阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

国際紛争解決の調停者としての日本を目指すために

2011年11月16日 21時44分02秒 | 政治

 国会議員として実現したいことは沢山ありますが、そのひとつは「国際紛争解決の調停者」としての日本の地位を築くことです。ひとりの議員が取り組むテーマにしては大きすぎるけれど、着実に準備を進めていると思っています。

 今日は、フィンランドの「国際紛争調停者」として世界的に有名なユハ・クリステンセン氏とフィンランド政府の「平和のための仲介」特別代表として、各国政府との連携を探るために世界中をリサーチしているキンモ・キルジュネン博士が議員会館の私の部屋を訪問。約1時間、意見交換をしました。テーマはずばり、「日本がその役割を果たすために何をすべきか」でした。ふたりは身を乗り出して我先にと語り続け、私たちは、この問題のために連携していくことを約束し合いました。また、具体的な次のアクションについても話し合いました。その中身はこのブログの中で、次第に明らかにできると思います。


写真上:キンモ氏の提案で「上着を脱いで」話し合いました。左から政策秘書の堀場明子、ユハ・クリステンセン氏、在フィンランド大使館公使参事官ヨハンナ・コトゥカヤルヴィ氏。右端がキンモキルジュネン博士。


 鳩山由紀夫総理が辞任した昨年6月2日、「元総理としてのステータスと平和国家としての日本の地位を国際紛争の仲介者として活かしましょう!」と本人に直接提案し、さらに数日後には「企画書」を持って行ったことはこのブログにも書きました。「日本のアハティサーリ、日本のカーターを目指しましょう!」と提案したノーベル賞平和賞受賞者、マルティ・アハティサーリ元フィンランド大統領のパートナーだったのが、今日私の部屋を訪ねてきたユハ・クリステンセンなのです。

 クリステンセン氏は、政治家でも外交官でも、NGOの活動家だったわけでもなく、インドネシアで医療機器などの販売に携わってきたビジネスマンでした。日本政府がインドネシア政府の大きな支援を得て東京で開かれた和平交渉が決裂。事実上の戒厳令が敷かれたスマトラ島・アチェの紛争解決に向け、一市民として紛争当事者を交渉テーブルに着かせ、アハティサーリ元大統領を引っ張り出して見事な成功を導いた張本人です。彼が紛争当事者のGAM(自由アチェ)の「首相」マリク・ムハマドら最高幹部と初めて会った時、パワーポイントを使い現地情勢の分析や提案などを、まるで製品を売り込むように話したと言われていますが、今日も、そんな伝説を彷彿させる熱のこもったやりとりでした。

 来週は、そのアハティサーリ氏が来日。議員会館で勉強会を実施しますが、鳩山元首相との会談もセッティングできそうです。

 「日本のソフトパワー外交」の提案書の中で、私は平和国家としての名声を活かし、「公正な仲介者」としての人材を育成すべきと提案しています。フィンランドの大きな優位性は、一般社会の中にもユハ・クリステンセン氏のような人材が存在することですが、日本にも潜在的には負けない人材があり、紛争を仲介した後、継続的に支援を実施できる経済力と経験もあります。このテーマについては積極的に役割を見出し、この分野に長年かかわってきた政策秘書とも力を合わせ、結果を追求していく決意です。




写真上:今日はスウェーデン人の日本のODA研究者とも意見交換。日本の紛争調停の力になり得るのがODAですが、来年度はさらに減額予定とのこと。外務部門会議では何としても阻止すべく申し入れを行うことを決めました。



写真上:今日はキルギス大統領選挙の報告会も行いました。キンモ氏はキルギス南部の騒乱解決にも寄与しています。




写真上:キルギス報告会の後で、お世話になった在日本キルギス大使、在日キルギス人学生協会会長、そして外務省の方々と。



写真上:先月行ったアフガニスタン勉強会にて。日本のNGOには紛争解決の調停者になり得る人材が沢山いると思います。



写真上:先週行った、元政治囚を招いてのビルマ情勢についての勉強会。ビルマの紛争解決、そして民主化支援には、日本は大きな役割を果たせる可能性があります。