詩人 宮沢賢治が郷里の岩手県花巻町の小学生だった頃のことです。
ある日のこと、同級の乾一と言う子が先生から罰を受けて、水いっぱいに入った茶碗をもたされて、廊下に立たされました。休み時間になると、みんなが集まってきて、ガヤガヤと冷やかしたり意地の悪いことを言います。乾一は自然に腕が下がって水をこぼしそうになるのを、歯を食いしばって我慢していました。
それを賢治は見ていられなくなってしまいました。賢治は言いました。
「いいから、その水を飲んでしまえよ」
「・・・・でも、先生がおこるもん」
「かまわんさ。さあ、飲んでしまうんだ」
「だめだよ。おれ、こわいよ」
乾一はそれだけの勇気がなくて半べそをかいていました。
賢治少年はいきなり茶碗に口をつけました。みんながハッとして見守る一瞬、その水を一息で飲み干してしまったと言います。
賢治少年の行為は自分のためにしたのではありません。子供らしいヒロイズムは感じますが、エゴイズムを見出す人は誰もいないでしょう。
老若男女を問わず、「知恵があって賢く、活力にあふれた人物」でなければ
これは出来ない事でしょう。
この賢治の行為を「身を殺して仁をなす」といいます。
ある日のこと、同級の乾一と言う子が先生から罰を受けて、水いっぱいに入った茶碗をもたされて、廊下に立たされました。休み時間になると、みんなが集まってきて、ガヤガヤと冷やかしたり意地の悪いことを言います。乾一は自然に腕が下がって水をこぼしそうになるのを、歯を食いしばって我慢していました。
それを賢治は見ていられなくなってしまいました。賢治は言いました。
「いいから、その水を飲んでしまえよ」
「・・・・でも、先生がおこるもん」
「かまわんさ。さあ、飲んでしまうんだ」
「だめだよ。おれ、こわいよ」
乾一はそれだけの勇気がなくて半べそをかいていました。
賢治少年はいきなり茶碗に口をつけました。みんながハッとして見守る一瞬、その水を一息で飲み干してしまったと言います。
賢治少年の行為は自分のためにしたのではありません。子供らしいヒロイズムは感じますが、エゴイズムを見出す人は誰もいないでしょう。
老若男女を問わず、「知恵があって賢く、活力にあふれた人物」でなければ
これは出来ない事でしょう。
この賢治の行為を「身を殺して仁をなす」といいます。