映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「女経」 若尾文子、山本富士子、京マチ子

2014-01-27 22:08:14 | 映画(日本 昭和35年~49年)
映画「女経」は1960年公開の大映映画だ。
若尾文子、山本富士子、京マチ子の最強美人女優にそれぞれ悪女を演じさせるオムニバス映画。
大映は夜のムードを出すのが得意である。コントラストの強い照明計画で3人の悪事を暴きだすように映し出す。これがなかなかいい。
1960年代入りたての風景がカラーでばっちり映る。猥雑な感じがただよう「三丁目の夕日」と同時期の東京の街並みだ。あの映画は時代考証に難ありだけど、その正解はこの映画にあるといった感じだ。

「耳を噛みたがる女」若尾文子
主人公紀美(若尾文子)は隅田川の水上生活者の娘だ。キャバレー勤めで男を巧みにだましては金をまきあげている。その金で兜町に向かい株を買っているしっかり者だ。
紀美はどの男の誘いも交わしていたが、会社社長のドラ息子正巳(川口浩)だけは別扱いだった。2人はデートした後で店で一緒にのみ、そのままホテルの一室へ。
翌朝、紀美が寝ているうちに正巳はぬけ出す。正巳は紀美が商売ぬきで自分を愛していたのかと感じる。この日、正巳は父の命令で好きでもない娘と結婚式を挙げることになっていた。昨夜は、自由恋愛最後の夜だった。やはり自分を本当に愛している女と付き合う方がいいのでは?と正巳は紀美を探しに出たが。。。。

この当時の若尾文子が演じる役はどれもこれもあばずれ女なんだよなあ。
九段の富士見町あたりの芸者役として出てくる「女は二度生まれる」もそうだけど、やらせそうでやらさないで徹底的に男をだましきる。ホテルまで男が連れ込んでも、巧みにウソを言って逃げ切る。男のかわし方はまさに天才、しかも儲けた金は全部株へ。こんな女この当時多かったから、いつも同じような役やるのかなあ??

「物を高く売りつける女」山本富士子
「流行作家三原靖氏失踪か!」と新聞が報じている。三原(船越英二)は海岸の崖っぷちで1人たたずんでいた。その彼の眼前を謎の美女(山本富士子)が横切りドッキリする。
翌日には、三原は砂浜で彼女が泣いている姿に出くわす。女は死んだ主人の手紙を火で焼いているところだった。翌日、門構えのしっかりした一軒家の前を通ると、彼女が立っていた。三原氏は家の中に招かれ事情を聞いた。か細い声の彼女は夫を亡くした美しい未亡人で名は爪子という。そして、風呂をすすめられる。湯舟につかる三原氏の前に白い裸身の爪子が入ってきた。私に背中を流させて下さいと入ってくる。三原氏は思わず興奮してしまう。そして、爪子はこの家は売りに出してあると三原に話す。売値六百万でもうすぐ売られてしまうという。三原は自分がこの家を買うと告げる。
三原は百万円持って爪子の家を訪ね売買契約書は成立する。ところが、翌日三原氏が爪子の家を訪ねると門に置手紙があった。そこには重要な用事で不在になる。売買契約の事務は東京霞町の不動産屋がやると書いてあったが。。。

山本富士子がいい着物を着て、細い声をだしながらおしとやかな雰囲気を出す。
こういう鎌倉美人は実際にいそうだ。おしとやかなフリしてしっかりだます。途中で声のトーンがガラッと変わる。これも悪女だ。でもだまされる船越英二もだまされたふりしながらしっかりしている。このオチはうまい。
山本富士子がお風呂に入る場面は肝心なところを何も見せないのにドキドキしてしまった。

「恋を忘れていた女」京マチ子
お三津(京マチ子)は京都で宿屋を営む。昔は先斗町の売れっ妓だったが、主人に先立たれた後で、木屋町にバー、先斗町でお茶屋を経営している。
死んだ主人の妹弓子が恋人吉須(川崎敬三)と結婚するため金を借りにきた。財産を狙ってきたものと思い、お三津はいい返事をしない。すると、妹からお三津は芸者上がりで打算的で金の亡者でと文句を言われる。お三津は呆然とする。そこへ、お三津の昔の彼氏である兼光(根上淳)から電話がくる。お三津の店チャイカで待っていると言われるが、はっきり返事をしない。
宿屋では、亡き夫の父親五助(中村雁治郎)が部屋で待っていて一緒に今夜寝ようと迫ってくる。お三津はそこを逃れて五助を交わしつつ自分の酒場チャイカへ向う。奥の部屋で兼光は彼女を待っていた。お三津は彼に甘えるように寄り添う。しかし、頼みごとがあるという兼光に手形の割引を切出され一気にさめた。そのとき、兼光を捕まえに刑事が店に入ってきた。兼光は逃げようと必死に抵抗するが。。。

舞台は京都。
金の亡者になった女だ。「いつでもお金の多い方へ転ぶというのは芸者の考え方でしょ。でも私は違うの。私はね、騙されてもいいの」と言われて、腹を立てると同時に恋を忘れていたことに気づく。そんな時昔の男から連絡が来るのだ。途中で京マチ子の動きが変わる。この三話では一番まともな話だ。ちょうどこういうタッチのドラマ昭和40年代に京マチ子テレビで演じていたなあ。バーの経営者という役柄はいつもながら絶妙のうまさだ。

(参考作品)

女経
3人の大女優の悪女ぶりを堪能する


夜の蝶
夜の銀座で張り合う京マチ子と山本富士子


女は二度生まれる
九段富士見の芸者を演じる若尾文子のしたたかさ

コメント   この記事についてブログを書く
« 映画「暖簾」 森繁久弥 | トップ | 映画「偽りの人生」 ヴィゴ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

映画(日本 昭和35年~49年)」カテゴリの最新記事