みやぎ野菜ソムリエの会では,新型コロナウィルスの感染防止対策のもと,7月3日(日),「JRフルーツパーク仙台あらはま」を会場に,今期の野菜ソムリエ研修第一弾「Myブドウ栽培」 を開催しました。
当日は,大変天気にも恵まれ,熱中症対策を万全とした中,会員20名の皆さんが参加されました。
もちろん,講師は,総会でもご講演いただきました菊地秀喜先生です。菊地先生からは,「美味しいブドウを作る-先人達の偉大な知恵と技術-」と題して,米国系,欧州系,欧米雑種や日本の品種など大まかなブドウの種類について,いつもの多彩な話題を交えながらとお話いただきました。
その後には,実際のブドウ栽培の栽培手順について,芽かきから新しい枝の摘心,種なしや果実の肥大のためのジベレリン処理,房の長さの調整や粒の数の整理など,順を追って説明いただきました。
そして,いよいよ講義のあとは,ブドウほ場で,ブドウの房の粒を整理する「摘粒」作業の実践です。今年の春先の低温や,その後の高温でブドウの生育は大きく乱れたのことで,当初予定されていた袋掛けの作業とはなりませんでしたが,そろった粒のブドウ房をつくるために,内向きな粒や小粒,変形した粒をバランスを整えながら除去していきます。今回は,「予備摘粒」といってあらかじめ大雑把に余分な粒を落としていきます。その後,ひと房に40~50粒が並ぶよう「仕上げ摘粒」を行うとのことでした。
細かい作業に皆さんもくもくと挑戦です。小さいはさみの先端で,不要な粒を選び一つ一つ切り落としていく作業は、職人技と根気が必要です。あのおいしいブドウの影に、こんな生産者の苦労があったとは。みんな口々にその苦労を気づかされたと話していました。
こちらが,予備摘粒のビフォー・アフターです。この小さな粒がやがて大きくなって立派で整ったブドウの房になっていくんですね。
最後に、希望者のみ「ブルーベリーの摘み取り体験」を行いました。
数種類のブルーベリーの品種が栽培されていて、まさに収穫真っ盛りです。
参加したみなさんは、渡されたパックに、一つ一つ丁寧に摘み取った果実を入れ、収穫を楽しんでいました。こうしてやってみると、ブルーベリーの収穫作業も手のかかる作業の一つであることが実感できたのではないでしょうか。
菊地先生、楽しいお話と貴重な体験をありがとうございました。
自分たちが手掛けたブドウの房が、秋にはどんなになっているか楽しみですね。
文責 関口