映画とライフデザイン

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映画「C.R.A.Z.Y.」ジャン=マルク・ヴァレ

2022-08-03 17:30:22 | 映画(洋画:2000年以降主演男性)
映画「C.R.A.Z.Y.」を映画館で観てきました。

映画「C.R.A.Z.Y.」はダラスバイヤーズクラブジャン=マルク・ヴァレ監督の2005年の出世作で、当時日本未公開であった。昨年末ジャン=マルク・ヴァレ監督が亡くなったのがきっかけだったのか?こうして劇場で公開となる。実は自分がジャン=マルク・ヴァレ監督には不義理をしていて、作品3作の感想をブログアップしているが、ヴァレ監督の名前には触れていない。彼の出世作だけど主人公は1960年生まれで自分と同世代ではないか。観てみると60年代70年代のいい雰囲気を感じられてよかった。

1960年生まれのザックは軍人の父親をもつ保守的な家庭で3人の兄貴とともに暮らしている。長兄は本好きの秀才で、三男はスポーツ好きの一方で、次男はちょっとグレた問題児。クリスマス生まれのザックは特別な才能があると言われて育つが、周囲からは男色の気があるとからかわれて、ちょっと変わった目で見られて育っていくという話だ。

居心地よく最後まで観られる気分のいい作品だ。
カナダでも、フランス語圏だ。登場人物のいずれも自分には親しみを覚える。パーティになると、シャルルアズナブールの曲をしゃしゃり出て歌いみんなの失笑を呼ぶ父親、いつもやさしい母親、いつも2人はダブルベッドで仲良く寝る。仲もいいから子沢山だ。息子のザックが主役だけど、両親2人がストーリーを引っ張る。

ザックが歩んできた道を追っていくのに、時代を象徴する音楽が選曲よくバックで流れる。なんと著作権に60万ドルも支払ったという。ローリングストーンズの「悪魔を憐れむ歌」が特に高価のようだ。自分としては、ピンクフロイドの「狂気」のスキャットの歌が流れると心ときめく。FMでまだ日本で発売されていない新譜を紹介する番組で中学時代初めて聴いた。その時に自分が感じた衝撃が心によみがえる。


デヴィッドボウイの「スペースオデッセイ」も訳詞と一緒にみるのもいいもんだ。のちにザックはディスコのDJをやる。ダンスフロアで同じステップダンスでみんなが踊るシーンがある。日本のディスコでは70年代半ばまで見られた光景だ。でも気がつくと、父親がダンスフロアで十八番のシャルルアズナブールの曲を歌い出す。思わず声を出して吹き出してしまった。


真ん中の兄貴がヤンチャで何かとトラブルを起こすが、アッと驚くような出来事は起きない。安心して見ていられる中、快適な2時間を過ごす。

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