映画とライフデザイン

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「火車」 宮部みゆき原作韓国映画

2013-02-17 08:23:35 | 映画(韓国映画)
映画「火車」は宮部みゆきのベストセラーを韓国で映画化した作品だ。

カード破産がテーマになっている原著を読了した時の不思議な感触は忘れない。行方不明の女性はいったんどうなったのか?先がどうなるのかミステリーの醍醐味を味わった。

それが何と韓国で映画化である。ビックリした。ヒットしたらしい。
しかも、宮部みゆき はこの韓国の作品を絶賛している。映画「模倣犯」のときは酷評した彼女がだ。
。。であるならばDVD化早々に見るしかない。


獣医のムンホ(イ・ソンギュン)とソニョン(キム・ミニ)は結婚を1ヵ月後に控え、ムンホの実家に向う途中で高速道路のサービスエリアに立ち寄った。ムンホがコーヒーを買いに行っているあいだに、ソニョンは一通の電話を受けて急に出て行き、帰ってきたムンホを待っていたのはドアが開きエンジンがかかったままの車だけだった。何回かけても切れている携帯電話、雨の降る中でフィアンセが消え主人公は呆然とする。

実はソニョンには両親も友人もいない。帰った彼女の家は急いで片付けた跡があった。携帯電話で話していたのはムンホの友人で、ソニョンは個人破産者でカードの新規申し込みができなかったということがわかる。ムンホは手がかりを掴むために彼女が勤めている会社へ赴き、履歴書を見せてもらう。しかし、履歴書に書かれていた経歴はすべてでたらめだった。そして、破産宣告に関わった弁護士のところへ向かったら免責書類に残っている彼女の筆跡と写真は、他人のものだという事実が明らかになる。

彼女を探すためムンホは、元刑事である従兄弟チョングン(チョ・ソンハ)に助けを乞う。面倒な話と思いながら調べはじめたチョングンは、出ていった自宅から指紋が亡くなっていることに気づく。そこで元刑事として秘密を暴きたい衝動に駆られるチョングンは、ソニョンの消された足跡を追って行くのだが。。。


その後、元刑事は現役の刑事である友人の名刺を借りて、警察が調べているというふりをしながら彼女に関わる所をしらみつぶしに調べていく。ムンホもソニョンの実家があった所などを調べていくのだ。そうしていくうちに少しづついろんなことがわかってくる。別人を装うというのがどうしてそうなったのかがわかって行く。
そんな謎解きは見ていて、面白い。
いかにも韓国映画らしく、ケンカ腰に相手に接するやり方は日本との大きな違いを感じる。
主人公ムンホのパフォーマンスがいかにも韓国人ぽい色彩が強かった。同時にニセ刑事が取り調べをする姿も日本ではありえないんじゃないかな?

この映画がそれなりに韓国で受けたという事実は、カード破綻が向こうでも社会問題の一つになっているからであろう。他人を装うというのは凄い話だ。でもこういうことって韓国の方が日本よりもありうる気がする。それは南北の対立の中、スパイ的な存在がいるような気がする。
以前「哀しき獣」を見た。この映画では中国東北部に住む朝鮮族が黄海を密航してソウルに忍び込む話であった。こんな話が現実にあるとすると、黒社会を通じて、他人を装う話がある気もする。

さまざまな調査が収束してラストに向かう。
ただ、韓国映画らしからぬのはラスト直前で予測ができやすくなってしまうこと。
これだけは少し残念

(参考作品)

火車
宮部みゆき原作を巧みにアレンジ
コメント
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