映画とライフデザイン

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映画「にがい米」 シルバーナ・マンガーノ

2020-05-28 18:56:33 | 映画(欧州映画含むアフリカ除くフランス )
映画「にがい米」は1949年のイタリア映画


こういう映画があることは知っていた。主人公シルバーナが体操服のブルーマーのようなパンツをはいている姿の写真を見てドキッとしたこともある。映画史の本ではこの姿の写真はよく見られる。DVDで見たこともなく、名画座でやっていても見過ごしてしまう。

観てみると、ストーリーはどうってことはない。ただひたすら、シルバーナ・マンガーノのエロチックな肢体とその奔放なパフォーマンスに驚くばかりだ。

北イタリアが舞台、高価な首飾りを盗んだ強盗のカップルがいる。警察に追いかけられているところを、イタリア全土から出稼ぎで田植えに来ている女の子たちに紛れ込む。女の子の中には飛び切りの美女のシルバーナがいた。そこでの恋三昧の映画である。

モノクロ映画で屋内のショットでは光と影の使い方が巧みだ。強盗犯の女を演じる鼻筋の通った美女ドリス・ダウリングとともに映し出すショットがいい感じだ。


⒈北イタリアの米
イタリア料理でといえばリゾットである。何気なくわれわれ日本人もイタ飯屋でリゾットを食べているが、実際には北イタリアでないとおいしい米は食べられないという。水田があるのは北イタリアで、南部にはない。田植えの季節になると、産業のない南部から大量の女性たちが大挙列車に乗って出稼ぎに来た時代が70年代くらいまで続いたという。


上記写真のように美しい若い女性たちが涼しい顔をして、田植えをやっている姿を見て正直唖然とした。しかも1949年ですぞ!不謹慎な言い方だが、日本では農家の子どもたちも駆り出されることもあるが、年老いた男女が中心になって田植えをする姿しか見たことがない。最近は北イタリアへの田植えの出稼ぎはなくなった習慣とはいえ驚く。

⒉グラマラスな肢体
果たして1949年の日本映画でこんなに女性の肢体をあらわにする映画ってあったであろうか?黒澤明の「生きる」でガンとわかり夜をさまよう志村喬がストリップ劇場に入るシーンや「野良犬」淡路恵子がダンシングチームのダンサーに扮するシーンはある。

「野良犬」は同じ1949年の日本映画だが、役柄は普通の人ではない。しかも悪いけどこの時の淡路恵子は垢抜けていない。シルバーナマンガーノのボディは現代でも通用する。脇毛をみせながら踊る姿にエロティシズムを感じる。


ダンスミュージックに合わせて悪党と踊るシーンがある。イタリア版提灯が吊ってある野外は収穫祭か?映画「ピクニック」キム・ノヴァックがお祭りの提灯の下でウィリアム・ホールデンと踊るシーンを思い出す。みんなの熱い視線を浴びながらシルバーナ・マンガーノが踊るその姿は実にかっこいい。


今より露出度が低い時代に若い日本人の男の股間をいかに刺激したかが想像できる。

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