花椿夕月の『雪*星*さざれ石』

日本映画ネタ、雑ネタなど

☆5月12日 映画「新しき天(1954)」を見た

2022年05月12日 | この映画見ました
花椿です。

大映作品の「新しき天(1954)」を見た。 数日前にスカパーで放映した旧作日本映画

であるが、山本富士子が映画界デビューして2年目の作品だ。 個人的に山本富士子コレ

クション63本のうちこれより古い作品は「浅草物語」「春雪の門」「十代の誘惑」の3本

しかない。 かなりレアな作品だと思う。 とにかくメロ映画一筋の俺の立場では絶対に

見なければいけない作品なのだ。


ストーリーを簡略化して書いておくと、山本富士子が幼い頃に別れた母親に面会に行く。

富豪の家だったが、そこで見かけた母親の再婚相手の前妻が生んだ令息(北原義郎)と両

思いの関係になるわけ。


ところが北原の父親が他の財閥の娘(藤田佳子)と政略結婚を考えていたため反対するし、

山本はこれも父親が別の結婚相手を決めていて無理やり好きでもない男と結婚式を挙げる

事に。 しかし山本は北原の存在が忘れられず新婚旅行の列車から逃げ出して北原と二人

で佐渡へ渡った。


佐渡の尖閣湾の断崖に立つシーンもあったが思い直してその夜は旅館に泊まった。 そこ

へ二人を探し出した北原の実母から二人の結婚を両家が許したと伝えられた。 二人は抱

き合って喜ぶのだった。 以上。


まあメインストーリーとは別に山本・北原ご両人の実母との関係が描かれている。 南田

洋子は山本富士子の従妹の役で山本の逃避行を助けるが、これは作品に花を添えた程度の

露出だった。


全体の印象としては予定調和のようなストーリーであまり盛り上がらない。 感動も少な

くて作品レベルとしては水準作の域は出なかったと思う。 数年前に「薔薇いくたびか」

を見た時にも感じたが、メロドラマとしてはややリアルな作風の大映調よりもご都合主義

の突っ込み所が満載の松竹大船調の方が面白いと思うけどね。


ただ女優原理主義者の俺としては山本富士子と南田洋子、さらに大映の新人(当時)女優

の藤田佳子への思いが相当なウェイトを占めるので、その意味では俺の評価は高い。 俺

にとってはいいも悪いも女優しだいで、今回も山本富士子いいなあ、いいなあ、美人だな

あ、と思いながらの視聴だから、これはもう作品の評価を超越しているのよ(笑)。


山本富士子の相手役、北原義郎は大映の主要脇役として活躍した役者だけども、俺の世代

ではテレビドラマの悪役のイメージが濃い。 今回、初めて北原義郎が主演するメロドラ

マを見て悪役のイメージとダブって変な感じがしましたね(笑)。 


なお元大映営業マンの有名なブログによると、ブログ主と北原義郎は親しい関係でまだ

存命だとの記載があった。 2022年5月時点で優に90才を超えていると思う。

(ブログ主も昭和30年大映入社組で90才だと書いてあったが・・)


1954年(昭和29年)10月27日公開の大映作品だ。 モノクロで93分。 1932年(昭和

7年)に入江たか子主演で初映画化されて、これはリメイクらしい。 俺の作品評価はラ

ンクC(水準作)となるが、女優のレベルを加味して実質ランクBにしておきます。 


□写真上

封切時のポスター。 上の二人は南田洋子と林成年だ。

□写真2番目

佐渡の尖閣湾にて山本富士子と北原義郎。

□写真3番目

交通事故で入院した北原義郎を山本富士子が見舞ったシーン。

□写真4番目

左から林成年、南田洋子、山本富士子。

□写真下

北原義郎&山本富士子。 日比谷公園にて。


なおモノクロ映画ですが、写真着色ソフト「着彩!モノクロ写真」を使用してカラー化し

てあります。(AIの着色は赤や黄色が苦手なのであくまで簡易的カラーとなります)


じゃ、またね。

2022年5月12日、23時40分記。

(14日に加筆しました)
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2 コメント

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Unknown (北アカリ)
2022-06-17 10:22:16
おはようございます。
山本富士子さんきれいですね。
写真下のうつむいて口角をあげた顔がこれぞ
山本富士子さんという感じがします。
山本富士子さんの作品「いつか来た道」は小学校の
体育館で映画鑑賞として観ました。
体育館には、教室の木製の椅子を自分で持っていくのを覚えています。
返信する
北アカリさんへ (花椿)
2022-06-21 01:06:27
コメントありがとうございます。「新しき天」の放送があるとは驚きました。見果てぬ夢が徐々に現実になる感じです。時々メールも差し上げてますがコメントの方もよろしくお願いします。
返信する

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