映画とライフデザイン

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映画「ジャッジ 裁かれる判事」ロバート・ダウニーJR&ロバート・デュヴァル

2015-01-21 19:59:12 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「ジャッジ 裁かれる判事」を映画館で見てきました。
160分の長丁場でしたが、飽きることなく楽しめました。よかったです。


金で動くやり手弁護士である主人公が、殺人の疑いをかけられている判事である父親を弁護するという話。もともと法廷ものは大好きだ。でも今回は老優ロバートデュバルの登場が気になったし、主演ロバート・ダウニーJRだけでなくヴェラ・ファーミガやビリー・ボブ・ソーントンなどの脇役たちも自分と相性がいい。
映画の脚本はかなり練ってつくられている印象をもつ。脚本ニック・シェンクイーストウッドの「グラントリノ」の脚本を担当した。単純に物事を解決に向けていくのではなく、うまくいったあとですぐに逆転させるなどの二転三転を繰り返す。それなのでダレない。予想を上回るいい作品だった。

主人公ハンク(ロバート・ダウニーJR)はシカゴで活躍する弁護士で、弁護料は高いけれども、怪しい依頼人の訴訟も勝ち取る有能な男だ。妻と娘と暮らす家庭はうまくいっていない。彼に故郷インディアナから母親が亡くなったという知らせが入る。ハンクは故郷の葬儀に駆けつけるが、兄夫婦と弟と暮らす父親(ロバート・デュヴァル)とはしばらく絶縁状態だった。


父親は地元で40年以上裁判や和解を取り仕切る現役の判事だ。地元では堅物で有名で信頼されていたが、若き日にやんちゃだったハンクとは合っていなかった。葬儀が終わり兄弟で旧交を温め、昔の彼女(ヴェラ・ファーミガ)にあった後で、シカゴに戻ろうと飛行機に乗ると、兄から電話があった。父親が保安官にひき逃げの疑いで取り調べを受けているという。


そういえば、買い物へ行くと言って夜外出した父親の車にぶつかった跡があった。父親はまったく覚えていないという。警察によれば、被害者の血痕と車のものは一致するようだ。しかも、その被害者は父親が以前裁いたことのある男だった。ハンクの手続きで保釈されたが、地元の弁護士を雇うことになる。ただ、やり手のハンクから見ると頼りない男だ。裁判所の前で嘔吐してしまうほど意気地がない。優秀なドワイト・ディッカム検察官(ビリー・ボブ・ソーントン)がつき、態勢は不利だ。結局ハンクが引き受けざるを得ない状況になった。

裁判の方針では父親と息子は常に対立している。依頼人と弁護人なのに葛藤だらけだ。父親はまったく覚えていないというが、コンビ二の防犯カメラには被害者と父親が遭遇する場面が捉えられていた。被害者は軽い刑で判決を父親からうけたあとに、重大犯罪を犯して長期刑をうけて出所したばかりである。父親は自分の判断を後悔し、被害者を恨んでいた可能性がある。結果的に、単なる事故での処理ではなくなり、第1級殺人として裁かれなければならないことにもなる。そうなると、陪審員を含めた裁判が実施されることになるが。。


ロバート・ダウニーJRは今回主役だけでなく製作にあたっている。「アイアンマン」などで相当儲けたらしい。奥様のスーザン・ダウニーと共同で製作総指揮だ。さすがにアメコミのキャラ映画には興行収入ではかなわないけど、これを機に映画製作にも積極的に取り組んでいくということだろう。
金目当ての裁判にしか取り組まないと言っている弁護士は、「シビルアクション」のトラボルタのようだ。ちがうのは親子なのでダウニーは無報酬ということだ。ダウニーのセリフ運びはテンポよくうまいけど、今回はロバートデュヴァルが良すぎたので、目立たない。

1.ロバートデュヴァル
「アウトロー」トムクルーズと共演した時、ずいぶんおじいさんになったなあと思った。彼の出ている作品は15くらいは見ているのではないか。「ゴッドファーザー」ではマーロンブランドの腹心を演じ、スター街道へ。トムクルーズ主演「デイズオブサンダー」のレーシングチームの監督、ロバートレッドフォード主演の野球映画「ナチュラル」では野球チームの監督、ジョントラボルタ主演「シビルアクション」ではトラボルタ弁護士と裁判で対決するなどこれまで40年以上活躍して、アカデミー賞主演男優賞も1983年に受賞している。

でも今回アカデミー賞助演男優賞あげたいなあ。イーストウッドと同じ年でもう84歳になる。近年の「アウトロー」と比較すると、セリフは多いし、見ようによっては実質主役と言ってもいい役柄だ。ここまでロバートがやるとは思っていなかった。さすがとしか言いようにない名演だ。映画の中で42年判事をやっていたという設定だった。そういえば「ゴッドファーザー」からちょうど42年たつなあと思い感慨にふけっていた。もしかしたら最後かもしれないが、今までお世話になっただけに贔屓してしまう。

2.脇役の活躍
ダウニー演じる主人公の元恋人役ヴェラ・ファーミガはいつもながらいい味を出している
ハイスクールの元同級生で、ダウニーの進学とともに別れ別れになってしまうが、今はレストランバーを経営している。娘がいるが、主人公がバーで意気投合してしまってべったりしてしまう。ダウニーはその子が娘とわかってビックリだ。


「マイレージマイライフ」「エスター」の好演が印象に残るが、ウクライナ系の美女で中年でまだ恋ができる役柄はピッタリだ。

ビリー・ボブ・ソーントンコーエン兄弟の「バーバー」ハルベリーがアカデミー主演女優賞をとった「チョコレート」の好演が目立った。なんせ、アンジェリーナジョリーの元夫だ。「狂っちゃいないぜ」では航空管制官の役だったが、アンジェリーナと共演しているこの映画は自分が大好きな映画だ。この映画で検察官として派手に活躍するわけではない。でも彼でよかったと思える渋い配役だ。


謎解きについては、最後まで結末がわかりづらくなっている。うまい。
ただ、それとは別として親子のもつ交情のようなものが美しく描かれている。

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