試合終了後,メインスタンド下に引き上げていく審判団には,今まで聞いたことがないような罵声と,ホームのゴール裏からは激しいブーイングが発せられた。
確かに主審は,試合をうまくコントロールする,という本来の目的を忘れたかのように感情的に見え,どちらのベンチもが首を傾げざるを得ない判定を繰り返した。
河合を退場させた場面にしても,ファウルの後に暴言があったことは事実だろうが,あそこは気持ちを抑えることを . . . 本文を読む
ロスタイムに入ってからの岡山のCKの直前,同行者が「これまでの札幌だったら,ここでやられていたんだよな」と呟いたのだったが,「今の札幌」は残念ながらやっぱり「これまでの札幌」のままだった。
その一つ前のCKで素晴らしいパンチングを披露した以外は,そのほとんどをミスしていたキックに代表されるように,不安定なプレーが目立っていたGKの杉山は,最後に致命的な判断ミスを犯した。
ほとんどフリーになっていた . . . 本文を読む
日本の最初の選手交替が,攻撃的な選手ではなく,センターバックの「栗原」だと知った時,嫌な予感がした。既に相当鈍くなっていた選手たちの脚が,「ザッケローニの選択はこのまま逃げ切りを図ることだ」と選手たちが理解した瞬間に,より一層止まる危険性が高まったからだ。
スコアレスのままドローを狙う,という消極的な戦法も,W杯予選という結果のみを求められる試合においては,監督の選択肢の中にあるのは当然だ。だが, . . . 本文を読む
前半と後半では,まるで違うチームのようだった。コンサドーレ札幌ではなく,京都の方がだ。相手選手への寄せ,マイボールにした時の広い視野と精緻な組み立て,そして何よりルーズボールの完璧と言って良いほどの支配。何度かGKとの1対1を決めきれない場面があったことに象徴されるように,フィニッシュの精度に問題を抱えてはいたが,明らかに札幌よりは二段階くらい上のサッカーをやっていた,という印象だ。
試合全体を振 . . . 本文を読む
途中で怪我のためピッチを後にした河合には申し訳ないが,それに伴う選手交替がまさしく「怪我」の功名となった,と言わざるを得ない試合だった。
前半の途中までコンサドーレ札幌には相手のゴールに向けてボールを運ぶ意識はおろか,ボールを繋いでフットボールをするんだ,という気持ちすらなかったように見えた。
それに対して小さなフィールドでの巧みなパス交換から,スペースに走り込む選手を積極的に使うことによって,コ . . . 本文を読む
代表の中心選手を二人抱え,J2では圧倒的な戦力といわれながら,陥落してからまだ1勝と結果の出ないガンバ大阪をホームに迎えた第6節。
「ひょっとすると…」という思いを胸に札幌ドームに詰めかけた観客は1万7千人。試合開始ぎりぎりに会場に入った私は,またしても(コンサドーレの主催試合では良くあること。情けないを通り越して最早悲惨な運営状況と言わざるを得ない…)マッチデイプログラムをもらえないという事態に . . . 本文を読む
せっかくマッチデイプログラムの表紙を飾り,先発で出場したのに,GKが幾度かハーフラインを越えられず,後半はほとんどがショートGKになってしまった杉山。
相手の選手が付いて来ているゴール前の大事な場面で,浮き球のキックを思い切り空振りしてしまった櫛引。
バーを直撃する目の醒めるようなミドルシュートを放った代わりに,自陣深くでボールをキープできずに簡単に奪われてピンチを招いた深井。
サイドバックに下が . . . 本文を読む
シーズンの開幕戦で格上の千葉にまさかの勝利。石崎前監督が昨シーズン終盤に執念を燃やしてトライしていた3バックをあっさりと捨てて,再び4枚で組んだ新しい守備網も無失点と結果を出し,上々の滑り出しで迎えたホームの開幕戦は,しかし昨シーズンとは違った意味でサポーターを失望させる試合となってしまった。
ここでJ1とJ2の試合のレヴェルの差を云々する気はない。だが新入団選手がスタートに4人(試合出場の叶わ . . . 本文を読む
まだシーズン前のキャンプ途中の国内組を控えに廻し,ハイシーズンの欧州組を中心に組んだスターティングメンバーは,岡崎のワントップが全く機能しなかったことを差し引いても,あまりにも消極的な入りだった。
特に昨年後半の代表戦での不振を,年明けもまだ引きずっているように見えた本田のシュート回避姿勢は深刻だった。凄いプレスという訳ではないが,恵まれた体格を活かし,少なくとも前半は集中力を切らさなかったラトビ . . . 本文を読む
昨年までJ2でしのぎを削り,同時に昇格し,J1でも共に闘ったシーズンも残すところあと2試合。
かたや勝ち点を50まで積み上げて,ACL出場権獲得圏内まであと2点(3位の浦和との差)に迫る勢いのチームと,結果的にではあるが2試合を残している時点で史上最多失点と史上最多敗戦数に並んでしまったチームの対戦という状況を考えれば,札幌は実に良くやったと言えるかもしれない。
先制して,一度は追い付かれても,突 . . . 本文を読む