映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

未来は今  コーエン兄弟

2009-05-15 05:32:28 | 映画(洋画 99年以前)
コーエン兄弟の「バーンアフターリーディング」はもう一歩だった。だからといって彼らに対するファン度が低くなるわけではない。
ティムロビンス「ザ・プレイヤー」を取り上げた後なら、「未来は今」をぜひ書きたい。
興行的に失敗作だったようだが、個人的にはコーエン兄弟ベスト3に入る。

1958年の年末、大学を出たけれど、失職しているティムロビンスが、経験不問の求職記事をみて応募した。郵便物管理係として働くことになる。その会社の社長は高層ビルから飛び込み自殺をしたばかりである。会社の規定で、社長が死んだ場合その持ち株は翌1月1日付で一般に放出されることになっている。
社長の片腕だった幹部ポールニューマンは、株式の価格を実態よりも下落させることをたくらむ。
郵便係のティムは社長の書簡を見つける。同僚はその手紙を取り扱うことを恐れる。
そして、ティムは幹部ポールニューマンのところへ届けに行く。やり取りがいくつかあった後、ポールはティムを社長にしようと思いつく。。。。。

自主制作が続いた後、コーエン兄弟の映画に初めてメジャー資本が入った映画だそうだ。
スプラッシュコメディというべき、お笑いに満ちている。高層ビルからの飛び降り自殺などで特撮の要素がずいぶんと入ってくる。ヒッチコックが得意の高所での格闘、スレスレの生き残りもふんだんにある。サスペンスの定石をはずさない。
「スパイダーマン」のサムライミ監督も製作に加わっているだけあって、空間設計の臨場感と空想性がある。ちなみに彼も出演している。

序盤からかなり飛ばしていく展開は、「赤ちゃん泥棒」などと一緒。イントロダクションのスピードは急ピッチだ。また、新聞記者から彼の秘書にもぐりこむ女性の早口言葉は、コーエン兄弟らしい演出。エレベーターボーイや郵便係の同僚たちの言葉の遊びも多い。
それにしても、世間を興奮させたフラフープやフリスビーを題材にしてしまうところがおもしろい。
こんな発想なかなか出てこない。

ポールニューマンは重要な役柄であるが、脇に回っている。いわば悪徳代官みたいな役
ティムロビンスが漫才のボケ役みたいで本当におもしろい。

ちなみに私のコーエン兄弟ベスト3は「オーブラザー!」「赤ちゃん泥棒」とこの作品だ。


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