映画「ローマ法王の休日」は昨年公開の作品
「息子の部屋」のナンニ・モレッティ監督が描くハートフルドラマだ。
前ローマ法王が亡くなり、次の法王を投票で選ぶことになった。選出されたのは予想外の人物だった。いざ民衆にバチカンで発表しようとしたら、新法王は失踪してしまう。その顛末を描く。
最近ニュースで現在のローマ教皇が高齢で勇退したい旨の話が伝えられた。亡くなって交代でなく、勇退というのは600年ぶりだそうだ。その昔世界史で「教皇のバビロン捕囚~教会大分裂」は習った。フランスのフィリップ4世が仕掛けて、教皇ボニファティウス8世は失意のまま亡くなった話はあまりに有名だ。アヴィニヨンにもう一つの教皇がいるようになった。教皇に皇帝が謝りに行ったという「カノッサの屈辱」のように教皇の権力が絶大というわけではなかったのだ。その時代、決着をつけたコンスタンツ公会議を前にグレゴリウス12世が退位させられた。それ以来だ。まさにそんな話がある時期に昨年公開の映画を見た。
前のローマ法王が亡くなった。新しい法王を選出するために各国からヴァチカンへ枢機卿たちが招集される。システィーナ礼拝堂で投票が行われるが、枢機卿たちは心の内では重責を担う法王に選ばれたくないと一様に思っていた。下馬評で誰がということでマスコミも騒いでいた。投票の結果、メルヴィル(ミシェル・ピッコリ)が選出される。まったく予想外であった。まわりに祝福されるが心が晴れない。
すでに聖ペドロ広場には新しい法王の就任を祝いにきた人々で溢れかえっていた。バルコニーから就任の演説が控えていたが、メルヴィルは重圧から拒否する。
そして車で移動する際、目を離したすきに新法王が側近から逃げ出してしまうのだ。事務局はそのことが公にならないよう画策した。懸命に街中を捜索する。一方ローマの街に逃げ込んだメルヴィルは、ローマの人々と触れ合う中今後のことを考えるという話だ。
誰でも重責を担うときは、ぶるってしまうものだ。ローマ教皇の場合は世界中で12億人ものカトリック信者のトップである。その重圧はつらいものであろう。現教皇ベネディクトゥス16世が退位したいという気持ちもわかる。
この映画では選出されたメルヴィルはビビって逃げだした。しかし、周りはそうは言えない。
すぐ出てこれないと側近がうそを言う。しかし、それもずっとというわけにはいかない。困ったものだ。
コメディの一種、短編小説タッチでまあ普通の小品でした。
「息子の部屋」のナンニ・モレッティ監督が描くハートフルドラマだ。
前ローマ法王が亡くなり、次の法王を投票で選ぶことになった。選出されたのは予想外の人物だった。いざ民衆にバチカンで発表しようとしたら、新法王は失踪してしまう。その顛末を描く。
最近ニュースで現在のローマ教皇が高齢で勇退したい旨の話が伝えられた。亡くなって交代でなく、勇退というのは600年ぶりだそうだ。その昔世界史で「教皇のバビロン捕囚~教会大分裂」は習った。フランスのフィリップ4世が仕掛けて、教皇ボニファティウス8世は失意のまま亡くなった話はあまりに有名だ。アヴィニヨンにもう一つの教皇がいるようになった。教皇に皇帝が謝りに行ったという「カノッサの屈辱」のように教皇の権力が絶大というわけではなかったのだ。その時代、決着をつけたコンスタンツ公会議を前にグレゴリウス12世が退位させられた。それ以来だ。まさにそんな話がある時期に昨年公開の映画を見た。
前のローマ法王が亡くなった。新しい法王を選出するために各国からヴァチカンへ枢機卿たちが招集される。システィーナ礼拝堂で投票が行われるが、枢機卿たちは心の内では重責を担う法王に選ばれたくないと一様に思っていた。下馬評で誰がということでマスコミも騒いでいた。投票の結果、メルヴィル(ミシェル・ピッコリ)が選出される。まったく予想外であった。まわりに祝福されるが心が晴れない。
すでに聖ペドロ広場には新しい法王の就任を祝いにきた人々で溢れかえっていた。バルコニーから就任の演説が控えていたが、メルヴィルは重圧から拒否する。
そして車で移動する際、目を離したすきに新法王が側近から逃げ出してしまうのだ。事務局はそのことが公にならないよう画策した。懸命に街中を捜索する。一方ローマの街に逃げ込んだメルヴィルは、ローマの人々と触れ合う中今後のことを考えるという話だ。
誰でも重責を担うときは、ぶるってしまうものだ。ローマ教皇の場合は世界中で12億人ものカトリック信者のトップである。その重圧はつらいものであろう。現教皇ベネディクトゥス16世が退位したいという気持ちもわかる。
この映画では選出されたメルヴィルはビビって逃げだした。しかし、周りはそうは言えない。
すぐ出てこれないと側近がうそを言う。しかし、それもずっとというわけにはいかない。困ったものだ。
コメディの一種、短編小説タッチでまあ普通の小品でした。