僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

コンビニ・ララバイ  池永 陽

2009-07-20 12:02:51 | Weblog
宮脇書店で集英社文庫の「コンビニ・ララバイ」を購入しました。



昨晩から今朝にかけて読み終えることが出来ました。

小さな町の小さなコンビニ「ミユキマート」。オーナーの堀幹郎は、妻子を交通事故で亡くし、何事にもやる気をなくしていました。
けれど店にやってくる様々な人生の重石を抱えている人々に出会って、少しずつ元気を取り戻していく幹郎。
しかも多くの不器用に生きている人たちに温かい手をさしのべて、優しいまなざしで話を聞いてあげるのです・・・気持ちを解きほぐしながら。

腸(はらわた)が切り裂けるほど辛い体験をした幹郎だからこそ、神のようにちょっと翳りがあり、その実慈しみに満ちた行為を自然に向けることが出来たのでしょうね。
それぞれ連作の短編集になっていて、語り手も変わってきます。それぞれの話がどれも見事ですが、池永陽氏は物語の結論を安易に教えてくれないのです。
不器用だけれど、ささやかな希望を思い描き、苦悩や悲哀を抱えながら生きていく人々が、結局幸せを掴むのか、そうでないのかは、読者の想像に委ねられているのです。
ちょっともどかしく尻切れ蜻蛉感が否めなくもないのですが、主人公の人間的魅力を随所に感じさせてくれる、爽やかな作品でした。


一冊購入すると、ナツイチオリジナルストラップがもらえますよ!


試合に勝つための「技」

2009-07-19 22:41:45 | Weblog
お医者さんの林成之氏がその著書「勝負脳の鍛え方」のなかで、試合に勝つための「技」の章で次のように語っています。

運動神経はモジュレーター神経群と連動して機能を発揮します。

具体的には
① 性格を明るくして常に前向きの思考をする
② 常にやる気をもって行動する
③ 何事も気持ちを込めておこなう
④ 何に対しても勉強し、楽しむ気持ちを持つ
⑤ 感動と悔しさは生きているからこその宝物と考え、大切にする
⑥ 集中力を高める
⑦ 決断と実行を早くする

この7つの心の機能を高めることが運動神経がよくなる近道だそうです。

コフキコガネ

2009-07-19 13:02:57 | Weblog

今朝 階段の踊り場にひっくり返っていた甲虫 「コフキコガネ」。
あまり遠くへ飛べない彼は、夜の灯火にいざなわれ、朝不本意に仰向けになっている。
時に飛ぶのに飽きて、地上を散策するために戯れに降りてくるのだろうか?
私の腕に這わせると、あたかも尖端が細い針金を束ねたような鍵足で歩くので、肌に痛痒さが伝わってくる。
全身にビロードの毛皮を纏ったこの虫は、コガネムシなのかカナブンなのか
夏が来る度に迷う。
いともたやすく捕まえることが出来るむしではあるが、幼い頃夢中になった虫捕りとその憧憬を垣間見せてくれるのも事実である。

曾呂利新左衛門の知恵

2009-07-16 21:34:53 | Weblog
 曾呂利新左衛門をご存知ですか?豊臣秀吉に使えた御伽衆(おとぎしゅう)でした。御伽衆とは、「主君の側(そば)に召し出されて政治や軍事の相談役となり、また武辺(ブヘン)話や諸国の動静を伝えたり、世間話の相手も務めた側近」です。武辺話というのは、古今の戦さの話や武器や馬にまつわる話など、武士同士の話題なのです。

 曾呂利新左衛門の頓知を示す逸話があります。あるとき、秀吉の大切にしていた松が枯れてしまいます。秀吉はがっかりしていますが、曾呂利新左衛門は祝いの歌を詠んだらしいのです。「ご秘蔵の 常盤の松は 枯れにけり おのが齢(よわい)を 君にゆづりて」。
 秀吉のご機嫌はなおり、褒美に黄金をとらそうといったらしいのですが、曾呂利新左衛門は、別のものを所望します。ではその後彼に多くの富をもたらしたといわれるその「別のもの」とは、何なのでしょうか。

曾呂利新左衛門は、「毎日、君のお耳を嗅がせてほしい」と秀吉に申し出ました。
秀吉も了承したそうです。曾呂利新左衛門は、大名が出仕するたびに秀吉の耳を嗅ぎました。大名たちは疑心暗鬼になります。なにか告げ口されているのではないかと思いますよね。大名たちは曾呂利新左衛門につけ届けするようになり、金銀その他の贈り物が山のようになったといいます。

立原道造のことば

2009-07-16 12:09:46 | Weblog


パステルは やはらかし。
  うれしかり、ほのかなる 手ざわりは。
  うれしかり、パステルの 色あひは。
                立原道造




夢みたものは ひとつの幸福
ねがったものは ひとつの愛
               立原道造

井上陽水 少年時代

2009-07-15 23:52:46 | Weblog


大人になった今・・・
少年時代を追憶すると
まぶしいばかりの 夏の思い出が巡ってくる
サイダー早飲み競争をして敗れた盆踊り大会
身をひるがえし陽光にきらめくウグイ
ノコギリクワガタを捕まえ得意顔の自分
ツメクサのブーケを貰い やや頬染むる自分

陽水は「少年時代」において、まるで造語を雅語のように駆使し
少年の輝きのかけらをひとつとして、拾い損なうことのないよう
やさしい少年のまなざしで見つめているのが素敵です!

立原道造の詩 優しき歌

2009-07-15 23:09:26 | Weblog
立原道造の詩は情景と心情が柔らかに競合し、その優しさが歯がゆいばかりに身に沁みてきます。
「優しき歌」から好きな3つの詩を載せます。





虹の輪

あたたかい香(かを)りがみちて 空から
花を播き散らす少女の天使の掌(てのひら)が
雲のやうにやはらかに 覗いてゐた
おまへは僕に凭(もた)れかかりうつとりとそれを眺めてゐた

夜が来ても 小鳥がうたひ 朝が来れば
叢(くさむら)に露の雫が光つて見えた――真珠や
滑らかな小石や刃金(はがね)の叢に ふたりは
やさしい樹木のやうに腕をからませ をののいてゐた

吹きすぎる風の ほほゑみに 撫でて行く
朝のしめつたその風の……さうして
一日(ひとひ)が明けて行つた 暮れて行つた

おまへの瞳は僕の瞳をうつし そのなかに
もつと遠くの深い空や昼でも見える星のちらつきが
こころよく こよない調べを奏でくりかへして









 薄明


音楽がよくきこえる
だれも聞いてゐないのに
ちひさきフーガが 花のあひだを
草の葉のあひだを 染めてながれる

窓をひらいて 窓にもたれればいい
土の上に影があるのを 眺めればいい
ああ 何もかも美しい! 私の身体の
外に 私を囲んで暖く香《かをり》よくにほふひと

私は ささやく おまへにまた一度
――はかなさよ ああ このひとときとともにとどまれ
うつろふものよ 美しさとともに滅びゆけ!

やまない音楽のなかなのに
小鳥も果実《このみ》も高い空で眠りに就き
影は長く 消えてしまふ――そして 別れる

    


甘たるく感傷的な歌


その日は 明るい野の花であつた
まつむし草 桔梗《ききやう》 ぎぼうしゆ をみなへしと
名を呼びながら摘んでゐた
私たちの大きな腕の輪に

また或るときは名を知らない花ばかりの
花束を私はおまへにつくつてあげた
それが何かのしるしのやうに
おまへはそれを胸に抱いた

その日はすぎた あの道はこの道と
この道はあの道と 告げる人も もう
おまへではなくなつた!

私の今の悲しみのやうに 叢《くさむら》には
一むらの花もつけない草の葉が
さびしく 曇つて そよいでゐる


エデンの東

2009-07-15 21:59:07 | Weblog


 1917年、カリフォルニア州の小都市サリナス。ここで農場を営むアダムには2人の息子がいました。兄アーロンが真面目で心優しい性格から父に可愛がられる一方、気むずかしく反抗的な弟キャルは父に疎まれていました。アーロンの美しい婚約者エイブラはそんなキャルが気がかりでした。ある日、キャルは父から死んだと聞かされていた母がまだ生きていることを知ります。そしてそれが、どうやら近くで酒場を経営するケートらしいと知り、ふしだらな母の血を自分だけが引き継いだのだと一人悩むのでした・・・


キャル役のJ.ディーンはやんちゃで影のある男性を演じました。世の女性は、エイブラ同様、そんな彼に心惹かれるのでしょう。

山形スクリーム 8月1日上映

2009-07-15 21:33:54 | Weblog
多彩な才能を発揮し続ける個性派俳優・竹中直人の監督6作目となるホラー。

山形県の過疎村に伝わる落ち武者伝説を研究するため、東京からやって来た歴史研究会の女子高生たちと、ひょんなことから800年の封印を解かれてこの世によみがえった落ち武者ゾンビとの壮絶バトルを描きます。出演には『イキガミ』の成海璃子、EXILEのAKIRA、『カフーを待ちわびて』のマイコと沢村一樹など豪華キャストが集結し、奇想天外なドラマを盛り上げます。

あらすじ: 美香代(成海璃子)が所属する歴史研究会の女子高生たちは、落ち武者伝説が伝わる山形県の御釈か部村(おしゃかべむら)に研修合宿に向かいます。東京から来た彼女たちは村をあげての歓迎を受け、そのイベント式典で“スーパーほこら”施工式が行われました。しかしこれにより、800年にわたり封印されていた落ち武者の呪いが解かれてしまい……。

キワモノ好き

2009-07-14 23:52:03 | Weblog
自分は食べ物の嗜好がメインのものより、どちらかというと捨ててしまいたい部位や端っこのところが好きですね。

たとえば、金目鯛の煮付けの目玉のところ。水晶体かガラス体か忘れましたが、目玉のところと周りのゼラチン質、トロトロ感がなんとも美味。

そして秋刀魚の内臓。腸や胃に細かいオレンジ色のアミが入っていたり、そのコクと苦味も最高です。

ホタテ。これは貝柱のところよりも、断然カイヒモの部分が美味しいです。コリコリ食感がいいですね。

鱈はドンガラ汁を冬場食べますが、身の部分よりも当然キクワタ、肝臓がおいしいです。

鰺の干物は大好きですが、中骨の薄皮をはがして食べるのが特に好きです。

鰊やハタハタは絶対卵が美味しいです。鰊のそれはプリプリ歯ごたえを楽しみ、はたはたのブリコはブリブリねばねばと味わい深いのです。

鶏は断然、砂肝。フライパンで塩・胡椒を加え炒めて食べると抜群です。
あと鶏のボンボチ(尾の肉)がジューシーで旨いです。

昔食したものでは、一位がカミキリムシの幼虫を炙ったもので、二位が雀やウソという鳥を砂糖醤油でこんがり焼いて食べたものです。

他にタコの吸盤、イカの足、シャケの腹側の脂ののった身の部分、シャケの頭や軟骨、尾のひれ、などの部位を鍋にした料理が好ましいです。

俺の嗜好を聞いても仕方がないって・・・だよね! でも共感できる人って案外多いのではないでしょうか。