映画とライフデザイン

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汚名 イングリッドバーグマン

2010-10-17 22:28:31 | 映画(洋画 69年以前)
アルフレッド・ヒッチコック監督の1946年の作品である。ヒッチコックの常連の二人、ケイリーグラントとイングリットバーグマンによるハラハラドキドキ劇である。かなり強烈なキスシーンが頻繁に出てきて、恋愛モノの要素も残す。



主人公ことイングリッド・バーグマンの父親がドイツナチスのスパイとして懲役20年の判決で収監される。そのことへの失望と周りからの冷たい目に落ち込んでいた彼女であった。その夜開いたパーティで、彼女はハンサムガイのケイリーグラントと知り合う。まもなく彼がアメリカのFBIの一員と知り、彼女は一瞬引くが、彼に強く惹かれて恋に落ちる。グラントは南米にいるナチ残党を探る重要な職務にあった。リオにいるナチ残党をよく知っているバーグマンを利用する目的で近づいた。グラントは強く同行するよう頼む。グラントに強く惹かれたこともあり、彼女はリオに行くことを承諾する。

ケイリーグラントと一緒にリオ・デ・ジャネイロに行き、好きな男性との恋の戯れに陥る。しかし、彼女はナチ残党の首謀者クロードレインズに色仕掛けで近づくことをグラントの上司に命令される。彼が以前父親の相棒だったことから、容易に首領の家に入り込むことに成功した。美しいバーグマンを愛した彼は彼女に求婚する。それでも、彼女にスパイとしての行動を強いるグラントは複雑な気持ちになるのであるが。。。。



ヒッチコック監督作品の順番で行くと、「白い恐怖」の後である。連続してイングリッドバーグマンの主演である。ロッセリーニ監督との恋の逃避行に行く前のバーグマンは、ハリウッドのまさに女王的存在だったと思う。ケイリーグラントと一緒に出ると、白黒場面でも非常に優雅な感じがする。
ヒッチコック監督特有の小技とハラハラドキドキ場面がここでもいくつか出てくる。しかし、それ自体は5年後の「見知らぬ乗客」あたりの方が冴えを見せるような気がする。むしろ、主演二人の優雅さに注目した方がいいのではないか?最初にこの映画を観た時に、あまりに二人のキスシーンが多いのでドキドキした。どちらかというとキスをしているバーグマンの目もうつろである。本気度抜群の印象だ。



あとはナチの首謀者を演じたクロードレインズに注目した。バーグマンとは名作「カサブランカ」でも一緒である。新しい恋人とのまさしく逃避行の際に、浪花節的知らぬ存ぜぬを通した警部役は目に焼きつく。「アラビアのロレンス」でも英国軍参謀の役を演じる。その活躍と比較すると影は薄いが悪くない。

1946年というと、終戦の翌年昭和21年である。昭和21年の日本映画はどれを見ても非常に稚拙なセットで、終戦後の猥雑さを示している。それと比較すると、主人公二人の優雅さもあってか当然ながらあまりの違いに驚く。ヒッチコック作品はサスペンス要素を楽しまさせてくれるだけでなく、当代きってのハリウッドスターをそろえることで優雅な雰囲気にさせてくれるのがいい。2度3度みてもあきない。

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