Lucky☆Sardonyx

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「銀河鉄道の夜」復活

2011-03-29 23:30:00 | コメント
 “銀河鉄道”が、岩手の夜に戻ってきた。県内の花巻から釜石を結ぶJR釜石線は28日、東日本大震災以来、17日ぶりに花巻-遠野間で運転を再開。多くの地元市民が、夜の一番列車に乗り込んだ。花巻出身の作家宮沢賢治が、この路線をモデルにして、童話「銀河鉄道の夜」を執筆。楽しい物語を届け、貧しい農民の生活を明るくしようとした地元愛は、今でも釜石線とともに生き続け、被災者を励ましている。

 ディーゼルカーのエンジン音が、釜石線に戻ってきた。岩手県内はガソリン不足が続き、起点の花巻駅には、運転再開を問い合わせる電話が1日100本も殺到。鉄道需要が高まっていた。この日は午後6時半ごろ、遠野行き車両が盛岡を出発。花巻で東北本線から釜石線に入った。

 沿岸部に近い遠野-釜石間は、レールなどの損傷が激しく、不通のまま。代行バスでつなぎながら、復旧作業を続ける。

 釜石線には「銀河ドリームライン」という愛称がある。宮沢賢治が、前身の岩手軽便鉄道をモデルにし、「銀河鉄道の夜」を書いたことに由来する。夜間に走る釜石線は、宇宙旅行をする銀河鉄道を想像させる。恋物語「シグナルとシグナレス」では、釜石線の信号機を擬人化。いろんな作品で国際共通語エスペラントを多用したことから、各駅にエスペラント語の愛称を付けるなど、賢治とのつながりが深い路線だ。

 この日、花巻市内の宮沢賢治学会の研究施設「イーハトーブセンター」で営業再開の準備をしていた宮沢明裕さん(32)は、賢治の弟、故清六さんの孫にあたる。「釜石まで全通すれば、救援物資を届けたいと思っていたのですが、復興までもう1歩というところでしょうか」と複雑な表情。清六さんから、37歳の若さで亡くなった賢治の話を聞いていたという。「親戚が釜石にいるので、もし賢治さんが生きていたら、心配しただろうと思います」と話した。