大抵の試合の場合、勝者の演技のほうが心に残ることが多いです。
しかし男子に限っていえば、この試合で心に残っているのは、3位以下の選手達。
ここ2シーズン不調で、今シーズンのGPSに至っても調子が上がらなかったのに、ここにきて調子を上げて意地を見せてくれた小塚君。フリーでは4回転を成功させて、引退の花道を飾ってくれた織田君。ショートで大きなミスをして順位を下げながら、フリーで4回転を成功させて競技者の意地を見せてくれた無良君に村上君。村上君の4Sは豪快でしたね。残念ながら回転が認められませんでしたが。
そして大ちゃん。ジャンプの練習を始めてから1週間しか経ってないことを考えたら、信じられないほど頑張ってくれました。
大ちゃんを信じたいと思いつつ、正直、あそこまでの演技をしてくれるとは思っていませんでした。4回転は成功しないだろうと思っていたので、3A以下のジャンプをまとめてくれるように願って見ていました。
ショートの3Aはうまく着氷した、と油断した瞬間の転倒。惜しかったですね。
フリーについてはソチの代表に決まった今だから、正直に書かせてください。大ちゃんが出てくる瞬間、モニターに映った彼を見て、一瞬ぞっとしました。沈んだ表情が暗い色の衣装とあいまって、悲壮感漂う姿だったのです。衣装はNHK杯のときのオフホワイトのほうがいいです。
これまでになく表情が気になっているうちに演技が始まって、4回転2本。2本目はルッツにすれば良かったのに、この体調とこの状況で4回転にしてくるところがいかにも彼らしい。あきれるほど一本気な男です。
その後のジャンプはミスもあれど、思っていた以上の出来。想いのこもったステップ。そしてコリオシークエンスで彼のエッジの創り出すラインの美しいこと。
悲壮感漂いながらも、本当に美しい演技でした。
しかし、彼が右手を怪我していたことを、演技直後のモニターを見て初めて知りました。席からリンクまで距離があったので、演技中は気付かなかったのです。リンクに近い席の観客を除けば、テレビをご覧になっていた方達のほうが早く知ったのでしょうね。女子ならともかく、男子シングルの選手が手から血を流して演技をするなんて滅多にあることではありません。彼が置かれたあの状況をさらに強調するように、まるで誰かが演出でもしたように、出血しながらの演技なんてもう出来すぎではありませんか。大ちゃんの競技人生、ドラマティックすぎます。
フリーの終了後、会場の周りでは泣いている人がたくさんいて、私の友人達も泣いていました。今回は夜更かしはやめようと思っていたのに、明け方の5時まで友人達と語り明かしてしまいました。
健人君は、フリーで1本目の3Aを転倒。なのに2本目の3Aをコンボにしませんでした。シークエンス扱いになって3Aの基礎点だけで1.02違ってくるんだから!悪くない3Aだったので、2回転、もしくは1回転なら付けられたはず。他の選手ならOTやSOの後だって付けてくるのに。彼は今季のフィンランディアでも、他のこれまでの試合でも同じことを何度かやっています。成績は11位でしたが、1回転を付けていただけでも1つは確実に順位が上がったのです。
転倒もパンクも仕方ないのですが、拾えたはずの点数を落として順位を下げるのは本当にもったいない。少しでも高い得点を取って、1つでも上の順位に行くんだという意地を見せてほしかったです。
そしてフリーは地上波で放送されませんでしたが、演技後はさわやかな笑顔。やりきったのなら笑顔もいいけど、本当はもっとできる選手なのに。キスクラでは渋い顔の樋口先生。先生、健人君を叱ってやってください、と思っていたら、ランビがそれをしてくれたのでしょうか?
でもフリーの皇帝は本当に素敵なプログラムです。前年からデイビッド・ウィルソンが君は来年皇帝ね、と押し付けてきたらしいのですが、本当に彼にぴったりでした。日本男子でこんなにもノーブルな雰囲気が出せる選手は他にいません。ウィルソンに大感謝です。
しかし男子に限っていえば、この試合で心に残っているのは、3位以下の選手達。
ここ2シーズン不調で、今シーズンのGPSに至っても調子が上がらなかったのに、ここにきて調子を上げて意地を見せてくれた小塚君。フリーでは4回転を成功させて、引退の花道を飾ってくれた織田君。ショートで大きなミスをして順位を下げながら、フリーで4回転を成功させて競技者の意地を見せてくれた無良君に村上君。村上君の4Sは豪快でしたね。残念ながら回転が認められませんでしたが。
そして大ちゃん。ジャンプの練習を始めてから1週間しか経ってないことを考えたら、信じられないほど頑張ってくれました。
大ちゃんを信じたいと思いつつ、正直、あそこまでの演技をしてくれるとは思っていませんでした。4回転は成功しないだろうと思っていたので、3A以下のジャンプをまとめてくれるように願って見ていました。
ショートの3Aはうまく着氷した、と油断した瞬間の転倒。惜しかったですね。
フリーについてはソチの代表に決まった今だから、正直に書かせてください。大ちゃんが出てくる瞬間、モニターに映った彼を見て、一瞬ぞっとしました。沈んだ表情が暗い色の衣装とあいまって、悲壮感漂う姿だったのです。衣装はNHK杯のときのオフホワイトのほうがいいです。
これまでになく表情が気になっているうちに演技が始まって、4回転2本。2本目はルッツにすれば良かったのに、この体調とこの状況で4回転にしてくるところがいかにも彼らしい。あきれるほど一本気な男です。
その後のジャンプはミスもあれど、思っていた以上の出来。想いのこもったステップ。そしてコリオシークエンスで彼のエッジの創り出すラインの美しいこと。
悲壮感漂いながらも、本当に美しい演技でした。
しかし、彼が右手を怪我していたことを、演技直後のモニターを見て初めて知りました。席からリンクまで距離があったので、演技中は気付かなかったのです。リンクに近い席の観客を除けば、テレビをご覧になっていた方達のほうが早く知ったのでしょうね。女子ならともかく、男子シングルの選手が手から血を流して演技をするなんて滅多にあることではありません。彼が置かれたあの状況をさらに強調するように、まるで誰かが演出でもしたように、出血しながらの演技なんてもう出来すぎではありませんか。大ちゃんの競技人生、ドラマティックすぎます。
フリーの終了後、会場の周りでは泣いている人がたくさんいて、私の友人達も泣いていました。今回は夜更かしはやめようと思っていたのに、明け方の5時まで友人達と語り明かしてしまいました。
健人君は、フリーで1本目の3Aを転倒。なのに2本目の3Aをコンボにしませんでした。シークエンス扱いになって3Aの基礎点だけで1.02違ってくるんだから!悪くない3Aだったので、2回転、もしくは1回転なら付けられたはず。他の選手ならOTやSOの後だって付けてくるのに。彼は今季のフィンランディアでも、他のこれまでの試合でも同じことを何度かやっています。成績は11位でしたが、1回転を付けていただけでも1つは確実に順位が上がったのです。
転倒もパンクも仕方ないのですが、拾えたはずの点数を落として順位を下げるのは本当にもったいない。少しでも高い得点を取って、1つでも上の順位に行くんだという意地を見せてほしかったです。
そしてフリーは地上波で放送されませんでしたが、演技後はさわやかな笑顔。やりきったのなら笑顔もいいけど、本当はもっとできる選手なのに。キスクラでは渋い顔の樋口先生。先生、健人君を叱ってやってください、と思っていたら、ランビがそれをしてくれたのでしょうか?
でもフリーの皇帝は本当に素敵なプログラムです。前年からデイビッド・ウィルソンが君は来年皇帝ね、と押し付けてきたらしいのですが、本当に彼にぴったりでした。日本男子でこんなにもノーブルな雰囲気が出せる選手は他にいません。ウィルソンに大感謝です。