僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

利益とご利益

2015-12-12 15:49:52 | ことば
人間てとかくお金に執着しやすいように思う。

商売でも利益追求に躍起になる。

けれどあまりお金に執着するとお金は自らの足で逃げてしまう。

そこであえて損をしたりお布施をしたり見返りを求めない善行を積んでみる。

たとえば神社に参拝して、お賽銭箱にお金を入れてよく拝む。

賽銭箱にチヤリンと入れて音がすると神様に願いが届くそうだ。

だから人は500円玉とか始終ご縁があるように45円を入れたりする。


話は少し変わるが、「無償の愛」という言葉がある。


ある中国のお医者さん、薫奉が、貧しい村人からは診療しても一切お金を取らなかった。

代わりに杏子(あんず)の枝を一本もらった。

その枝を一本一本植えていったら大きく育って林になった。

それとともに、貧しかった村人がのちに成功してお医者さんに多額の金品を送った。

それも一人や二人ではなく。

お医者さんの善行は、またたくまに林のようになり富が膨らんでいった。

この逸話からお医者さんの別称を「杏林」ともいう。


よって「利益」だけ追求しないで、時には「ご利益(りやく)」がある行為も

本当に尊いし、それらを考えながら生きてみるのも無駄ではないはずだ。