まさにオタク映画である。アメリカンコミックに「アメリカン・スプレンダー」というのがあるらしい。それ自体が書き手の日常を描いたもので、主人公を「サイドウェイ」のポールジアマッティが演じる。他の作品と比較すると彼の表情が硬い。引きつっている。しかも、出てくる人間が強烈なオタクばかりで驚かさられる。終盤にかけて奥底にある家族愛が映画にあふれ出て良い味を出している。
クリーヴランドの病院で資料の整理係をしている主人公ハーヴィー・ピーカー(ポール・ジアマッティ)は妻に2度愛想をつかされたさえない男である。ジャズとコミックを愛する彼は自己中心に生きてきた。まわりもオタクだらけである。あるとき、身の回りに起こった出来事をコミックにしてみようと考え、作画家と組んで発刊する。日常性にあふれた内容に人気が出る。そんな時、コミック書店の女店員ホープ・デイヴィスが「アメリカン・スプレンダー」の在庫を別の店員が売ってしまって手元にないのを残念がり、作家本人に在庫はないかと手紙を書き始めたときから文通が始まるが。。。。。
コミックの絵が実写にからみつき、ジアマッティがいかにも変人の相を見せるので、特に序盤は不思議な映画だと思っていた。15歳のころからレコードの収集をはじめて、ガレージセールに中古レコードを買いに行く姿が実にオタクというかひどい自閉症にかかった男といった感じだ。コミックの書店で働く女性が現われて、少し雰囲気が奇妙なラブストーリーの匂いもさせてくる。
ポールジアマッティというのもうまい俳優だ。「サイドウェイ」で演じた男も、ワインにやけに詳しいけれど、妻に逃げられたダメ男だった。でも国語の教師の設定で、常識人ではあったと思う。今回はダメ男だけれども、常識人でなく強烈なオタクの変人だ。でもうまい。「シンデレラ・マン」ではラッセルクロウのコーチ役を演じて、熱く叫び続けた。今回はその正反対の性質だ。主人公本人も出演するので、難しかったとは思う。そういう中、役を楽しんでいた気がする。
ホープデイヴィスは個人的に好みのタイプだ。「アバウト・シュミット」でのジャックニコルソンの娘役や「プルーフ・オブ・ライフ」のグゥイネス・パルトロウの姉役はいずれも普通の女性である。「プルーフ・オブ・ライフ」ではヒラリー・クリントンばりのインテリ女性を演じてファンになった。ここでは顔から完全にマンガそのものである。笑うしかない。
最初に主人公である本人が我々に語る。「この映画を観ても元気にはなりませんよ」とね。でも浮世離れをした生活で、自分の好きなように毎日生きていく彼の姿は逆にこういう生き方をする方が幸せなのかなと思わせる。
クリーヴランドの病院で資料の整理係をしている主人公ハーヴィー・ピーカー(ポール・ジアマッティ)は妻に2度愛想をつかされたさえない男である。ジャズとコミックを愛する彼は自己中心に生きてきた。まわりもオタクだらけである。あるとき、身の回りに起こった出来事をコミックにしてみようと考え、作画家と組んで発刊する。日常性にあふれた内容に人気が出る。そんな時、コミック書店の女店員ホープ・デイヴィスが「アメリカン・スプレンダー」の在庫を別の店員が売ってしまって手元にないのを残念がり、作家本人に在庫はないかと手紙を書き始めたときから文通が始まるが。。。。。
コミックの絵が実写にからみつき、ジアマッティがいかにも変人の相を見せるので、特に序盤は不思議な映画だと思っていた。15歳のころからレコードの収集をはじめて、ガレージセールに中古レコードを買いに行く姿が実にオタクというかひどい自閉症にかかった男といった感じだ。コミックの書店で働く女性が現われて、少し雰囲気が奇妙なラブストーリーの匂いもさせてくる。
ポールジアマッティというのもうまい俳優だ。「サイドウェイ」で演じた男も、ワインにやけに詳しいけれど、妻に逃げられたダメ男だった。でも国語の教師の設定で、常識人ではあったと思う。今回はダメ男だけれども、常識人でなく強烈なオタクの変人だ。でもうまい。「シンデレラ・マン」ではラッセルクロウのコーチ役を演じて、熱く叫び続けた。今回はその正反対の性質だ。主人公本人も出演するので、難しかったとは思う。そういう中、役を楽しんでいた気がする。
ホープデイヴィスは個人的に好みのタイプだ。「アバウト・シュミット」でのジャックニコルソンの娘役や「プルーフ・オブ・ライフ」のグゥイネス・パルトロウの姉役はいずれも普通の女性である。「プルーフ・オブ・ライフ」ではヒラリー・クリントンばりのインテリ女性を演じてファンになった。ここでは顔から完全にマンガそのものである。笑うしかない。
最初に主人公である本人が我々に語る。「この映画を観ても元気にはなりませんよ」とね。でも浮世離れをした生活で、自分の好きなように毎日生きていく彼の姿は逆にこういう生き方をする方が幸せなのかなと思わせる。