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映画とライフデザイン

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韓国映画「レッドファミリー」 製作脚本キムギドク

2014-10-19 10:35:39 | 映画(韓国映画 2019年以前)
韓国映画「レッドファミリー」を映画館で見てきました。
これは面白い!



キムギドク製作脚本なのに、気付かなかった。まずは外れのない監督だから見に行くしかない。
彼の作品となると、同じ韓国映画でも観客が多い。座席の空きがないくらいの状態だ。

キムもリュックベッソンのようになったのか、脚本製作に徹して、メガホンは他の監督に任せる。今回は新人だ。南北問題を題材にした映画は数多いけれど、高度なスパイものよりも楽しめる。

仲がよくて、うらやましいと隣人に言われる理想の韓国の一家があった。祖父(ソン・ビョンホ)、夫(チョン・ウ)、妻(キム・ユミ)、娘(パク・ソヨン)の4人家族だ。

 
彼らは北朝鮮のスパイ「ツツジ班」であった。昼間は家族でドライブしたが、軍事地域を撮影する任務だった。家に入りドアを閉めると妻は豹変する。形相を変え祖父の足を蹴りあげる。妻役のベク班長(キム・ユミ)は、祖父役のミョンシク(ソン・ビョンホ)と夫役のジェホン(チョン・ウ)の些細な失敗を叱責する。娘役のミンジ(パク・ソヨン)も一緒だった。

隣家に同じような家族が住んでいた。家ではいつも怒鳴りあっていた。班長は「まさに資本主義の限界だ」と毒づく。「我ら朝鮮は決して堕落してはならない」という班長は訓示する。嘆いてばかりの祖母、自己中心的な夫、料理一つ出来ない浪費家の妻、そんな両親に敬意の欠片もない息子のチャンス─隣の韓国人一家は、どうしようもないダメ家族だった。

ツツジ班には、当局から脱北者の暗殺指令が下り、それを履行するのが任務だ。
その功労にたいして勲章も与えられた。彼らの任務はすべて監視されている。失敗すれば、母国に置いて来た家族の命が危ない。4人は何よりもそれを恐れていた。


そんな時、隣家から、祖母の誕生パーティに招かれ、渋々応じる4人。なぜか班長がグイグイとワインを飲み、酔っぱらってしまう。帰宅した班長は自分も今日が誕生日だと打ち明け、「あんなに言い争う家族が、妙にうらやましい」と漏らす。夫亡き後、ただ一人の家族である娘が、堪らなく恋しくなったのだ。


翌週、ミンジの誕生日だと聞いた隣の家族が、今度はワインとケーキを手に押し掛けて来る。学校でイジメられているチャンスをミンジが助け、二人は互いに好意を抱いていた。ニュースを見ながら北を批判する隣の家族に、ついムキになって反論する4人。最後にミンジは「南北両国が心を開いて話し合うべきだ」と主張、一家を盗聴する党の人間にマークされてしまう。

そんな中、ジェホンの妻が脱北に失敗したと聞いた班長は、大手柄を立てて彼女を釈放させようと考え、“転向した反逆者”である北朝鮮の元将校を独断で暗殺する。ところが、彼は北に機密を送る、重要な二重スパイだったが。。。。


北朝鮮のスパイ
彼らの立場のつらさが鮮明に出ている。もともと当局の指示に対して、忠実に暗殺業務を請負っていたのに、手柄を立てようと命令にない脱北者を暗殺してしまう。実は二重スパイだったのだ。彼らは消されるしかない。でも隣の家族を全員殺すなら命だけは助けてやるといわれる。蓮池さんが帰国した時、監視の朝鮮人たちがいた。結局あまりに公衆の面前だったので、監視が蓮池さんたちに危害を与えるなんてことなかったけど、公でなければ監視によって始末されるしかない。


普通は追手を次から次へと殺して脱北するなんて場面も予想されるけど、彼らには祖国にいる家族という「人質」がいるのである。自分が逆らったら家族が処刑を受ける。こうなると、展開が予想できなくなる。キムギドクはどういう風にラストに持っていくのかが気になった。最後に向けて、こうするしかないという結末かと思いしや、1つだけ光を与えた。救いがあった。

キム・ユミもパク・ソヨンもなかなかの美形だ。北朝鮮のスパイというと、美人が演じるのが定番になっている。芯の強い役柄で、そのきりっとした美形がはえる。2人とも今後の作品を追いかけたい。

特にパク・ソヨンに注目した。

隣の長男は同じ年代だ。彼は同級生からカツアゲをされたり、イジメにあっている。そのいじめの場面にさっそうと現れて、いじめっ子をボコボコにする。痛快だ。隣の奥さんは高利貸しの取り立てで責められている。家に乱入して、取り立てしようとしている。その仕打ちに対しても、持ち前の格闘術でやっつける。こういった痛快な場面をつくるのがキムギドクらしくないともいえる。

そういえば4人スパイの親玉が、裏町の小さな工場にいる。この場所「嘆きのピエタ」に舞台になった場所みたい。ここでの話もなかなか面白かった。

観客の多さにはちょっとビックリだ。最後に向けて、ハンカチを目にあてている女性も目立った。
観客の中には在日の人たちも割といるだろう。特に北朝鮮の人たちはどういう気持ちで見ているのかが気になった。

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