僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

晦渋

2013-09-30 22:51:51 | ことば
『Qさま』で東大大学院の教授、ロバート・キャンベルが「かいじゅうな文章」の「かいじゅう」を正確に「晦渋」と書くことができていた。
やくみつるなど、他の出演者は、「懐柔」と誤答していた。

「晦渋」の意味は、「難解」なということで、ペダンスチックや衒学的という言葉とは違う。
「晦」は「みそか」とか「つごもり」の訓があり、音読みは「カイ」。
「晦い」は「くらい」、「晦ます」は、「くらます」と読む。
そもそも「晦」とは、陰暦の月末で月のないやみ夜を表した。暗いのでそこから物事がよくわからない、姿をくらますの意味に派生された。

よく使われる「自己韜晦(とうかい)」とは、「自らの才能や本心などを内に秘めて
人に知られないよう表に出さない」という意味である。

ちなみにやく氏が間違えた「懐柔」とは、「うまく扱って、自分の思うとおりに従わせること」、つまり端的にいえば「敵を味方に変える」ということである。

秋を感じて

2013-09-25 22:21:31 | 食べ物
昨日の夕食の一品、『ムラサキシメジ』の炒め物

バターと追い鰹のつゆで炒めてみたが、ほろ苦く秋の風味を少し感じた。


今晩の食事は、舞茸ご飯、キノコの煮物、花オクラのお浸し、そして秋刀魚の刺身。
おっと、もう一皿は、空芯菜と豚肉の炒め物。


「花オクラ」は初めてだったが、程よい粘りが舌に纏わり、シャキシャキ感も伴って
かなり乙な味。

【花オクラ】


【舞茸ご飯】


【きのこの煮物】

さつま揚げ、筍、人参、様々なキノコ、厚揚げ、ぜんまいなどが入る。

【空芯菜と豚肉の炒め物】


【秋刀魚の刺身】


原木舞茸を入れて炊き込んだご飯に、さやかな秋を感じる。

泉鏡花と竜胆と

2013-09-24 23:09:05 | 
竜胆の鉢植えを購入した。

私はこの釣鐘型で青紫の花をこよなく愛す。


実際の色合いは次の画像に近い。


泉鏡花の『若菜のうち』の中に
婦(おんな)は道端の藪を覗き松の根を潜った。竜胆(りんどう)の茎の細いのを摘んで持った。と出てくる。

また『草迷宮』の中でも
大崩壊(おおくずれ)の巌の膚(はだ)は、春は紫に、夏は緑、秋紅に冬は黄に、藤を編み、蔦を絡い、鼓子花(ひるがお)も咲き、竜胆も咲き・・・と
リンドウが描かれている。

『りんだうとなでしこ』という作品を手がけていることなどからも、よほどリンドウ好き
だったことが推測される。

私は小村雪岱の装丁による鏡花本も大好きである。


私のふるさとでは、秋のお彼岸の頃、山里に愛らしい竜胆を見ることができた。

竜胆を見ると、その頃の自分を見ているような気がする。

柳川温泉の道すがら

2013-09-23 00:31:02 | ドライブ
今日は、というか昨日の日曜は、妻が宮城スタジアムにサザンのライブに行ったので、息子と二人で柳川温泉に行きました。

途中の十八才でムラサキシメジとアケビを購入。




貫見(ぬくみ)の「山せみ」という蕎麦屋さんで板天を食べ空腹を満たしました。

天ぷらは、エビ、蕗、ミョウガ、シシトウ、インゲン、カボチャ、ワラビを海苔で巻いたものなどで、サクサクと旨かったです。

蕎麦自体は撮影し忘れましたが、太めで、かための田舎蕎麦で、美味しかったです。

コスモスの花が生けてありました。



目的地の柳川温泉


湯は熱めの硫黄泉で、ややもするとのぼせそうですが
よい温泉でした。
紅葉が進んだ頃にもう一度訪れてみたいです。

留学生 厳俊さん 男児救出!

2013-09-16 22:57:21 | 
 16日午後5時ごろ、大阪市北区豊崎のJR東海道線高架下近くで、小学4年の男子児童(9)=大阪府高槻市=が淀川に転落した。

 淀川は台風18号の影響で増水し、男児は濁流にのまれ約350メートル下流に流されたが、通り掛かった中国人留学生の厳俊さん(26)が飛び込み救助した。2人とも病院に運ばれたが、厳さんは擦り傷程度で、男児にも大きなけがはないという。
 
 府警大淀署によると、厳さんは「助けなければいけない、と自然に思った」と話しているという。同署は「この時点で救助できなければ、男児の命は危なかった」としている。
 
 同署によると、男児は鉄道写真を撮りに、仲間の中学生2人と一緒に来ていたが、川に落ちたカメラのSDカードをのり面から拾おうとして、足を滑らせ転落。厳さんは岸から約15メートル先を流されている男児を見つけ、飛び込んだ。
 
 厳さんは来春に大阪市立大大学院の博士課程に進学する予定で来日中だったという。 
                               (時事通信)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  美徳というのでしょうか。中国の人は自己犠牲の精神を持ったすばらしい人が多いように思います。

 今年の7月22日にもすばらしい出来事がありました。
 通勤ラッシュで混み合う、さいたま市のJR南浦和駅の京浜東北線ホームで
電車から降りようとした女性が、車両とホームのわずか10cmの隙間に転落し、腰のあたりまで挟まってしいました。

 駆けつけた駅員と周りにいた乗客およそ40人が、両手で力いっぱい車体を押して隙間を広げ、転落した女性を引き上げて救出したのです。

 女性が引き上げられた時、周りから拍手が起こりました。


2001年には山手線の新大久保駅で泥酔して線路下に落ちた男性を救おうとして、韓国人のカメラマンと日本人の男性が亡くなってしまいました。
これは永久に語り継がれていく英雄的行為です。

人が困っているのを見て、自分のことのように心を痛める行為を惻隠の情といいます。
幼い頃から親や周りの人間や先生などが折に触れ人間味のある訓話や行動を見せ、偉人伝など多くの書物を読む習慣を与えたならば、このように咄嗟に行動を起こせる人間に育つのかしらと想像してみました。
                               

伝説の教師 橋本武氏 天寿を全うする

2013-09-12 10:26:45 | 文学
小説「銀の匙」一冊を3年かけて読むユニークな授業で知られ、伝説の国語教師と呼ばれた神戸市の進学校灘中・高校の元教諭、橋本武(はしもと・たけし)氏が11日午後、神戸市中央区の病院で死去した。101歳。


彼は兵庫県の名門、灘中・灘高の元教諭で、『伝説の教師』とか『国語の神様』にもたとえられています。
戦後、中勘助の『銀の匙』を3年間読む授業を実践。灘校を名門進学校に導きました。

橋本氏の該博な知識には誰しも舌を巻くことでしょう。
一つの語句をもとに、その何十倍もの知識を「銀の匙研究ノート」としてプリントして生徒に配布しました。
銀の匙に出てくる語句をヒントに連鎖的に知識を掘り下げてくれる授業は、生徒の余りある知識欲を刺激したに違いありません。

たとえば『銀の匙』に出てくる「丑紅」ということばから、干支の十二支と十干にまで話を膨らませています。

干は十あって、これを十干という。「木火土金水(もく か どう ごん すい)」を「兄(え)」と「弟(と)」に分けたもの。
漢字一文字で表すと、「甲・乙・丙・丁・戊(ぼ)・己(き)・庚(こう)・辛(しん)・壬(じん)・癸(き)」と10種類からなる。
支(し)は十二あって、これを十二支といって「子 丑 寅 卯 辰 巳 午 未 申 酉 戌 亥」から成る。
十干と十二支とを組み合わせて「甲子(きのえね)」「乙丑(きのとうし)」のように順次組み合わせを代えていくと、十と十二の組み合わせであるから 六十通りできる。干支を組み合わせて「甲子(きのえね)」とよぶのは訓で「甲子(こうし)」と呼ぶのは音・・・



このほかに十二支を使った方位、「おやつ」「丑三つ時」などの時刻、「土用、春分、秋分、彼岸」など二十四節気などにも言及しています。
「壬申の乱」とか「戊申戦争」とか「甲子園」などもなぜその名称になったかが、橋本先生の説明でよくわかるでしょう。

教え子は、評論家で精神科医の和田秀樹氏や神奈川県知事・黒岩祐治氏など各界の第一線で活躍している人が多いですが、橋本氏の綿密で人間味のある授業は、いつまでも彼らの心に灯として残っていくことでしょう。

橋本武氏のご冥福をこころよりお祈りいたします。

鶯は・・・

2013-09-11 14:44:09 | ことば
梅の花見にこそ來つれ鶯の
   ひとくひとくと厭(いと)ひしもをる


季節は秋に向かおうとしているが、なぜか『梅に鶯』の話題で恐縮である。

上の歌は、古今集巻19に収めてある俳諧歌のよみ人知らず。
俳諧歌とは滑稽な性質の和歌ということ。


この歌の意味は
「梅の花を見に来たのに、そこにいる鶯が人が来た人が来たと嫌がっている」
ということ。

人来人来(ひとくひとく)という人が来るに鶯の啼き声ヒトクヒトクを掛けているんだ。
奈良時代や平安時代という古代は鶯が「ヒトクヒトク」と啼いていて、今の「ホーホケキョ」とは違うとされている。
もっと詳しく言うと、昔のハ行の「ハヒフヘホ」は、「パピプペポ」や「ファ、フィ、フ、フェ、フォ」と発音されていた。
例えば「母」は、「パパ」や「ファファ」と唇が二度くっついた状態で発せられていたわけだ。
「パピプペポ」も「ファ、フィ、フ、フェ、フォ」も破裂音だということがわかる。
この発音は、江戸時代中期まで使われていた。

だから「人来人来」は「p-t-k,p-t-k」ピーチク、ピーチクという現在の雲雀の鳴き声に近くなる。

現代でも秋田では髭を「フィゲ」、蛇を「フェビ」と発音する高齢者がおり
奄美地方の方言に、花を「パナ」、人を「ヒトゥ」と発音する言葉があるそうだ。

パ行音→ファ行音→ハ行音と変化したのは、唇音退化という現象で、唇をだんだん使わない会話へと移行した結果だということだ。

うちの両親がむかし「ファンタ」を「ハンタ」と発音していたが
唇音退化の典型だよね。

世界の文化遺産に登録された富士山もFujiで正解だよね!

パエリア

2013-09-06 16:29:18 | 食べ物
2020年のオリンピックは是非東京に決まってほしいな~!

候補地の一つスペイン・マドリードといえばパエリア、昨日の夕食はマドリードを食うとういうことで
パエリアに決定!

フライパンを使わずに、炊飯器で炊きこむタイプになった。
ライスがもっとパラッと仕上がればより良い食感になっただろうけど
エビ、イカ、アサリ、鶏肉とサフランの甘みがよくマッチしていて旨い。

ワインで乾杯、サラダと若布スープが副菜。
2度お替りしたよ。










恐怖!スズメバチの逆襲

2013-09-03 11:58:36 | 驚いたこと
先日、ベランダにある学生さんの温水器を検査していたら、温水器の仕切り板にスズメバチの巣を見つけました。
ブンブン、ブンブン羽音をたてて働き蜂が飛び回っています。

学生さんが刺されたら一大事なので、直ぐに白い長袖の衣服に着替え、帽子をかぶり、手に昆虫採集用網と「ハチアブスーパージェット」という駆除剤をもって巣に対峙しました。

一撃必殺8メートルと書いてあったので、すぐさま3メートルぐらいの距離から巣穴に目がけ噴射しました。
巣がバッチリぬれる位かけたので、中の蜂はすべて死滅しただろうと思ったら、退治できたのは巣の周りを飛び回っていた数匹のみでした。

「や、やばい


蜂は仲間が一匹でも死ぬと警報フェロモンを出して他の蜂に知らせるのではなかったかな?

中にいた働き蜂が10匹ぐらい、凄い形相をして、羽音をキンキンとたてて、針をお尻から惜しげもなく晒して自分を探しています。


私は、殺虫剤を噴射した後急いで部屋に入り網戸を閉めたので、なんとか刺されずに済みました。しかしもうベランダには入れません。


仕方がないので翌日、蜂駆除のプロの方に依頼することにしました。

流石プロの業者は違います。

ターミネーターの様な防護服に身を纏い、最初農薬のようなものを長い棒で巣穴に入れ、巣全体にいきわたらせました。次にミスト状の強い薬を巣全体にかけ、女王蜂、雄蜂、働き蜂を殲滅させました。

手際の良さに感心してしまいました。

蜂の種類は大スズメバチだそうで、一番凶暴だそうです。
普通、木の洞だとか地中に巣を作ると聞いていたので、なぜこんなところにと不思議な思いでした。

皆様も今の季節、スズメバチには十分気を付けてください。毎年30人ぐらい命を落としています。
もしスズメバチに刺されたら、患部を水道水でよく洗って、決して毒液を口で吸い取ろうとせず、手で搾り取ってください。
そして抗ヒスタミン軟膏を塗り、できるだけ早く病院で診てもらってください。

前述した「ハチアブジェット」の説明書きには、飛び回るハチ、アブを狙い撃ちできる。スズメバチにも効く。巣にも効く(スズメバチの巣は除く)。と書かれていました

野草園にて

2013-09-01 22:53:36 | 
山形市内では大鍋芋煮フェスティバルが真っ最中にもかかわらず、敢えて野草園に足を向けた。
幼い頃、お盆のお墓参りに女郎花や竜胆を携えていった。
そこいらの自然に野草は厳然と存したが、今その姿は稀有なものになってしまった。

女郎花の黄色、竜胆や桔梗の青紫、藤袴や葛花の香り、様々な万葉の時代からなる花々が郷里への想いとしてあふれ出す。


萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 女郎花また 藤袴 朝貌の花
(万葉集巻八 1538)

【ヤマハギ】


【桔梗】


【藤袴】


【女郎花】






【カワラナデシコ】




【尾花】


【葛】

花が咲いていなかった。同じマメ科のフジの花に似て良い香りがする。


「ノカンゾウ」



秋の七草に入れたい風情のある花である。


あたり一面に芳香が漂ったその花は「仙人草」、毒草でもある不可思議な花。


「ヨウシュヤマゴボウ」

インクベリーとも呼ばれる有毒植物。

「ウゼントリカブト」

ご存知有毒植物


気を取り直し、水面に顔を出す「オゼコウホネ」。周囲は「ヒツジグサ」。


夏、葉が枯れてから咲く「ナツズイセン」、ヒガンバナ科 ヒガンバナ属。

同じ仲間の「ヒガンバナ」は、花の後線形の葉を広げる。

「ツリフネソウ」


「オグルマ」


「ハンゴンソウ」

菊科キオン属の多年草、若芽は食用になる。


自然学習館の中にある、野草庵で蕎麦を食べた。天ぷらとたこ焼きも一緒に。










笹の葉に盛られたお蕎麦美味しかったよ!


大平沼の水も静かに小波を立てていた。




程よい散策に身を任せ素敵なひと時だった。