某ファンサイト管理人の音楽随想記

ジャンル縦横無尽の音楽コンシェルジュ。知っておきたい名曲・アーティスト満載。全音楽ファンに捧げるちょい濃い目のBlog!

「as time goes by」-Carpenters-

2006年01月20日 | ♪海外 -グループ


「as time goes by」 - Carpenters  - 2001年
TBS系日曜劇場「恋がしたいx3」主題歌「レインボウ・コネクション」含む

 
その日僕は ロスのホテルでちょっと豪華な花をオーダーした

その花束を  精一杯優しく抱えながら、僕は チャーターしたタクシーに乗り込んだ

「これでやっと逢えるんだ・・・」そう心の中でつぶやいた・・・

ちょっと泣きそうになった・・・

カレンに"ありがとうっ"てどうしても言いたかった。

本当に"ありがとうっ"って言いたかったんだ・・・

汗ばむほどに しっかり抱えていた花房が 静かに 風にそよいでいた・・・

あれはもう10年前近く前になる。6月のとある日、僕はロス・アンジェルスに居た。僕と妻はアメリカへの旅行の途中だった。その日の午後ロスのホテルに着いた。荷物を部屋に放り込んで、現地で即半日タクシーをチャーターし、急いで花束を手配して、そのままロス郊外の住宅地のダウニーに向かった。時間はもう夕方だった・・。広いアメリカの時間のためか日差しはまだまだ明るかった。

限られたロスでの自由時間、僕はロスはダウニーの町にあるカーペンターズの実家とカレンが眠るお墓に行くことに決めていた。もちろん既に誰もそこにいない事は承知。僕は限られた自由時間を有効に使うために、チャーターしたタクシーに住所を告げ、その場所に向かってもらった。片道約一時間程。でもいくら有名人の実家とは言え、本当に郊外の素朴な住宅地、ランドマークみたいなものも無く、ダウニーに入ってからが思いの外場所を探すのに時間がかかってしまった・・・。

やがて、緑がとても美しい大きな公園が目に入った。これが実はカレンが眠るお墓か。。カレンは奥にある建物の中の、大理石の中にいた(写真ご参照)


KAREN 1950-1983
"A STAR ON EARTH - A STAR IN HEAVEN"
と刻まれていた・・・
HAROLDと一緒に眠っていた(今はお母様もご一緒です)

棺を見た瞬間、胸が熱くなった・・・。そして何度も「ありがとう」ってKARENに言っていた。

私の青春時代、いつもKARENの情感溢れるアルト・ヴォイスに心を癒されてきた・・・。青春時代特有の孤独にさいなまれた時も、いつもKARENは明るい歌を届けてくれた。心の恩人だった。だから、KARENが摂食障害(*)の回復期に実家で倒れたと知って、それは僕の心臓が止まるほどのショックだった事を今でも良く覚えている。

*(補足)カレンはいわゆる"拒食症"ではありません。ましてや、食べないでやせ細って栄養失調で倒れたと言われていますが、それもちょっと違います。カレンは食べては自分で戻したりする、ストレスが食に向かう心の病気"摂食障害"だったのです。でもこの頃はそんな症例のレポートが少なく、あまり研究されていなかったため、最初は変にダイエットに熱中していると思われていました。。。やがてカレンがこの心の病気も自ら認め、立ち向かうためカウンセリングを受け、快方に向かった頃、すでに心臓が弱っていたためか、負担が心臓に来たために心臓麻痺で亡くなったのです・・・。

ちなみに倒れたのは離婚後で、その日たまたま戻っていた実家であり、アルバム「NOW and THEN」のジャケット(イラスト:長岡秀星)に描かれていたあの家です↓


アルバム「NOW and THEN
そして下がその家の写真。殆どそのままでした。撮影:私。


カレンとリチャードが暮らしていた実家。日本庭園がありましたよ。
(※現在は家は売却され、またお墓は他の地へ移転しています)

お墓参りの後、ロスに戻った私達は、昔は映画スタジだったA&Mのレコーディング・スタジオを外から眺め、イーグルスのホテル・カリフォルニアのジャケットのホテルなどを見てきました。そして、投宿したホテルはカレンが暮らしたマンションに近かったので、翌朝5時頃、私はまだ眠っている妻を残し、誰もいないロスの住宅街をひとり歩いて回ったのでした・・・・

このアルバムのお話をしましょう。

このアルバムは、2001年に発売された正真正銘のオリジナル!アルバムです。中身は、1967-1980の間のデモテイク、アウト(=ボツ)テイク、ライブ、テレビ・スペシャル等、なんとか世間に発表できるぎりぎりの素材から成り立っています・・・。ところが!これがそんな裏事情を感じさせないほどのレベルの高い内容なんです。さすが鉄壁の"音楽職人"リチャード!「カーペンターズ」の名に恥じない充実した内容に仕上げています。これが実現出来たのは、デジタルでのコピーやペーストなどのエディットができる時代になったからでしょう。アナログ時代でしたら、ノイズの入ったパートを切り取ったり、やむなくボーカルを抜いて別のテイクに差し替えたりとかは上手く出来なかったと思います。

このアルバム、あまりに曲数や(ペリーコモとかエラ・フィッツジェラルド他)著作権使用料対象が多すぎるためアメリカではコストが高すぎて発売できずにいました(今はどうかな~?)。だから日本先行発売でアメリカのfanは羨望の目で見ていましたよ。さっきアメリカのAmazonをちょっと覗いたら、日本からの輸入盤が41ドル!売られていて驚きました!もっとも、もっと安い日本盤以外のものもありましたけどね・・・

そうそう、このアルバムの中のカレンとエラ・フィッツジェラルドの共演は本当に聞き物です。カレンは全然引けを取らず本当に素晴らしい歌声を聞かせてくれています!

最近は"高い声"がボーカリストの条件みたいになっていますね。。。でもそれって大事な事なんでしょうか・・・?私には良く理解できない事のひとつなんです(^^;。だっって、歴史的"名シンガー"って意外とアルト系が殆どですよね~。カレンもエラだってそう。日本でも美空ひばりさんや山口百恵さんとかも・・・。最近は無理に高い音を求めているあまり、却って”耳障りな歌"が多くなった気がするのは「私だけ・・・?」(by.だいたひかる(笑))

それはともかく、カレンの歌声はこれからも永遠に不滅です!(^^

  
カーペンターズの栄光とその陰の苦悩が綴られた本。これもロスで買いました。
約350ページを原書で読むはちと大変だった・・・だから少し飛ばし読みした<おいおい(笑)。
 

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