 第12

5集『女の顔』にめちゃめちゃ感動したので簡単に紹介させて貰います。


この2万円以上もするDVD-BOXを買ったきっかけは主演の宇津宮雅代が好きで見たいか

らという以外の理由はなかった。 しかし困った事に今回のDVD-BOXは同じく宇津宮雅

代が主演した『薪能』と同時発売なのだ。


結局、『女の顔』と『薪能』を2個同時に発注した。 今年は加山雄三が主演した『高校

教師』も買っているし、3月発売の天知茂主演『野望』も楽天で発注済み。 最近はイン

フレ傾向で2万円以上が当たり前になった「昭和の名作ライブラリー」にガンガン出費し

ているけど、今の俺、株バブルに乗って稼ぎまくっているから文庫本でも買うような感覚。 

わが世の春である。(笑)


ところで俺が宇津宮雅代を初めて意識したのは1980年にテレ朝の2時間ドラマ枠の

「土曜ワイド」で放映した『京都妖怪地図・嵯峨野に生きる900才の新妻』とその続編の

『きらら坂に住む400才の氷女』を見てその美貌に腰を抜かしてからだ。 


このドラマは長い間、当時録画したベータ方式のビデオを再生する環境を失い、俺の脳内

では幻の名作だったが最近ようやくスカパーがオンエアしたし、DVDも発売された。 あ 

らためて視聴して、宇津宮雅代=美貌の女優というイメージが脳内に染みている。


で、久しぶりに宇津宮雅代が主演するドラマを見て自分のイメージに間違いなかったのを

確信した。 しかも俺の大好きなコテコテの大河メロドラマ! 制作に松竹が関与してい

るから大船調の再来だと言って良いと思う。


ドラマは1971年にテレビ東京系の放映で46分枠で26回連続だから結構長い。

ストーリーを簡単に要約すると、母を亡くし米国から帰国した宇津宮雅代が戦死した父親

の遺品を預けるため父親の実家を訪問する。 そこから若手医師の大出俊と富裕層の御曹

司である田村亮の二人から求愛されて翻弄されるという話。 しかし大出には出生の秘密

があって実は大手病院院長の佐野周二の落としだねだとわかった。


宇津宮は戦死した父親が佐野の子供であるため(本人は孫)、この二人は 愛し合っていな

がら結婚できる関係ではないと12話あたりで秘密の暴露があった。 この時点で田村は

まだピエロ役だ。


ところが後半は大出の母親である杉村春子が色々な事情から大出の父親をごまかしていて

実際は大出は佐野とは無関係とわかる・・・が遅かった。 すでに大出は留学先の米国で

田村の妹である榊原るみと男女関係になっていた。 しかも心中自殺。


最後は宇津宮雅代も榊原の存在から大出をあきらめて、何かと助けてくれた田村を愛する

ようになった・・。 もちろん、これだけで26回は持たないからサブストーリーが複雑

に絡む群像劇の様相でストーリーがどんどん展開する。 息つく暇もないほど面白くて一

気に見終わった。 しかも視聴後の感動が凄い、特に最終回の。 俺がこのブログを書く

気分になったのだから。


気が付いた点を書き留めておくと、、、

1.放映時点でベテラン女優の月丘夢路は宇津宮雅代が働いていたサンフランシスコの日本

料理屋の女将の役。 同じく月丘千秋は宇津宮雅代の母親を演じていた。


2.大手病院院長の佐野周二の娘が三條美紀でその婿養子が北原義郎だった。 共にかつて

の大映のスタアだった役者であるが、三條美紀の老化のひどさにびっくり。 三條美紀の

ファン(俺だよ)としてはショックだね。


3.田村亮の男前ぶりにも驚いた。 宇津宮雅代は圧倒的な美貌でまさに美男美女の大船調!


4.脇役ながら田崎潤と杉村春子の存在感は大きい。


5.ロケ地は元代々木の住宅地で近くの代々木オリンピック屋内体育館が始終登場する。 

近くのお宮のシーンも多いけど地図で確認したら代々木八幡だった。 かなり広い。


6.主題歌は70年代チックな良い楽曲と思うが歌手が最初の方は牧みゆき、途中から川奈

真弓に変わっている。 理由は不明。 第25話の途中で川奈真弓本人が歌うシーンがあ

る。 めちゃめちゃ美人歌手だった。


7.タイトル画は婦人科専門の岩田専太郎画伯ってのはすぐわかったけど「ベルサイユのば

ら」に登場するフェルゼン伯爵かと思ったね。(笑)


□写真1番目

田村亮と宇津宮雅代。 第26話の最後にこの二人が一緒になると示唆するシーン。

個人的に一番感動した。

□写真2番目

左列:宇津宮雅代と祖父の佐野周二。 代々木八幡で。

右列:田村亮と宇津宮雅代。 最終回、京都の旅館のシーン。

□写真3番目

左列:大出俊と宇津宮雅代。 代々木八幡で。

右列:月丘夢路と榊原るみ。 サンフランシスコにて。

□写真4番目

左列:三條美紀と宇津宮雅代。 宇津宮が仕事を手伝っていた田崎潤の医院で。

右列:外科医の田崎潤、杉村春子、宇津宮雅代。


1971年(昭和46年)4月2日~9月24日。 東京12チャンネルで放映。

個人的にはめちゃめちゃ面白かった。 オススメですね。


じゃ、またね。

2024年2月22日、午前5時25分記。
コメント (3)
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☆23年7月12日 映画「怒りの街(1950)」を見た

2023年07月12日 | この映画見ました

花椿です。

東宝作品の「怒りの街(1950年)」を視聴した。 実はこの作品、PC用動画フ

ァイルは4年も前にある親切なマニアから提供を受けていたけど、VHS3倍モー

ドで録画したような画質の悪さに閉口して未視聴のまま放置していた。


それが今回、東宝がDVDを発売したのを早速入手して初めて視聴したわけであり

ます。(上の写真はDVDからの切り取り画像)


まあDVDを買い直してまで視聴したかった最大の理由は成瀬作品に興味がある

というよりも、21才の若山セツ子が良い画質で見たい!というのと戦時国策

映画の「乙女のゐる基地」(松竹1945年)で陸軍特攻隊指揮官として凛々しい

姿を見せた二枚目俳優の原保美がどんなジゴロを演じるか、そこにも興味があ

った。


結果は大正解。 一般の映画マニア(あるいは成瀬ファン)の評判はどうか知ら

ないが、個人的にはかなり面白い作品だったと思う。 


視聴日時は23年7月7日の深夜。 ブルーレイレコーダーでDVDを直接起動し

て75型ブラビアのウルトラ級大画面から180センチの距離で正面から視聴し

た。 照明は常夜灯のみで漆黒に近い空間。 まさに映画館で視聴したかのよう

な錯覚に落ちた。(笑)


ストーリーを簡単に記すと、原保美と宇野重吉の二人の学生が銀座のダンスホー

ルで金持ちの女からカネを巻き上げて生活費や学費にする計画を立てる。 まず

美貌の久我美子が男前の原保美の罠にかかって多額の金品を巻き上げられたが、

原は久我をそこでポイ捨てにした。


次に獲物にしたのが木匠くみ子だ。 ダンスホールで立ちんぼしていた木匠に声

をかけジゴロをする。 成金の娘、木匠はすっかり原の手玉に取られてしまい、

原を結婚詐欺師とも知らずお金をじゃんじゃん工面した。


ところが原の妹である若山セツ子は原の資金源を疑い、元の恋人だった宇野重吉

から全てを知った。 そして若山から説得されて心を入れ替えた宇野が原のジゴ

ロ業をやめさせようとするが原は言う事を聞かない。


その後、原は闇の美女ブローカー浜田百合子 に接近するが、結果は浜田の色に

させられただけで捨てられた。 やがて木匠は原が結婚詐欺師だったと気が付き、

父親の志村喬は娘の復讐に刺客を放って原は大事な顔を斬られてしまった。


それでも病院のベッドに寝かされた原は「今度はこの顔のキズを売り物にする

方法を考えているんだ」と平然と言ってのけたのである。 宇野は泣き崩れ、

それを見た若山も涙ぐんだ。 以上。


★気が付いた点

1.主人公の原保美と宇野重吉は撮影時に30代半ばであり、大学生のジゴロを

演じるには年齢をくい過ぎている。 特に宇野は老け顔だから悲惨。 この点で

は明らかにミスキャストだな。

2.久我美子は3回しか登場しない。 2回目に宇野から「あなたは捨てられた

んだ」と真相を知らされる。 3回目にまた騙される。(笑)

3.原保美は「乙女のゐる基地」で陸軍中尉を演じた時から5年目。 この5年

間の差は大きいと感じた。(当時流行の二枚目顔ではあろうが)

4.やはり若山セツ子は偉大だった。 どんな映画に出ていても可愛い×10だ。 

今だったら間違いなくNHKの朝ドラ主人公であろう。

5.二人が外をダラダラ歩きながらしゃべるシーンが多い。 これ成瀬監督作品

の特徴らしいが。

6.冒頭に有楽町のガード、銀座4丁目交差点。 あと隅田川の橋が何回も登場

するが不明な場所も多い。(特に公園のシーンとか)

7.宇野重吉と若山セツ子が恋人だった時代の回想シーンが秀逸。 若山セツ子

のセーラー服姿は超レアだわい。 俺なんかは大喜びだぞ!


□写真1番目

左列:ダンスホールで知り合った原保美と久我美子。 

右列:宇野重吉と原保美。 後方の大学は不明。 少なくともK大、W大、T大で

はないと思う。

□写真2番目

左列:原保美と木匠くみ子。

右列:木匠くみ子。 お結びのような顔立ちである。 

(情報ページでは木匠久美子となっているがクレジットは木匠くみ子)

□写真3番目

左列:原保美と濱田百合子。

右列:宇野重吉と若山セツ子。 宇野から真相を告白されるシーン。

□写真4番目

左列:涙ぐむ若山セツ子。

右列:顔を斬られた原保美。

1950年(昭和25年)5月14日公開の東宝映画(田中プロ)です。 

モノクロ・スタンダードで監督は成瀬巳喜男 。 105分。 俺の作品評価は

役者陣を含めてランクA(かなり面白い)ですね。 主人公がミスキャストでな

ければAA(超絶的に良い)かもです。


じゃ、またね。

2023年7月13日、午前0時45分記。
コメント (2)
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☆23年7月10日 映画「水着の花嫁(1954)」を見た

2023年07月09日 | この映画見ました
花椿です。

東宝作品の「水着の花嫁(1954年)」を視聴した。 このブログでは昨年9月

に「女豹の地図」アップして以来、10か月ぶりの記事になります。 新しい

記事が出せなかったのは趣味の旧作日本映画のコレクションが増え過ぎてつい

に5千本近くに達して視聴に忙しく、ブログを書く時間的な余裕がなかったた

めであります。


今回は読者の方から新しい記事が読みたいとのコメントがあって、それならと

気分を入れ替えて少し前に視聴した「水着の花嫁」と「怒りの街」のうちまず

前者の簡単なレビュー出しておきます。


1か月前にある親切なマニアから提供された数十本からの旧作の中で、最初に

この作品をチョイスしたのは、俺の好きな池部良の主演作品で、デビュー直後

の宝田明と河内桃子も出ているというのが最大の理由。 ヒロインの寿美花代

にはあまり興味なかったが、とにかく視聴始めた。


ストーリーを簡単にまとめると、女子大の水泳部でコーチをしている寿美花代

がいた。 毎朝電車で見かける池部良に一目ぼれしていて池部もその気がある

ようだが新学期になって姿を見なくなりガッカリしていた。


ある時、野球場でばったり出会って実家の屋号だけ伝えたところで離ればなれ

に。 池部は一計を案じて財閥会長の父親に頼んで寿美の父親(柳家金語楼 )

が経営するお店に行ってお見合いを申し込んだ。


ところが何を間違ったのか写真が池部ではなくて全くの別人だったために、

てんやわんやに。 その後、二人が再会する場面もあるのだが池部はお見合い

を断られたと思っているからしっくりこない。


最後はお見合いの写真が違っていたと寿美が気が付いて、それを知った池部

も寿美が出場する神宮のプールに駆け付けてハッピーエンド。 もちろん途中

ですれ違いのシーンがあったり、池部に片思いする河内桃子との場面とかサブ

ストーリーも満載で結構面白く視聴できましたね。


★気が付いた点

1.寿美花代の顔がアップになる場面が何回もあって、そのたびに高嶋兄弟の

顔に見えた。(特に政伸の方に) この親子はクリソツだわい。(笑)

2.宝田明はオマケ程度の出演でメインストーリーとは無関係。 デビューし

たばかりの新人に役を与えたってところですかね。

3.クレジットには出ていなかったと思うが伊豆の旅館のシーンで岡田茉莉子

が芸者役でワンカットだけ出演していた。 友情出演だろうか?

4.伊豆のプールの場面が何回も出て来るが、これは松竹の「若旦那と踊子」

のロケ地でも使われた川奈ホテルじゃないかと思う。 この時代では最高レベ

ルのリゾートホテルじゃないだろうか。

5.寿美花代が伊豆の旅館にいる池部良を訪ねたシーンで旅館の女中が「池部

良に似た人ですよね」と言ったのに笑った。

6.伊豆の旅館で池部良に絡む芸者の役を塩沢とき(当時は塩沢登代路)が演

じていた。 まだ有名タレントとしてブレイクする遥か前。


□写真1番目

左列:東宝のポスター。 

右列:寿美花代。

□写真2番目

左列:電車の中で実は両思いだった池部良と寿美花代。

右列:池部良と父親の財閥会長(小川虎之助)。 小川虎之助は新東宝映画

でもよく出るけど現代劇では社長、会長の役が多い、しかも基本的に善人の

役ばかりで面白い存在。

□写真3番目

左列:チョイ役で出演の宝田明。 女優は不明。

右列:河内桃子。 池部良の行きつけのバーで女給している。

□写真4番目

左列:見合い写真が違っていたのに気が付いた寿美花代と父親の柳家金語楼。

右列:伊豆の旅館のシーン。 このワンカットだけ岡田茉莉子が登場した。


1954年(昭和29年)7月5日公開の東宝映画です。 モノクロで監督

は杉江敏男 。 89分。 俺の作品評価は役者陣を含めてランクA(かなり

面白い)ですね。


じゃ、またね。

2023年7月9日、20時25分記。

=================================

追記:映画狂さんよりコメント欄にて宝田明の隣の女優は北川町子であると

判明しました。(23年7月11日記)





コメント (5)
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☆9月24日 映画「女豹の地図(1951)」を見た

2022年09月24日 | この映画見ました
花椿です。

新東宝作品の「女豹の地図(1951)」を再視聴した。 ずいぶん前に視聴した時に

ブログの視聴記録に残さねばと思いながら果たせず、今回ようやく書く気分になった

が細部を思い出す必要があるので2回目の視聴になった。


例によって俺の好きな昭和20年代のメロドラマじゃあるけど、久慈あさみ、折原

啓子、若原雅夫、徳大寺伸の4大スタアが一堂に会するのは恐らくこの作品のみだ

と思う。 新東宝作品にこれだけ松竹系のスタアが出演するのも珍しいのじゃある

まいか。


物語は戦後没落した華族である白石家の娘、久慈あさみと折原啓子の姉妹、白石家の

書生から成り上がった徳大寺伸、戦後成金の若原雅夫、音楽家の伊沢一郎 の5人が

複雑に絡んで復讐と三角関係が展開する。


ストーリーを簡単に書けば、かつて白石家の世話になっていた徳大寺伸が娘の折原啓

子と婚約をしていたんだが、徳大寺が折原の純潔を汚した挙句に婚約を解消し他の女

と交際を始めた。


しかも借金の担保になっていた豪邸を徳大寺に取られた久慈あさみはこれに怒って徳

大寺への復讐を決意するわけだ。 仕方なく庶民住宅に転居し、ひそかに思慕してい

た音楽家の伊沢一郎と流しの歌手になるが、これが大評判になってキャバレー「シル

バークイン」の専属歌手になる。


「シルバークイン」の真向かいには徳大寺が経営するキャバレー「キャザリン」があ

って勢いがあったが「シルバークイン」に逆転され経営が苦しくなった。一方、久慈

は知り合った戦後成金の若原雅夫と結婚を条件に「キャザリン」を買収して徳大寺へ

の復讐を果たしたかに見えた。


しかし本命の伊沢は妹の折原と深い関係になるわ、若原という男をいまいち信用でき

ないわ、で久慈は服毒自殺を図ったが一命をとりとめた。 やがて久慈は入院中に若

原の本心を知り若原と共に強く生きようと決心する。 以上。


とにかく久慈あさみがいい。 宝塚の男役出身らしく長身で背筋をピンと伸ばした凛

とした雰囲気は女豹そのものじゃん。 おまけに折原啓子が出番は少ないが今まで見

た中で最高レベルの美女ぶり。 


個人的にメロドラマの要素はあまり感じなかったが、復讐ドラマとしては再映画化し

ても良いくらいの出来栄えだな。 よく知らないが田村泰次郎って作家の原作がしっ

かりしていると想像する。


★気が付いた点

1.徳大寺伸のオネエ系のキャラが超絶面白い。 これが普通の悪党だったら俺の作

品評価は少し落ちると思う。 俺がオネエ系の言葉遣いを知ったのはカルーセル麻紀

とかお杉とピーコあたりからだけども、昭和26年頃にはオネエの言葉遣いが存在し

ていたのだな。(笑)

2.久慈あさみが歌う場面が7~8か所出て来る。 宝塚出身であるから歌唱力は

当然なんだが映画で歌う場面は初めて見た気がする。 歌う姿はカッコいい、という

か凛々しい。

3.冒頭とラストのシーンを除いて室内のシーンばっかり。 これも珍しい。 特定

できる風景がなかった。

4.若原雅夫の登場シーンも少ない。 オネエの徳大寺伸に全部持って行かれた感じ

である。


1951年(昭和26年)12月7日公開の新東宝映画だね。 モノクロで監督は田

中重雄 。 この監督について詳しくは知らないが大映作品で面白いのがかなりあった

と思う。 俺の作品評価は役者陣を含めてランクAA(圧倒的に良い)の最高評価です

ね。


□写真1番目

左列:久慈あさみ。 

右列:若原雅夫。 猟銃を持って久慈の前に現れる冒頭のシーン。 

□写真2番目

左列:徳大寺伸と久慈あさみ。 

右列:久慈あさみと折原啓子。

□写真3番目

左列:伊沢一郎と久慈あさみ。 流しの歌手が評判になる。

右列:伊沢一郎と折原啓子。 伊沢が婚約解消されて落ち込んでいた折原の面倒を見

るうちに両思いへと進化した。 折原がさりげなく愛の告白をする場面。

□写真4番目

左列:キャバレー「シルバークイーン」で専属歌手になった久慈あさみ。

右列:若原雅夫と久慈あさみ。 俺様の妻になる条件で「キャザリン」を買収してや

るぞと談判をするところ。


じゃ、またね。

2022年9月24日、午前8時2分記。
コメント (6)
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☆9月18日 映画「魚河岸帝国(1952)」を見た

2022年09月18日 | この映画見ました

花椿です。

新東宝作品の「魚河岸帝国(1952)」を見た。 少し前、ある女流マニアからこの

作品の提供を受けた当初はさほど関心がなくて視聴の優先順位も低かったんだが、

俺の好きな野上千鶴子が出演していると知って急速に気分が盛り上がった。 さっ

そく視聴した。 


そして良い意味で予想に反し、めちゃめちゃ面白い作品だと知った。 とにかくスト

ーリー展開に無駄がなくてスピーディ、しかもドタバタ・コメディでありながら愛も

あれば悲恋もあった。 「帝国」と呼ばれる愛すべき凄いキャラとも遭遇。 視聴後

しばらくは「いい映画を見た」という感動に包まれて何も出来ないほどだった。


まず題名の読み方は「うおがし帝国」であります。 「帝国」ってのは東京築地の生

鮮市場で運送業を経営する会社の社長(山村聡 )のあだ名でパワハラの権化のよう

な社員の扱い、しかも下品でハゲ頭で単細胞という愛すべきキャラとしても描かれて

いる。 


個人的には山村聡の悪役は何回か見たけど、こんなハチャメチャなキャラで登場した

のは初めてだ。 物語はこの山村聡と主人公の田崎潤、そして野上千鶴子、花柳小菊

の2人の美女をめぐって展開する。


ストーリーを簡単に書けば、主人公の田崎潤が山村聡(帝国)の経営する運送会社の

運転手に就職する。 たまたま市場で客の花柳小菊と知り合って自身が運転するオー

ト三輪に同乗させるまでは良かったが事故を起こし車が横転、花柳は重傷を負った。


田崎は毎日病院に行き花柳を見舞うわけであるが、しだいに両思いへと変化した。

一方、山村は仕事の出来る田崎を高く評価して娘の野上千鶴子の婿にと考える。 

野上もひそかに田崎を愛しているのだが、花柳の存在を知って大ショックを受けた。 


結局、野上は身を引き田崎は花柳と結婚して民主化された会社を盛り上げようとす

る。 山村は社員との交渉の場で田崎から柔道で何回も床に投げられて目が覚めたの

か社長の座を降りて会社は民主化された。 一介の運転手に戻った山村は野上のいい

相手を見つけるのが次の仕事になった。 以上。


この映画のキモは野上千鶴子が田崎潤を愛していながら、その願いが成就しなかった

所だろう。 これがいとも簡単に野上と田崎が結ばれていたら単なる予定調和であっ

て面白くとも何ともないはず。 


つまり田崎の前に花柳小菊が登場したため野上の愛が実らなかったのが、この映画を

面白くした。 これによりメロドラマ一筋で「映画は愛がなければダメ」の俺をめち

ゃめちゃに感動させたわけだよ。 今までに見た悲恋物の中でも特筆級だったな、こ

の映画。 


★気が付いた点

1.花柳小菊は時代劇の脇役に出ていた程度の印象しかなかったが、山田五十鈴を

アップグレードしたような顔立ちで結構いい感じ。

2.田崎潤ら運転手仲間の寮はまるでタコ部屋。 ここで千秋実や伊藤雄之助らと何

度もケンカが勃発。 大乱闘になる。 魚河岸はみんな喧嘩っ早いのか乱闘シーンが

多数。

3.勝鬨橋が開きかかった所をオート三輪で飛び越えるシーンがある。 トリックで

はなくて実写にしか見えなかった。

4.風景としては昭和27年頃の築地市場とその周辺。 運河があったけどあれは

昭和通りの横の運河を埋め立てて首都高速を建設したと言われているが、埋め立て前

の運河じゃなかろうか。

5.山村聡の怪演は凄かったけど伊藤雄之助と千秋実もオーラを全開。 田崎潤の

柔道技はモノホン級だった。


1952年3月14日公開の新東宝映画だね。 モノクロで監督は並木鏡太郎 。 

この監督は新東宝の面白い作品が多い印象ですね。 俺の評価は野上千鶴子の評価込

みでランクA(かなり面白い)としておきます。


□写真右列は全て野上千鶴子。 後姿は田崎潤。

□写真左列1番目

「帝国」の山村聡(左)と田崎潤。

□写真左列2番目

田崎潤(左)と花柳小菊。 左端は2人を見てショックを受ける野上千鶴子。

□写真左列3番目

左から伊藤雄之助、田崎潤、千秋実。 寮の汚い部屋で。

□写真左列4番目

花柳小菊(左)と田崎潤


じゃ、またね。

2022年9月18日、21時40分記。
コメント (3)
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☆7月7日 映画「誰か夢なき」の豪邸を検証する

2022年07月06日 | この映画見ました

花椿です。

数日前に書いた『映画「誰か夢なき・総集篇(1947)」を見た』の記事中で作品に登

場する豪邸のロケ地として「上野毛の稲荷坂に似たような豪邸が今も健在なのを発見

した」と記載した。 それが上の写真である。 


これをもっと俺なりに検証してみようと思う。

■一番上の写真

40分過ぎのシーン。 視聴していてあまりの豪邸に驚いた。


■二番目の写真

坂道のある豪邸街なら等々力、成城、上野毛あたりじゃないかと目星をつけて東京の

坂道関連のブログやグーグルの写真マップを検索したら、上野毛の稲荷坂に面した

豪邸がほぼ同一の場所だと確信を持つに至った。


一番目の写真と比較した場合、崖の擁壁の角度と高さが異なるが映画撮影時から75

年が経過していて、現在の住宅を新築した際に擁壁も再建した可能性がある。 中央

の通用門は昭和22年当時は人が出入りするだけであるが、現在は車庫としても使う

ため拡張したようだ。(つまり拡張するには垂直の壁を崩して再建する必要がある)


反対面の擁壁も同様で、擁壁がだんだん低くなり、その先に戸建ての住宅の壁が見え

るのも現在と同じ。 坂道の角度も全く同じである。 現在の方が道幅が広く見える

が撮影角度が異なるのと壁が垂直に立っている事から来る目の錯覚じゃあるまいか。


■三番目の写真

稲荷坂を上空から見たところ。 黄色の囲みが豪邸だけども邸の東側(写真右方向)

が稲荷坂で西側は平面道路になっている。 おそらく正面玄関が西側にあり稲荷坂側

は地階になっており車庫として使用していると推測しますね。


■四番目の写真

車庫の前。 黄色の囲みの場所は元の擁壁の一部が残っていると推測可能な場所で、

ここだけ小さな石積みが残っている。 しかも映画に出て来る擁壁の高さと一致する。


■五番目の写真

映画のシーン(1時間1分目)ではやはり通用門の横が小さな石積みになっている。


以上の検証結果から、映画「誰か夢なき」に登場する大豪邸は上野毛の稲荷坂である

と断言しても良いのではないかと考えます。 もっとも映画ではこの大豪邸は東中

野にある設定だけども、東中野にこんな坂道はないし、そもそも大富豪が豪邸を建て

るような場所じゃないですね。


じゃ、またね。

2022年7月6日、18時25分記。
コメント (2)
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☆7月5日 映画「誰か夢なき・総集篇(1947)」を見た

2022年07月04日 | この映画見ました
花椿です。

新東宝作品の「誰か夢なき・総集篇(1947)」を見た。 この作品、実は前篇と後篇

があって、それぞれ1947年(昭和22年)8月12日と19日に公開されたと

記録に残っているが、これは現存しておらず現時点で視聴可能なのは翌年(1948

年)に封切られた総集篇のみである。


この総集篇はかつてVHS/ベータ方式でビデオ化されていて、俺が入手したのは販売用

ビデオカセットの映像をPCファイル化したもののようだ。 したがって原版の悪さは

仕方ないとして、アナログ・ダビングを繰り返したような劣悪な画質ではなかった。


まず俺が気に入ったのは古語調の(あるいは文語体の)題名だ。 「誰か」の「か」

は「疑問、反語」を表現する係助詞、末尾の「き」がその結びだろう。 そう解釈す

ると「誰も夢を見なかったのだろうか? いやみんなが夢を見た」となる。


現代語ではこれだけの長文が、古語では「誰か夢なき」のたった5文字で済むわけよ。

古語の係助詞(かかりじょし)とはすごく便利な用法である。 しかも非常に重厚な

表現だ。 もう俺にとっては題名からして100点満点であり、これほど題名だけで

人を惹きつける作品はあまりないのではないか。


ところで前篇と後篇が合計で161分の長篇ドラマであるが総集篇は106分しかな

いのが惜しい。 完全版が残っていたらどんなに良かったか・・・。 しかし俺が今

までに見たメロドラマの中でナンバーワンの座は揺るがないと信じるね。

(後篇のタイトルや梗概を除外したら実質50分間もカットしてあるが、一応メイン

のストーリーはつながっている)


簡単にストーリーを書いておくと、主役の藤田進が医学部を卒業して叔父が経営する

病院で修業を始めたのであるが、同じ病院で看護婦をする野上千鶴子と両思いになった。

やがて野上は病院を追い出され、藤田も後を追うように病院を出て行った。


二人とも相手の居場所を探すものの、ようとして行方が知れない。 そのうち藤田に大

富豪の令嬢(宮川玲子)と見合い話が持ち上がり宮川は藤田を愛するようになった。

一方、野上は派遣看護婦としてその大富豪の家を訪ねるようになり、そして野上を見初

めた宮川のイトコ(黒川弥太郎 )から求婚された。


それでも藤田が忘れられない野上だったがふとした事から藤田の居場所を突き止めた。

同時に藤田もかつて世話をした女の口から野上が宮川の家に出入りしていると知って

愕然とした気持ちになるのだった・・・。


まあ、こんな感じで当初のすれ違いから段々と縁(えにし)の糸のように両者が結ばれ

て行くわけだ。 結果的には宮川と黒川の愛は悲恋となってガッカリなのだが、これも

心打たれる重厚なシーンに仕上がっていて俺は泣いた。 以上。


ここで気が付いた部分を書き残しておく。

■藤田進をめぐって野上千鶴子、宮川玲子、春山葉子の3人の女が登場するが、春山は

学生時代の藤田に世話になった女だが、この女が登場する場面はバッサリとカットされ

ている。 ただ最後に藤田を助ける役目をするので完全に消すわけにはいかなかったと

思われる。 したがって総集篇ではメインストーリーはあくまで藤田、野上、宮川の3

人で進行する。


■やはりカットされた場面が多く唐突に場面が変わったり、何の脈絡もない場面が突如

出て来たり、完成度の低さは否めなかった。 原版が存在しないのだから、ここは想像

力で補うしかない感じである。


■野上千鶴子は少し前にこのブログで書いた「君ひとすじに」や「芸者ワルツ」なんか

で見た記憶があるがヒロイン役を見たのは初めてだ。 女優原理主義者の俺はデビュー

直後の野上を見てガーンと叩きのめされた。 身長がやや低めなのが惜しいな。


■藤田進は少し前にブログで書いた「愛染香」でも主役だったけど、いつ見ても顔の大

きい姿三四郎が喋っているような雰囲気を感じるが、慣れて来るとメロドラマの主役も

悪くないな。


■ロケ地としては京成上野公園駅と中央線の東中野駅が出る。 70年代後半の東中野

は知人が住んでいたので俺も知っているけど、当時は住宅密集地の中の小さな駅だった

が、昭和22年の東中野駅はまるで田舎なので驚いた。 当時は新宿駅の隣でもこんな

田舎だったんけ?


■宮川玲子が住む大豪邸は大名屋敷のように凄かった。 坂道があるので田園調布じゃな

いと思うが、ネットで白金、成城、等々力などの坂道を探したら上野毛の稲荷坂に似た

ような豪邸が今も健在なのを発見!した。 案外、ここがロケ地かも。


1947年(昭和22年)8月12~19日公開の新東宝映画だね。 監督は渡辺邦男 。

総集篇はモノクロで106分。 俺の評価はランクAA(超絶的に良い)だわね。 


□写真上

VHSビデオと映画ポスターだ。

□写真2番目(左)

藤田進(右)と野上千鶴子。

□写真2番目(右)

藤田進。 まだ学生服を着ている。

□写真3番目(左)

大富豪の令嬢を演じた宮川玲子。

□写真3番目(右)

藤田進と宮川玲子。 藤田が見合いをさせられて宮川の豪邸を訪問したシーン。

□写真4番目(左)

宮川玲子(左)と野上千鶴子。 宮川が求婚した藤田が実は野上が思慕する相手だ

と真実がわかったところ。

□写真4番目(右)

野上千鶴子。 藤田と再会を果たした最終場面。


じゃ、またね。

2022年7月4日、23時40分記。

=====================================

「結果的には宮川と黒川の愛は悲恋となってガッカリなのだが、これも

心打たれる重厚なシーンに仕上がっていて俺は泣いた」の部分を補筆しました。

7月5日、20時5分記。
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☆6月20日 映画「君ひとすじに(1956)」を見た

2022年06月19日 | この映画見ました
花椿です。

新東宝作品の「君ひとすじに(1956年)」を見た。 この作品、実は続篇の「続・

君ひとすじに」と「君ひとすじに(完結篇)」があって三部作の構成となっている。

俺が今回視聴したのは第一部だわいね。


もっとも新東宝は会社が消滅した関係で原版が行方不明になった作品も多く、この

続篇が現存しているのかさえ不明。 試しに日本有数の新東宝映画コレクター下村健

さんの新東宝データベースでは三部作すべて「映像未入手」と記載してあった。


つまり俺がとある知人を通じて入手したこの映像は、あの下村健さんでさえ持ってい

ない超々レア作品というわけだ。

(ちなみに俺がこのブログに書いた「君ゆえに」も映像未入手と記載してある)


で、今回入手した作品の中で最初に視聴チョイスしたのがこれ。 ともかく純愛メロ

ドラマ一筋の俺にとっては最高のディッシュを期待したら、いやもうこれでもか!

これでもか!とすれ違いの連続(笑)。 古典的メロドラマの大傑作だった!


主演は宇津井健と久保菜穂子だけども、俺のリアルタイムでは中三の時に連続時代劇

「花笠お竜」で久保菜穂子が主演したのを見た記憶がある。 決して目が覚めるほど

の美貌というわけではないが、当時の新東宝女優の中では随一の長身で美脚、スタイ

ルは最高レベルである。 昭和30年代の日本女優で久保菜穂子に対抗できるのは

松竹の桑野みゆきくらいじゃなかろうか。


ストーリーを簡単に記すと、山中湖で久保菜穂子と銀座の洋裁店で同僚の前田通子の

二人が財閥の御曹司である宇津井健と知り合い別荘へ行った。 ここまでは良かった

が、宇津井の姉(相馬千恵子 )の無礼な扱いに耐えかねて二人はすぐ帰京した。


宇津井は東京駅前で偶然に久保を発見して再会に成功するが、またも相馬が知人の娘

(江畑絢子 )と宇津井を結婚させたい一心から二人の交際を妨害し、久保は洋裁店を

退職させられた。


傷心の久保は洋裁店のデザイナー(高島忠夫)の親切から高島の郷里(山形県蔵王)

で世話になった。 一方、宇津井は江畑から久保の居場所を知り蔵王を訪ねたが、久

保と高島の関係を誤解して声もかけずに戻った。


久保はその事実を知り高島の求愛を断ったあと宇津井を追ったのだが間に合わず、宇

津井の方は久保の本心を知らまいまま寂しく一人で上りの汽車に乗った。

第一部はここで終わった。


映画関連の情報ページによると、ここから第三の女(三ツ矢歌子)が登場してますま

す複雑なストーリーに発展するらしいが、続篇の視聴は現時点では不可能だ。 仮に

原版が存在するのであれば、スカパーの放映かネット配信に登場するのを待つしかな

い。 まあ祈っておこう。


☆視聴しながら気が付いた点を列記しておくと。

1.VHS3倍モードで録画した映像をさらに3倍でダビングしたような感じで画質は

悪いが、画質など気にならないくらいに面白かった。 純愛メロ映画の王道を見た思

いがした。


2. 俺の好きな前田通子が登場して楽しませてくれるが出演は前半のみ。 俺が見た

作品の中では「女競輪王」の少し前くらいだろう。


3. 大スターになる前の丹波哲郎と天知茂が脇役で出ている。 天知は悪役で久保の

体を狙っているが続篇で牙をむくらしい。 丹波は高島の知人で売れない画家の役だ

った。


4. 相馬千恵子は「芸者ワルツ」でヒロイン役を演じたのを見た記憶があるけど、こ

の作品では久保菜穂子をねちねちとイジメる嫌な女の役。 見ていて久保が可哀想に

なりましたね


5. 最終場面は宇津井が上りの汽車に乗ったら隣の席に美女が座る。 よく見たら

デビュー直後の三ツ矢歌子だった。 宇津井を取り巻く第三の女として登場する予告

篇みたいなものだろうかね、この場面。


1956年(昭和31年)1月22日公開の新東宝映画だね。 監督は志村敏夫 で

「女真珠王」とか「死刑囚の勝利」とか面白いB級作品が多い印象。 モノクロで

89分。 スタンダードサイズ。 


とある新東宝関連本によると前田通子の記憶では撮影期間はわずか1週間で、それも

池内淳子主演の「新妻鏡」と同時撮影だったとか。 同じ列車のセットに久保菜穂子

と池内淳子を別々の座席にすわらせて久保を撮影したら次は池内というやり方が行わ

れたと。

(映画の公開は「君ひとすじに」が先)


俺の評価はランクB(水準作より上)だけども、江畑絢子や保坂光代など脇も美人女

優が多く見どころである。 純愛メロドラマの決定版だ。 主題歌の「君ひとすじに」

も久保菜穂子の歌唱で結構ヒットしたらしい。


□写真上

公開時のポスター。 左から宇津井健、高島忠夫、久保菜穂子。

□写真2番目(左)

左から宇津井健、久保菜穂子、前田通子。 山中湖のボート上のシーン。

□写真2番目(右)

宇津井健。

□写真3番目

久保菜穂子と宇津井健。

□写真4番目(左)

久保菜穂子が江畑絢子と相馬千恵子からねちねちとイジメられる場面。

□写真4番目(右)

蔵王へ着いた高島忠夫と久保菜穂子。 右は和尚。

□写真下(左)

蔵王を訪ねたものの久保と高島の仲を誤解して気落ちした宇津井。

□写真下(右)

悪役で登場した天知茂。


じゃ、またね。

2022年6月19日、19時5分記。
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6月21日に一部表現をカットして補筆修正しました。
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☆6月15日 映画「愛染香(1950)」を見た

2022年06月14日 | この映画見ました
花椿です。

新東宝作品の「愛染香(1950年)」を見た。 題名の読み方は「あいぜんか」また

は「あいぜんこう」どちらも良いらしいが、俺個人は「あいぜんか」と読んだ。


「愛染」とは文字どおり「愛に染まる」の意味であり、それが香りとなって発散する

ほどの愛。 純愛メロドラマ一筋の俺にとっては心の琴線に触れるような題名じゃな

いだろうか。 まず題名を見ただけで視聴したくなった。


そして配役を見たら主演の藤田進はともかく、ヒロイン役が俺の好きな月丘夢路であ

り、さらに池部良と久慈あさみ。 俺の好きな役者ばっかりじゃん、これは絶対に見

なければという気分になりましたね。


ただ事前にこの作品が第一部というのは知っていたので少し気になったけど、まあ、

とにかく見るぞ!である。 視聴方法はPC画面上で再生した動画をクロームキャスト

機能を使って75型ブラビアに映すやり方。 部屋を暗くしたら映画館さながらに

なった。 やはり大画面の効果は凄い。


で、ストーリーは簡単に書けば、戦時中のさまざまな成り行きから華族家である花小

路(高田稔)の夫人となった月丘夢路がある日、ゴルフ場で医師になった藤田進を偶

然発見する。 この7年ぶりの再会から、かつての愛が復活するという不倫モノ。


戦後、没落華族となった高田に愛想が尽きていた月丘にとって藤田の存在は大きく

なる一方。 逢引きを重ねたが、実は藤田には許嫁(いいなずけ)がいて藤田の病院

で働く事になっていた。 


上京した許嫁の久慈あさみは看護婦となって働くが、やがて藤田の心は月丘にあると

知って失望から姿を消した。 月丘は高田と別れる決心をしたものの高田が交通事故

に遭い障害者になると知って離婚を躊躇した。


結局、藤田の心も傷付き一人で東京を離れるのだが、ここで第一部 終となる。


ドラマの最後に藤田が同僚の池部良に行方不明になった久慈の世話をしてやってくれ

と頼むシーンがあった。 おそらく第二部は池部と久慈のメロドラマへと展開する予

定だったのだろうが、実は第二部は存在しない。 


何らかの事情で制作を中止したと思うが、日活の「かくて夢あり」と違って話は一応

完結したから特にストレスを感じるわけではなかった。


☆気が付いた点を列記しておくと。

1.藤田進は俺の世代では戦争映画の軍人役とか怪獣と戦う自衛隊の指揮官とかのイ

メージでメロドラマは似合わない。 そもそも撮影時すでに30代後半だから年齢的

にも無理がある。 最初から順当に主役は池部良で良かったんじゃない?


2.千石規子が風俗の女の役で登場! 俺がこの人の風俗女を見るのは2回目だ。

1回目は「白い野獣」という赤線の更生施設を舞台にした東宝作品で元売春婦の役だ

ったと思う。 俺の世代では千石規子=意地悪なおばさんのイメージだから、まさに

天地がひっくり返ったような気分になったぜ。(笑)


3.高田稔がまたしても没落華族を好演。 前に見た「七つの宝石」でも没落華族の

役じゃなかったかな。 ちょっと屈折した心理を持つ富豪とか貴族がハマっている。


4.病院の婦長が怪描でお馴染みの入江たか子だった。 なかなかの美女ぶりで恐れ

入った。 久慈あさみよりも美貌。


5.悲恋のヒロインを演じた月丘夢路は俺が今まで見た中では過去最高レベルと言っ

て良い。 ほとんど着物の出演やけど洋装も数シーンあった。 色々な意味で楽しめ

た。


まあ、こんな感じです。

1950年(昭和25年)12月29日公開の新東宝映画だね。 監督は阿部豊で

日活時代の月丘夢路の作品が多い印象。 モノクロで76分。 俺の評価はランクB

(水準作より上)だけども、月丘夢路が奇麗なのでランクAでも良し。 不倫ドラマ

の佳作じゃないかな。


□写真上

公開時のポスター。 左から藤田進、月丘夢路、久慈あさみ。 久慈あさみはこの

作品がデビュー作らしい。

□写真2番目

藤田進(左)と月丘夢路。

□写真3番目

同じく藤田進と月丘夢路。

□写真4番目

左の起立している男が高田稔、右は藤田進と久慈あさみ。

□写真下(左)

池部良が月丘夢路に向かって「あなたが二人(藤田、久慈)を不幸にした」と詰め寄

る場面。

□写真下(右)

月丘が藤田が乗った列車に思い出の白薔薇を投げる場面。


じゃ、またね。

2022年6月14日、21時40分記。
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☆5月15日 映画「かりそめの唇(1955)」を見た PT2

2022年05月15日 | この映画見ました

花椿です。

昨日書いた『かりそめの唇』ですが、ブログ書きの前にPCの画面上で再生しながら内容

確認と同時に写真を十数枚切り出した。 そのうち5枚は本文に使ったのですが、残りを

ボツにするのも惜しいので『かりそめの唇 PT2』としてブログに出しておきます。


■写真右列

上:藤乃高子。 川喜多雄二の勤務先に面会に行った場面。

中:箱根の旅館で浅茅しのぶが川喜多雄二に求愛するシーン。 実業家の柳永二郎の愛

人だったのを解消したのちに川喜多への愛に目覚めた。 しかし最後は柳の元へ戻る。

下:自殺した柳の葬儀。 淡路恵子は人生で何が一番大切なのかに気付く。 そして潔

く川喜多をあきらめて藤乃や浅茅と和解する。

■写真左列

上:淡路と藤乃。 病院内で医者いつ来るのよ、と淡路が文句垂れるシーン。

中:藤乃と浅茅が恋のライバルだったのを解消して和解するところ。

下:淡路恵子。 出版社に川喜多を訪ねたら不在で、このあと社長(山形勲)から暴行

される。


以上。 なお本文で書き忘れたけど、映画の主題歌はコロンビア・ローズの歌唱で作詞

作曲は西條八十と万城目正の黄金コンビ。 哀愁に満ちたメロディでなかなか良い。

折原啓子の「恋しかるらん」に匹敵する名曲だな。


じゃ、またね。

2022年5月15日、午前3時5分記。
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☆5月14日 映画「かりそめの唇(1955)」を見た

2022年05月14日 | この映画見ました
花椿です。

松竹大船作品の「かりそめの唇(1955)」を見た。 旧作邦画の純愛メロドラマ一筋

の俺にとっては前から死んでも見たいと思う作品の一つなのだが、スカパー衛星劇場の

「番匠監督作品特集」でようやく実現した。


早速、BD-Rに録画して75型の大型テレビで視聴したけど、松竹全盛期の大船調メロド

ラマに飢えていた俺にとっては久しぶりにワクワクしながら大画面に見入ったね。 

だいたい北条誠が原作を書いた作品にハズレは無くて大いに期待できる作品だ。


この作品に登場する主演の川喜多雄二、淡路恵子や助演の柳永二郎 、吉川満子 それに

松竹作品のお馴染みの悪役俳優、永井達郎 など大人気メロドラマ「この世の花」の登

場人物と重なる部分が多い。


時期的にも1955年(昭和30年)の8月封切であり「この世の花」の続篇の撮影時期と

重なったんじゃあるまいか。 藤乃高子の役を水原真知子 が演じていたら「この世の

花」そのまんまだろうな、実業家の柳永二郎とか憎々しい母親を演じる吉川満子のキャ

ラとかもクリソツだし(笑)。


まあ、それはともかくこの映画のストーリーだ。 簡略化すると川喜多雄二が出版社の

サラリーマンで夜学の教師もしているのだが、叔父の実業家である柳永二郎の娘(淡路

恵子)が運転する車に同乗中、子供にケガをさせてしまう。 全てはここから始まる。


そして子供を連れて行った先の病院の看護婦をしていた藤乃高子と子供の姉である浅茅

しのぶが登場する。 もともと淡路が川喜多を愛して独占欲をみなぎらしていたところ

に、この二人の女たちが参戦したわけだ。


そして浅茅が柳の愛人をしていたのが発覚するわ、藤乃はドクターの永井達郎に求愛さ

れて乱暴されそうになるわ、川喜多が浅茅を愛していると誤解して藤乃が姿を消すわ、

さまざまな行き違いや誤解を生みながら恋愛ドラマが展開する。


最後は再び柳の元へ戻った浅茅であるが柳が疑獄事件に巻き込まれて自殺した。 柳の

葬儀の日に川喜多と浅茅、藤乃、淡路が参列したが、淡路は川喜多の本心が藤乃にある

と知り潔く身を引いた。 また父親である柳の供養をしながら一人生きて行く決心をし

た浅茅を理解し許した。 淡路と浅茅は川喜多と藤乃が乗る東京行き列車を見送るのだ

った。 以上。


まあ面白いのは確かだけども大船調メロ映画らしく突っ込み所がめちゃ多い。 一応、

記憶が薄れないうちに書いておくと、、、


1.ケガを負わせた子供の姉である浅茅しのぶが、実は偶然にも川喜多の叔父・柳永二郎

の愛人だった。

2.病院の看護婦をする藤乃高子が川喜多の教え子(清川新吾 )の姉だったという、また

しても偶然。

3.藤乃が川喜多に面会に行ったら偶然にも浅茅から電話があって藤乃がショックを受

ける。

4.川喜多が母親を連れて箱根の旅館に泊まったら偶然にも浅茅が働いていた。 しかも

藤乃もたまたま同じ旅館に来ていて、浅茅が川喜多に求愛する場面を目撃して再度の大

ショックに見舞われる。

5.藤乃が就職の相談に京都の都ホテルに行ったら偶然、浅茅と出会った。


などなど突っ込み所が満載じゃん。 もちろんストーリーの展開にはご都合主義も必要

だし見る側も理解しているが、この作品はちょっと多かったな。 まあ北条誠らしいと

いえばそれまでであるが。


女優原理主義者の立場で見た場合は、藤乃高子は美人に違いないが身長が低いのが難。

特に淡路恵子と浅茅しのぶが高身長だけに目立った。 浅茅しのぶは俺好みの女優やけ

ど前から感じていたが歯並びが悪い。 淡路恵子はファッショナブルで良かったが性格

の悪い女を演じたのがイメージ的にややアゲンストだな。


レア場面としては第二部の冒頭、出版社の場面で無名時代の白木マリが事務員の役で数

秒間だけ出てますね。 1時間4分目あたりで。 風景としては藤乃が住んでいる場所と

して飯田橋あるいは市ヶ谷あたりの外堀沿い。 総武線の電車が通っていた。 当時の

大阪駅舎と阪急百貨店なんかも映る。


1955年(昭和30年)8月24日公開の松竹大船作品だ。 第一部「たそがれの過失」と第

二部の「幸福の岸」に分離してあるが、これはまあ映画館で上映する時のトイレタイム

をつくるためじゃなかろうか。 合計で110分。 テレビ放映はCMなしで連続している。

モノクロ。


俺の作品評価はランクB(水準作より少し上)でしょうかね。 ただし松竹女優または

主演の川喜多雄二が好きな人には楽しめるはず。 俺もその一人だわ。


□写真上

主演の川喜多雄二。 ボーっとした感じが何とも言えない。

□写真2番目

誤解したまま帰る藤乃高子を川喜多が呼び止める夜のシーン。

□写真3番目

淡路恵子。 登場シーンの全てがファッショナブルだった。 カラーで見たいわ。

□写真4番目

川喜多雄二と浅茅しのぶ。

□写真下

川喜多雄二と藤乃高子。 背景は大阪城だ。


じゃ、またね。

2022年5月14日、19時35分記。
コメント (2)
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☆5月12日 映画「新しき天(1954)」を見た

2022年05月12日 | この映画見ました
花椿です。

大映作品の「新しき天(1954)」を見た。 数日前にスカパーで放映した旧作日本映画

であるが、山本富士子が映画界デビューして2年目の作品だ。 個人的に山本富士子コレ

クション63本のうちこれより古い作品は「浅草物語」「春雪の門」「十代の誘惑」の3本

しかない。 かなりレアな作品だと思う。 とにかくメロ映画一筋の俺の立場では絶対に

見なければいけない作品なのだ。


ストーリーを簡略化して書いておくと、山本富士子が幼い頃に別れた母親に面会に行く。

富豪の家だったが、そこで見かけた母親の再婚相手の前妻が生んだ令息(北原義郎)と両

思いの関係になるわけ。


ところが北原の父親が他の財閥の娘(藤田佳子)と政略結婚を考えていたため反対するし、

山本はこれも父親が別の結婚相手を決めていて無理やり好きでもない男と結婚式を挙げる

事に。 しかし山本は北原の存在が忘れられず新婚旅行の列車から逃げ出して北原と二人

で佐渡へ渡った。


佐渡の尖閣湾の断崖に立つシーンもあったが思い直してその夜は旅館に泊まった。 そこ

へ二人を探し出した北原の実母から二人の結婚を両家が許したと伝えられた。 二人は抱

き合って喜ぶのだった。 以上。


まあメインストーリーとは別に山本・北原ご両人の実母との関係が描かれている。 南田

洋子は山本富士子の従妹の役で山本の逃避行を助けるが、これは作品に花を添えた程度の

露出だった。


全体の印象としては予定調和のようなストーリーであまり盛り上がらない。 感動も少な

くて作品レベルとしては水準作の域は出なかったと思う。 数年前に「薔薇いくたびか」

を見た時にも感じたが、メロドラマとしてはややリアルな作風の大映調よりもご都合主義

の突っ込み所が満載の松竹大船調の方が面白いと思うけどね。


ただ女優原理主義者の俺としては山本富士子と南田洋子、さらに大映の新人(当時)女優

の藤田佳子への思いが相当なウェイトを占めるので、その意味では俺の評価は高い。 俺

にとってはいいも悪いも女優しだいで、今回も山本富士子いいなあ、いいなあ、美人だな

あ、と思いながらの視聴だから、これはもう作品の評価を超越しているのよ(笑)。


山本富士子の相手役、北原義郎は大映の主要脇役として活躍した役者だけども、俺の世代

ではテレビドラマの悪役のイメージが濃い。 今回、初めて北原義郎が主演するメロドラ

マを見て悪役のイメージとダブって変な感じがしましたね(笑)。 


なお元大映営業マンの有名なブログによると、ブログ主と北原義郎は親しい関係でまだ

存命だとの記載があった。 2022年5月時点で優に90才を超えていると思う。

(ブログ主も昭和30年大映入社組で90才だと書いてあったが・・)


1954年(昭和29年)10月27日公開の大映作品だ。 モノクロで93分。 1932年(昭和

7年)に入江たか子主演で初映画化されて、これはリメイクらしい。 俺の作品評価はラ

ンクC(水準作)となるが、女優のレベルを加味して実質ランクBにしておきます。 


□写真上

封切時のポスター。 上の二人は南田洋子と林成年だ。

□写真2番目

佐渡の尖閣湾にて山本富士子と北原義郎。

□写真3番目

交通事故で入院した北原義郎を山本富士子が見舞ったシーン。

□写真4番目

左から林成年、南田洋子、山本富士子。

□写真下

北原義郎&山本富士子。 日比谷公園にて。


なおモノクロ映画ですが、写真着色ソフト「着彩!モノクロ写真」を使用してカラー化し

てあります。(AIの着色は赤や黄色が苦手なのであくまで簡易的カラーとなります)


じゃ、またね。

2022年5月12日、23時40分記。

(14日に加筆しました)
コメント (2)
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☆3月16日 映画「わたしの凡てを(1954)」を見た

2022年03月15日 | この映画見ました

花椿です。

少し前に東宝映画の「わたしの凡てを(1954)」を見た。

別の映画作品を見た直後に日本映画チャンネルの番組予告にたまたま旧作メロドラマの

放送予定が出た。 原作が「君の名は」で有名なメロドラマの巨匠・菊田一夫ってだけで

メロドラマ一筋の俺なんかワクワクするけど、主演が池部良でヒロイン役があの伊東絹子

じゃん。 これは見なければと旧作邦画ばかり3200本のコレクションをHDD検索したら

あった!


この作品は2年前にあるコレクターから提供を受けた中の1本であるが、俺が放置していた

理由がわかった。 駄作の総合商社と表現しても良いような市川崑監督の作品だ。 それ

で内容をロクに調べもせずに放置していたらしい。


しかしミス・ユニバース世界3位で日本が誇る「八頭身美女」として一世を風靡した伊東

絹子は「幽霊男」(東宝)に下着モデルの役で出たのを見たくらい。 女優主義者の俺の

立場では絶対に見逃せないスーパービューティのヒロインだわ。 


もう市川崑監督作品だからとガン無視する気持ちが失せてさっそく見たら、これが結構い

い! 久しぶりに美男美女のすれ違いメロドラマを見て感動したけど、これは市川崑監督

の手腕というよりも菊田一夫先生の原作に負う部分が大きい思う。


簡単にストーリーを紹介すると、北海道から行方不明の姉を探しに上京した伊東絹子が路

頭に迷っている所を池部良に助けられた。 池部は女性下着メーカーの社員で社長令嬢の

有馬稲子に好かれている立場なんだが池部の気持ちは伊東にあった。


やがて有馬が自宅で預かった伊東に池部をめぐって宣戦布告をするわけ。 そして様々な

誤解から姿を消すが、会社が大阪で下着ショーのモデルを探したら、その中に伊東がいた。 

伊東は池部との誤解が解けて抱擁し、有馬はすっきりした気分で伊東に恋を譲った。


大阪の下着ショー兼ミス・ユニバース選考会では伊東が日本代表に選ばれ米国へ旅立った。

その頃、映画館で伊東の華やかなニュースを見て涙ぐむ姉の姿があった。


そしてこのストーリーを肉付けするように元華族の二本柳寛が有馬稲子に横恋慕して会社

の業務を妨害したり、有馬稲子の叔父役の上原謙もやはり伊東絹子を好きになって変な結

果になったりってのがあった。 


まあ、あえて言えば伊東絹子があまり喋らない。 常に池部良か有馬稲子がガンガン喋っ

て、伊東絹子はセリフ一行を何回か声に出すのみという場面が多かった。 これは素人の

ミス・ユニバースに気を使った措置だとは思うが、やや不自然。 


他にも突っ込み所が満載ではあったけど、それも八頭身のスーパービューティに目がくら

くらして全て帳消し。 俺の満足感は異常に盛り上がりましたね(笑)。


1954年(昭和29年)5月封切の東宝作品だ。 モノクロ。 俺の評価はランクA(かなり

良い)だわね。


□写真上

封切時のポスター。 池部良と伊東絹子だね。

□写真2番目

池部良と伊東絹子。 この場面を有馬稲子に目撃され嫉妬に火が付く。

□写真3番目

ミス・ユニバース選考会の準備中に池部良と再会する場面。

□写真4番目

有馬稲子。

□写真下

池部良と有馬稲子。 羽田空港で渡米した伊東絹子を見送った帰り道。


じゃ、またね。

2022年3月16日、23時10分記。
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☆9月1日 映画「君恋し(1962)」を見た

2021年09月01日 | この映画見ました
花椿です。

1962年(昭和37年)の日活作品「君恋し」(森永健次郎監督)を見た。

フランク永井が昭和初期にヒットした名曲「君恋し」を昭和36年にリバイバルヒットさ

せたのを映画化した作品だと思う。


日活の森永健次郎監督はこのブログでも書いた「学生心中」の監督だし、ヒロイン役の

清水まゆみは俺好みの女優である。 しかもメロドラマの主演じゃん!で大いに興味があ

ってアマゾンが配信したのを画面録画しながら一回目を見た。


しかし予想した以上にこれが大当たり! 一回だけじゃ我慢できずに録画を終えた映像を

今度はクロームキャスト機能を使って75型の大画面でもう一回見たけど、主演の小高雄

二はいつもの一本調子の演技じゃあるが、とにかくヒロインの清水まゆみが全然いい!


個人的には昭和30年代中頃の日活映画全盛期の清水まゆみは赤木圭一郎や和田浩治の

相手役といった程度のイメージであったけど、悲恋メロドラマの単独ヒロインも演じてた

のだと思うと何となく嬉しくなったぜ。


ストーリーを簡単に書くと、グライダーの事故を起こした小高雄二が入院中に看護婦をし

ていた清水まゆみとラブラブになった。 やがて上京した清水は小高に許嫁(いいなず

け)がいると知ってショック受けた。


しかしこれには深いわけがあって小高本人の意思で決めた許嫁ではなかったが、色々と

誤解が生じてすれ違いになった。 一方、小高の許嫁の明石佳子 は逆に小高に他の女が

いると知って大ショック。 思い悩んだ挙句に自殺したのだ。


清水は自分が原因で小高の許嫁が自殺したのを大いに悩んで小高と別れる決心をする。

最後は永代橋で待っている小高の元へ清水がタクシーで行きながら結局、声はかけずに

そのままタクシーを走らせてその場を去った。


まさに悲恋物。 別れの場面でフランク永井の「君恋し」の曲がBGMになって気分盛り上

げてくれた。 愛し合いながらの別れに何となく松竹大船調の雰囲気を感じたけど、まあ、

千篇一律の悲恋物と言ってしまえばそれまでやけど、俺個人にとっては偉大なるワンパター

ンだよ。 むちゃくちゃに感動したね。


俺の評価はランクAA(最上級)だわね。 1962年(昭和37年)2月封切の日活作品、

モノクロでワイドスコープだ。 1時間7分。 2本立ての添え物作品だった可能性があ

る。


□写真上

ヒロインを演じた清水まゆみ。

□写真2番目

清水まゆみと小高雄二。 この二人、プライベートでは結婚していたらしい。

□写真3番目

自分が原因で小高の許嫁が自殺したと知って悩む清水まゆみ。

□写真4番目

銀座のバーで再会した清水と小高のシーン。

□写真下

「君恋し」の映画ポスター。


じゃ、またね。

2021年9月1日、午前0時40分記。
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☆6月17日 映画「密会(1959)」を見た

2021年06月16日 | この映画見ました
花椿です。

1959年(昭和34年)の日活作品「密会」(中平康監督)を見た。


最近は中平監督の昭和30年代前半の日活作品を見る機会が多い。 例えば「あの壁を砕

け」「四季の愛欲」「街燈」「牛乳屋フランキー」などは今年初めて見たけど、特に「街

燈」のハイカラな雰囲気とスピーディーなストーリー展開には圧倒された。 そして「四

季の愛欲」は俺が今までに見た全ての映画作品の中で最高の1本と断言しても良いレベル

だ。(これはオススメ)


で、俺の場合はあまり監督の名前で見る方じゃないのだが、中平監督に限っては「凄ぇな」

という印象を持ったわけ。 そこに登場したのが「密会」だ。 伊藤孝雄のデビュー作ら

しいけど、まあ、俺の場合は主演女優が桂木洋子だから録画しながら即刻見た。 この人、

「四季の愛欲」でも堂々と不倫妻を演じていたし、今度は伊藤孝雄演じる若い学生との不

倫じゃん。


ストーリーを簡単に書くと、大学教授(宮口精二 )の妻である桂木洋子がふとしたきっか

けから宮口の教え子である若い学生(伊藤孝雄)と不倫関係に陥る。 たまたま夜中に野

外で密会中に殺人事件を目撃する事になるが、二人は不倫がバレるのを恐れて警察には通

報しなかった。


しかし、しだいに伊藤が罪悪感に悩まされて警察へ行く覚悟を決めて桂木に告白するが、

桂木は「警察だけは堪忍して」とすがりつき絶対に許さない。 結局、桂木が伊藤を駅の

ホームから突き落として口封じに殺してしまうわけだが、それを目撃した人物がいて・・

・・という話。


まあ、今現在の視点ではとっくに使い古されたテーマかも知れないが、めちゃめちゃ面白

かった。 吉村昭の原作だし、すでに2時間ドラマでリメイクされた可能性もある。


あえて難を言えば、冒頭の桂木と伊藤の愛欲シーンが長すぎた。 10分間くらい続いた

と思うが、まあ愛欲中のセリフからこの二人がどういう関係なのか視聴者に説明する意味

があるにせよ、ちょっと長すぎたな。


資料的な価値としては昭和34年の小田急線梅ヶ丘駅とその周辺が登場する。 今現在と

比較したら面白いかもね。


俺の評価はランクA(かなり面白い)だわね。 他の出演者としては中平作品によく登場

する峯品子が今回も伊藤孝雄の妹役で出ていた。


□写真上

不倫した直後に殺人事件を目撃した伊藤孝雄(左)と桂木洋子。

□写真2番目

「四季の愛欲」に続いて人妻役の桂木洋子。 実年齢は29才と思うがちょっと老けて見

える。(役作りの結果かも知れないが)

□写真3番目

小田急線梅ヶ丘駅のホーム。 桂木が伊藤を突き落とす場面。

□写真下

中平監督のお気に入り?女優なのか峯品子。


じゃ、またね。

2021年6月17日、午前0時20分記。
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