マガジン9というウェブマガジンが主宰をする、標題企画に参加してきました。
文字通り、参院選を目前に、争点の一つになっている憲法改正につき考える企画でありました。
スピーカーは以下の3名。
伊藤真(伊藤塾塾長・法学館憲法研究所所長・弁護士)
春香クリスティーン(タレント)
鈴木邦男(作家・評論家)
*以上、敬称略
伊藤氏は、司法試験受験指導の第一人者として知られ、近年では憲法論議でも護憲の立場からの論説を積極的に発表している人物であります。私も、伊藤氏の「伊藤真の日本一わかりやすい憲法入門」中経出版(2009年)を拝読させていただいたことがあります。
企画は3部構成で行われ、第1部が伊藤氏の講演でした。立憲主義の起源、意味、憲法本来の役割等につき分かりやすい解説がなされました。
伊藤氏からは、憲法とは本来国民が権力者(国家)を縛るためのものであり、国家が国民に憲法順守義務等の各種義務を負わせる構成なっている自民党の憲法改正案は、そもそも憲法の役割というものを誤解している等の指摘がなされました。その他、「個人」を「人」と書き換えていることから、国民1人1人を「代替可能な存在」即ち徴兵制→戦争可能な体制を模索している等の論も展開されていました。個人は単に1人であることを指すのではなく、人間一人一人が何人にも代えがたい存在であり、故に人権が(国家から)尊重されなければならないという「価値観」を示しているとの趣旨でした。
2部は、伊藤氏に加えて春香クリスティーン氏と鈴木邦男氏も加わりトークセッションが持たれました。春香氏からは、16歳まで過ごした母国スイスと日本との対比から、そもそも日本社会では政治につき議論をしたり意見をぶつけ合ったりする習慣が無く、このことが憲法改正問題についても、問題の本質を見えずらくしているのではないか?という趣旨の指摘がありました。(実際にはもっとかみ砕いた話し方でしたが。)また、スイスでは憲法改正が年平均1.5回ペースで行われていること、10万人以上の署名があれば国民からも憲法改正を発議できること等、日本と異なり国政にも直接民主制的要素が多く取り入れられている実態も紹介がありました。
鈴木邦男氏に関しては、これまでとは違った切り口で活動をする右翼活動家というイメージしか正直ありませんでしたが、論調としてはかなり「護憲」であることが意外でした。
従来からの護憲運動よりも、改憲論者からの憲法改正反対論(96条先行改正反対論)の方が説得力を持っているのでは?という指摘は興味深かったです。
私は中座をしましたが、第3部では参加者間のグループトークも行われたようであります。
<写真:開始前の会場。開会中は写真撮影禁止でした。スピーカーにタレントが居たためでしょうか?>
文字通り、参院選を目前に、争点の一つになっている憲法改正につき考える企画でありました。
スピーカーは以下の3名。
伊藤真(伊藤塾塾長・法学館憲法研究所所長・弁護士)
春香クリスティーン(タレント)
鈴木邦男(作家・評論家)
*以上、敬称略
伊藤氏は、司法試験受験指導の第一人者として知られ、近年では憲法論議でも護憲の立場からの論説を積極的に発表している人物であります。私も、伊藤氏の「伊藤真の日本一わかりやすい憲法入門」中経出版(2009年)を拝読させていただいたことがあります。
企画は3部構成で行われ、第1部が伊藤氏の講演でした。立憲主義の起源、意味、憲法本来の役割等につき分かりやすい解説がなされました。
伊藤氏からは、憲法とは本来国民が権力者(国家)を縛るためのものであり、国家が国民に憲法順守義務等の各種義務を負わせる構成なっている自民党の憲法改正案は、そもそも憲法の役割というものを誤解している等の指摘がなされました。その他、「個人」を「人」と書き換えていることから、国民1人1人を「代替可能な存在」即ち徴兵制→戦争可能な体制を模索している等の論も展開されていました。個人は単に1人であることを指すのではなく、人間一人一人が何人にも代えがたい存在であり、故に人権が(国家から)尊重されなければならないという「価値観」を示しているとの趣旨でした。
2部は、伊藤氏に加えて春香クリスティーン氏と鈴木邦男氏も加わりトークセッションが持たれました。春香氏からは、16歳まで過ごした母国スイスと日本との対比から、そもそも日本社会では政治につき議論をしたり意見をぶつけ合ったりする習慣が無く、このことが憲法改正問題についても、問題の本質を見えずらくしているのではないか?という趣旨の指摘がありました。(実際にはもっとかみ砕いた話し方でしたが。)また、スイスでは憲法改正が年平均1.5回ペースで行われていること、10万人以上の署名があれば国民からも憲法改正を発議できること等、日本と異なり国政にも直接民主制的要素が多く取り入れられている実態も紹介がありました。
鈴木邦男氏に関しては、これまでとは違った切り口で活動をする右翼活動家というイメージしか正直ありませんでしたが、論調としてはかなり「護憲」であることが意外でした。
従来からの護憲運動よりも、改憲論者からの憲法改正反対論(96条先行改正反対論)の方が説得力を持っているのでは?という指摘は興味深かったです。
私は中座をしましたが、第3部では参加者間のグループトークも行われたようであります。
<写真:開始前の会場。開会中は写真撮影禁止でした。スピーカーにタレントが居たためでしょうか?>