某ファンサイト管理人の音楽随想記

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「津軽平野」-千昌夫-

2006年01月21日 | ♪国内 -男性


「津軽平野」- 千昌夫 -
作詞/作曲:吉幾三 編曲:京建輔

今日は雪・・・。起きたらこんな曲が頭の中で鳴っておりました・・・(^^;

流行歌手にスキャンダルは付きものかもしれないな・・・。でもその一番の被害者は、その歌手のスキャンダルのために変な色が付いてしまったその歌手の"持ち歌"とその曲を愛するファンなのだな、きっと。

「歌う不動産王」である・・・いや「歌う不動産王」であった。
ついでに、金髪の歌手ジェーン・シェパードさんの元夫だった・・・(^^;
*「サマー・クリエイション」のヒットで有名なシンガー。今はアメリカに帰国されています。

ここに来られている多くのみなさんは、スキャンダルが嫌いだし、何より演歌も千さん自身にもご興味がない方も多いかもしれません。でもこの曲に限っては、そんな先入観や余分な知識やデータを取り払って楽曲だけを一度お聴きになって欲しいのです。ここに流れる世界は、あの冨田勲さんの「新日本紀行」にもどこか通じる強い"郷愁感"であり、さださんで言えば「案山子(かかし)」「寒北斗」に通じる家族の絆や愛情のお話です。切なくて、家族愛溢れる歌です。ある種の"抒情歌"と言っても良いでしょう。名曲だと思います。

♪  津軽平野に 雪降る頃は
親父(おどう)一人で 出稼ぎ支度・・・
春にゃかならず 親父(おどう)は帰る
みやげいっぱい ぶら下げて・・・
淋しくなるけど 馴れたや
  親父(おどう)・・・

降るな 降るなよ 津軽の雪よ
春が今年も 遠くなるよ
ストーブ列車よ 逢いたや
親父(おどう)・・・

お岩木山よ 見えたか
親父(おどう)  

出稼ぎの父を見送り、身を案じ、父を想い、父が戻る春を待ちわびる。。。そんな厳しくて、素朴な、携帯電話なんて考えられなかった時代の、少し前の東北の暮らしが見えてきます。

この曲、作家でもある吉幾三さんのバージョンもありますが、聴き比べると、千さんの方はとても丁寧に、情感を込めて歌っている事に気付かされます。これまで「星影のワルツ」「君がすべてさ」「望郷酒場」、そして今や中国でも知らない人はいないと言われている「北国の春」など、沢山のヒット曲は、実はこの堅実な(<いや、皮肉ではないです(笑))歌唱力があってこそだったのだと思います。

そうそう、編曲の京建輔さんのアレンジも秀逸です。演歌というとどうしても余り音楽的に興味が湧く作品に出会う事は少ないのですが、このアレンジはこの曲の哀愁感を高揚させる特筆すべき作品であると思います。私はこの方については全然知識がないのですが、この方の携わった演歌曲が好きになることがかなりの確率で多いです。

それにしても・・・です。最近の演歌は本当につまらんとです(<お前はヒロシか(笑))。
その演歌がつまらないのは圧倒的に送り手の責任だと思います。

演歌の徒弟制度は仕方ない?としても、昭和~平成になっても同じ作家での単純なローテーションばかり。まるで中世ヨーロッパのギルド制度そのままのなんじゃないのか?というような世界が続いているように見えます。とてもリスナーの方向を見ているとは言えない世界です。きっとマーケティングという言葉さえ、演歌の世界ではありえないのでしょう・・・。外から見ると、"演歌マーケット"を特定の関係者で"談合"して分け合っているようにさえ見えます。(もちろん構造的な問題で結果的にそうなっているのでしょうが・・・)。利権の構造もあるのかな(よく知らんけど(笑))。音楽/演歌マーケットの縮小と共にそれぞれが保身に走っているためか、この体質どんどん強固になって、悪循環なんだな。

音楽的に見ても、もう昔のフレーズの順列組み合わせで作っているとしか思えない陳腐メロディが平気で今でも出ているしし。。。またはカラオケ需要に合わせた中身のない楽曲の量産・・・これじゃだめだな。演歌に未来はない。

そもそも、今の演歌に、"新曲"なんて必要なのかな・・・?
少なくともユーザーサイドにとっては新曲なんていらないなぁ。

そう少なくともユーザーにとっては新曲なんていらない。今までの生み出された楽曲の中から良い曲だけを厳選してリバイバルさせて欲しい。だってそうでしょ、音楽的になぁ~んにも新しい事はやっていないし、いつの時代の歌詞なの?みたいな現代人の心に届かない自己満足的な昔の焼き直しものばかり・・・。もし新曲が必要だとしたら、それははっきり言って送り手側のビジネス的な事情だけでしょ。

演歌マーケットの問題は、今現在演歌マーケットに関わっている人達が自分達の既得利権に固守するが余り、自ら狭めているだけだと私は思う。せっかく氷川きよし君という、演歌アイコンが生まれたのだから、これを機にスタッフサイドの若い発想と感覚を導入しなければ、もう演歌に未来は無い。時間に余裕はない。
※ちなみに氷川君はあのキャラの訴求の勝利であって、演歌そのものが見直されたわけではないと思います。

結論。もう演歌に新曲はいらない。みんな駄作で、同じパターンばかりだもん

このままだと、カラオケ需要以外の演歌需要は近い将来完全に絶滅するなぁ。
演歌界自身の"オウンゴール"みたいなもんだな。

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1 コメント

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『津軽平野』は... (双子座の男O)
2006-01-21 21:15:10
...いい曲ですね。

確か、吉幾三さんのは、『羅臼』のカップリングに入ってます。

千さん、『夕焼け雲』が好きですが、丁寧に歌っているなと思います。

京さんの事は、私も詳しくはわかりませんが、杉良太郎さんの曲が秀逸ですね。

『すきま風』とか『明日の詩』もそうだったかな?

私、演歌も嫌いでは無いんですよ。ど演歌はきついけどソ\フトな感じ、たとえば、前川清さんとか石原裕次郎さんとか。
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