映画とライフデザイン

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映画「お買いもの中毒な私」 アイラ・フィッシャー

2012-11-23 04:31:06 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
映画「お買いもの中毒な私」は2009年製作のラブコメディだ。

カード破綻にはまりつつあるアメリカ女性の物語、都合のいい脚本だけど気楽に見れる楽しい映画だ。
現代アメリカの世相を裏側から鮮明に表わしているようで凄い!
この映画は単なるラブコメディとして見ない方が良いと思う。

舞台はニューヨーク
主人公のレベッカ(アイラ・フィッシャー)はガーデニング雑誌の編集者だ。買い物が大好きで気にいったものがあるとすぐカードで買ってしまう。気がつくとカードの請求書の山だ。支払い催促の電話にいつも悩まされている。

そんな彼女は一流ファッション誌の記者になることを夢見ており、記者の求人を見て応募する。ところが、面接当日受付に向かうと、もう補充できたと聞く。でも同じ出版社の経済雑誌には求人があるらしい。早速面接に向かう。編集長との面接はよくわからない経済の話でしどろもどろだ。あきらめていたところ、編集長は他の応募者と違う独特の個性を見いだし彼女は編集者として採用される。
編集長は早速に原稿を依頼する。でも彼女には経済の知識はなく、出てきた原稿は入門書とグーグル検索の話がネタだ。当然編集長からはありふれた話だと却下、どうしようかと彼女は借金に悩む自分自身の心情を原稿にする。それが編集長にうける!しかも、編集長が彼女を社長クラスがいるハイソなパーティにつれていくと、自由奔放な発言が受けるという意外な展開で彼女はもてはやされるようになるのであるが。。。

主人公はいい加減だ。借金の取り立てに追いやられ、ついたウソもつじつまが合わない。それでも、妙な運に恵まれてしまう。でもずっとうまくはいかない。そんな話だ。
ギャンブル依存症、アルコール依存症と並んで買い物依存症はよくある話だ。どれもカード依存症につながる。借金取りから逃げ回る主人公だ。そんな彼女に対して映画製作側はやさしく見守る。

この映画は現代アメリカの世相をよく表わしているかもしれない。リーマンショックの後、クレジットリボや住宅ローンにはまっていた人たちが多数破綻した。今でも復活できない人が多いかもしれない。どんなふうに買い物地獄にはまって行くのかがずいぶんと語られる。そして未回収金取り立ての男までが巻き込まれ笑えるコメディになる。女性にはもっと守銭奴な正反対の女性も多い。どちらかというと、この主人公は躁鬱病の躁の方だろう。うつは語られるが、躁病が言われることは少ない。すべてを自分の都合のいいように解釈する人だ。ある意味ギャンブル狂いに多い。カジノで破たんした大●製紙社長も躁病だろう。

主人公がカード依存症から脱却するために、同じ仲間たちとの懇談会に参加する。「これは必要か?」と買い物の前に自問自答の癖付けしているのに、目の前にバーゲンセールのチラシがすっとんできてバーゲンセールに行くときのシーンがおもしろい。

バーゲンセール会場でブランド品のブーツを見て、主人公は欲しいと思う。しかし、「これは必要か?」という自問自答にいったんはそのブーツを取り上げた元の場所に戻す。そのブーツを手に取る他の女の子がいて、主人公は興奮する。「これは私が最初にピックアップしたのよ!」女の子は言う。「だって今置いたじゃない。だから私のよ!」それに対して興奮する主人公!
結局それは主人公が手に入れる。カード残高が膨らみ後悔する主人公だ。
これは女の子の意地の悪さと、失うものへの執着心のようなものを感じた。

そんなシーンがいくつかある。ちょっとしたことで自分の思ったことの反対にはまる女性心理を教えてくれる意味でこの映画は意義がある気がする。
嫌味もある部分もあるが最高に面白い。

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