映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「アウトロー」 トムクルーズ

2013-02-13 20:48:19 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「アウトロー」を劇場で見てきました。

今までのトムクルーズのアクション物と若干違い、サスペンスタッチの色彩が強い映画だ。
昨年の「ミッションインポッシブル」にはトムクルーズのパフォーマンスにアッと驚いた。それを期待していると、少し違うかもしれない。頭脳明晰な鍛え抜かれた元軍人という設定だ。
この映画見ようか、dvdスルーか少し迷っていた。つい先日「フェノミナン」見たばかりで、ロバートデュヴァルが80すぎた高齢にもかかわらず出演ということで引き寄せられるように映画館に寄ってしまった。
賛否両論でむしろ評価は今一の印象だけど、自分は悪くないと思うんだけどなあ



歴史あるピッツバーグの街が映し出される。ビルには一人のスナイパーがいる。
川の反対側でたたずむ人たちに狙いを定めている。
無作為に6発の銃弾が発射され、5人が殺害される事件がおこる。警察の捜査が進み容疑者として元軍人のスナイパー、ジェームズ・バー(ジョセフ・シコラ)が逮捕された。警部がここにサインしないと死刑になるぞと容疑者を脅しながら書面にサインを求める。だがバーは殺人容疑を否認し、書面に書いたのは「ジャック・リーチャー(トム・クルーズ)を呼べ」という連絡の要求であった。

検事(リチャードジェンキンス)と警部がリーチャーを調べる。現状住所不定、運転免許、携帯電話、クレジットカードその他の記録もない。逮捕歴も皆無だ。元米軍の秘密捜査官でイラク戦でも活躍したが、今は街から街へと放浪を続ける一匹狼なのだ。ところがバーは刑務所への護送中、他の囚人たちに襲われ意識不明の状態となってしまう。彼を探すにはどうしたらよいかと2人が思案しているところに突然警察にジャック・リーチャーが現れる。何かがおかしいと感じたリーチャーは、この事件の裏にある隠された真相を暴こうとする。バーの弁護人(ロザムンド・パイク)も一緒に行動を始める。リーチャーは弁護人に被害者の素性をまず調査するように依頼するが。。。

このあとリーチャーを罠にはめようとする動きが頻繁にでてくる。バーに飲みに行けば、あばずれ女にからまれる。その取り巻きの街のチンピラと格闘して留置所にぶち込まれたり、罠にはめた女のところに行って、依頼主を聞き出していくとハマったように襲撃を受けたりさまざまな障害が立ちふさがる。


(主人公と女弁護士で謎解き)
主人公は頭脳明晰だ。女弁護士にも真相をつかむためのヒントを与える。トムは先を読む。何をどう調べればいいのかを弁護士に教える。的を得た指示だ。この映画における主人公はある意味私設探偵のようなものだ。特殊な訓練を受けた元軍人らしく不死身の強さを発揮するが、完ぺきではない。後ろから暴漢に殴られたり、カーチェイスでも完ぺきな動きではない。そこは狙ったところなんだろう。探偵と考えればいいのだ。人間離れしすぎると現実から乖離してしまうかもしれない。ミステリーの基本は、主人公を窮地に追い込むこと、途中でいくつもの謎をつくることだが、その定石には外れていない気がした。トムクルーズと組む女弁護士ロザムンド・パイクはなかなか素敵な女性だ。



(ダレる中盤にカーチェイス)
映画は中盤がだれる。そこで激しいカーチェイスが始まる。古めの車を懸命に走らせる。追うのは警察だ。主人公を絶体絶命に追い込む部分である。お尻を振りながら、走りきる姿は他の凄いアクション映画に比べたら見劣りするかもしれないけど悪くない。カーチェイスの終え方がなんか笑える。



そして最後に向けてロバートデュヴァルの登場だ。
ニコールキッドマンとの縁結び映画「デイズオブサンダー」でもロバートデュヴァルと組んだ。コーチ役というのは彼のはまり役である。ロバートレッドフォードの野球映画「ナチュラル」でもいい味を出していた。年をとったなあと感じるが、犯人探しのポイントになるこの役いい感じだ。最初は敵になるか味方になるかわからないような存在だったのでどうなると思ったけど。。。

主人公は自分の名前を名乗る時、歴代のヤンキースの二塁手の名前を出していた。それが御愛嬌、いろんな名前を出していたが、劇中見抜いたのはロバートデュバルだけだった。
名探偵に見立てたようなトムのミステリー仕立てはなかなかいい感じだ。
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映画「フライド・グリーン・トマト」 キャシーベイツ&ジェシカタンディ

2013-02-13 14:38:40 | 映画(洋画 99年以前)
映画「フライド・グリーン・トマト」は1992年の作品

89年にジェシカ・タンディが「ドライビング・ミス・デイジー」で、90年にキャシー・ベイツ「ミザリー」でオスカー主演女優賞をそれぞれ受賞している。その直後の共演作品だ。いい映画だと聞いていたが、長い間見れていなかった。当時のキネマ旬報ベスト10にも入っている。大先輩の双葉十三郎氏がその年のベスト1に選出していた作品。DVD化されていなかったが、ツタヤの復刻版に入ってきた。

エヴリン(キャシー・ベイツ)は夫のエド(ゲイラード・サーティン)と2人暮らしだ。中年夫婦の仲は倦怠期にはいって、エヴリンは夫婦仲を取り戻そうと自己啓発セミナーに通ったりしていたが効果がない。チョコレートの食べすぎで太り気味だ。
ある日エヴリンは夫と叔母さんの様子を見に老人ホームをおとづれる。ボケ気味の叔母の面倒を夫が見る間に、ホームの住人ニニー・スレッドグッド(ジェシカ・タンディ)に話しかけられる。そこで彼女の昔話が始まるが非常に面白い。それをきっかけにエヴリンはニニーの話を聞きに頻繁にホームを訪れるようになる。

その物語は今から50年も前のアラバマ州。
第一次世界大戦が終わるくらいの頃だ。イジー・スレッドグッド(メアリー・スチュアート・マスターソン)は、やんちゃ大好きなボーイッシュな少女だ。兄が結婚するのにも、教会で神父に悪ふざけたりする。家族の言うことも聞かない。そんな彼女はすぐ上の兄バディを慕っていた。ハンサムなバディは妹のことをかわいがっていた。
兄には恋人がいた。ところが3人で遊んでいるときに、線路に飛んでいった帽子を兄がピックアップしようとしたとき前から蒸気機関車が走ってくる。兄はその時線路のレールに足を挟まれてしまった。機関車に惹かれてしまう。イジーは兄の事故死によって大きな衝撃を受けた。。そのイジーに近づき心を開いてくれたのはバディの恋人だったルース(メアリー・ルイーズ・パーカー)だった。2人は親友になった。
時がすぎルースは結婚する。いったん、2人の付き合いは中断した。

3年たった時イジーはルースの家を訪れた。顔にあざがあるではないか。事情を聞き、ようやく教えてくれたが夫の暴力のようだった。イジーは家人を連れてきて、身重のルースをむりやり連れ帰る。
2人は大衆食堂ホイッスル・ストップ・カフェを開店した。イジーとルースの人柄で、店は繁盛する。
そこへフランクが「子供に会わせろ」と押しかけてくる。だが村祭りの夜、フランクは車ごと姿を消し、イジーと黒人の使用人が殺人犯として裁判にかけられるが。。。

キャシーベイツ含めて4人がジャケットに映っている。全く違う時代の話が平行して語られるとは思っていなかった。アメリカの南部を映しだす映像は美しく、ユーモアを含んでいながら、適度な緊張感もあり緩急自在によくできている映画だと思う。90年代のアメリカ映画らしい独特の余韻を持つ映画だ。テイストは自分に合う。

アラバマというと、グレゴリーペックがオスカー主演男優賞を受賞した「アラバマ物語」だ。人種差別によるある黒人の冤罪が語られている。この映画も黒人の使用人が重要な役割を果たす。だからといって、人種差別に主眼が置かれているわけではない。
いくつかのシーンを通じて当時の南部の実情を少しづつ入り混ぜる。

映画の中盤で一つの謎が投げかけられる。軽いミステリーの色彩をつくる。
子供に会わせろとルースの元夫がくるのだが、彼が姿を消す。そこで主人公と黒人使用人が犯人扱いにされるのだ。ある意味「アラバマ物語」と似ている部分である。セリフを聞いていると、黒人に対する扱いのひどさに驚いてしまう。

3つほど印象に残るシーンがあった。
イジーがハチの巣から蜜の固まりを取り出すシーン。今だったら画像の加工でつくってしまうかもしれない。ハチがブンブンとイジーのまわりに飛んでくる。怖い!でも全然怖がらずに演じる。これは凄い。

イジーとルースが開店したばかりのお店でケンカをするシーン。最初水のかけあいだったのが、次から次へと食べ物をぶっつけあう。まわりもあきれ顔、何か楽しい。ケンカするほど仲がいいというわけか。
キャシーベイツがスーパーで駐車しようとする際に、車庫入れしようとしたら若い女性2人が運転する車がさっと入ってしまう。笑って立ち去る女2人。むかつくキャシー、なんと自分の車を彼女たちの車に次から次へとぶつける。あわてる2人、キャシーは「保険が支払うからいいでしょ」なんかおかしい。
こんなシーンがストーリーのところどころにちりばめられている。そういうユーモアとシリアスな部分の噛みあいが絶妙だ。

(参考作品)
フライド・グリーン・トマト
女の友情



ドライビングMissデイジー
ジェシカダンディのオスカー作品、運転手との友情


ミザリー
キャリーベイツのオスカー作品:恐怖のストーカー
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