映画とライフデザイン

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トロピック・サンダー ベン・スティラー

2010-01-21 05:43:12 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)
最後に某超有名大スターがその表情をはっきり見せ妙なダンスを踊る。アレ!もしかして彼?という時にクレジットが彼の名を告げる。一瞬だけカメオ出演というわけではない。最後に驚かせる。でもこれは見てのお楽しみにしたほうが良いだろう。紅白に矢沢が出てきたみたいだ。彼にしてはめずらしい怪演だ。

戦争映画をとるつもりでいたら、そこでは本当の戦争がおこなわれていたというコメディである。でも戦争の描写はかなり本気である。金もかかっていてかなりリアルだ。当代きっての主役級コメディ3大スターが中心になって盛り上げる。監督であるベン・スティラーはコメディアンぽくて一番いい。

人気が落ち目のアクションスターであるベン・スティラーと麻薬かぶれのコメディアンを演じるジャック・ブラック、演技派俳優を演じるロバート・ダウニーjrの3人が中心になって戦争映画をとっている。ベトナム戦争の逸話が題材になっている。ところが足並みあわずに、撮影が開始してまもなくカメラを回さずに爆破シーンを撮るという失敗をしてしまい、製作者側から強烈な叱責を受ける。そのとき製作側が、現在も緊迫したカンボジア、ミャンマーとの国境エリアで彼らを取り残してリアルな画像を撮ることを思いつく。ヘリコプターで離れた場所に向かい、携帯受信不能にして一切の情報が取れない状況で撮影が始まる。ところが、そこではまだ東南アジア系現地人のゲリラ部隊がいた。麻薬の製造もおこなっているようだ。彼らはアメリカ軍の麻薬取り締まり部隊とみなして攻撃を始めるが。。。。

日本の喜劇映画の全盛時にこういった雰囲気の映画があった気もする。相手が本気なのに植木等あたりが「およびでない」とばかりに相手をちゃかすベン・スティラーの役を演じるようなパターンは見たことがある。でもそれだけに治まらないのが、この映画のすさまじさだ。お笑いなんだけど、お笑いだけにしていない。3大スターの登場であるけれど、ジャックブラックはいつもほどの猛突進を見せてはいない。彼がもう少し飛ばしていると楽しかったのにと思う。監督に遠慮しているみたいだ。ただかなり卑猥な言葉が連発している印象

この映画では映画史を思いっきり語る登場人物が出てくる。レインマンのダスティホフマンやフォレストガンプのトムハンクスらのオスカー受賞者の役柄とこの映画の主人公役の役柄を比較してオスカーを取れるかどうかの話をしたり、戦争映画や脱走映画の演技の様子などが語られる。コメディアンは比較的最近オスカーとはあまり縁がない印象。彼ら3人も同様に縁がなく、皮肉っている気がする。それだけでなく、軍部、映画制作者などあらゆる人たちへの皮肉が感じられる。

それにかかってくる音楽の選曲がなかなかユニークだ。早びきギターで鳴らしたアルヴィンリーがいるテン・イヤーズ・アフターの「チャンジ・ザ・ワールド」やローリングストーンズの「悪魔を哀れむ歌」とか妙にジャングルの画像にしっくり合ってしまうのが意外だ。これ自体はまさにベトナム戦争末期の曲だ。

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