日々の事など

時には、旅人

彼方への眼

2019-07-21 | 
前橋にて。広瀬川に架かる橋を渡ると、アーケイドの商店街があります。昔は賑わってたのに、今はシャツターの下りてる店の方が多いのです。商店街の始まりに古い御茶屋さんがあります。
そのすぐ近くの老人ホームに、母と伯母が入ってました。週に2回外に連れだしました。ホームの裏の扉を開けると、その御茶屋さんが真ん前にありました。そこに喫茶コーナーがありました。古くからの知り合いだったのでよく利用させてもらいました。二人の車イスを私が押し出していると、すぐに気付いた御茶屋の奥さんが出てきて一台を押してくれました。
お茶をたて、美味しい羊羮を添えてくれました。私にとってもゆったりとした時間でした。

二日ほど前、その前を通りました。車イスに座ってる奥さんの姿が見えました。今は奥さんも老人ホームに入ってます。懐かしくて、店内に入りました。前回は、私の名前を呼んでくれました。

その日は、もう名前は呼ばれませんでした。そして、彼女の2つの眼はずっと遥か彼方を見てました。