僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

曾呂利新左衛門の知恵

2009-07-16 21:34:53 | Weblog
 曾呂利新左衛門をご存知ですか?豊臣秀吉に使えた御伽衆(おとぎしゅう)でした。御伽衆とは、「主君の側(そば)に召し出されて政治や軍事の相談役となり、また武辺(ブヘン)話や諸国の動静を伝えたり、世間話の相手も務めた側近」です。武辺話というのは、古今の戦さの話や武器や馬にまつわる話など、武士同士の話題なのです。

 曾呂利新左衛門の頓知を示す逸話があります。あるとき、秀吉の大切にしていた松が枯れてしまいます。秀吉はがっかりしていますが、曾呂利新左衛門は祝いの歌を詠んだらしいのです。「ご秘蔵の 常盤の松は 枯れにけり おのが齢(よわい)を 君にゆづりて」。
 秀吉のご機嫌はなおり、褒美に黄金をとらそうといったらしいのですが、曾呂利新左衛門は、別のものを所望します。ではその後彼に多くの富をもたらしたといわれるその「別のもの」とは、何なのでしょうか。

曾呂利新左衛門は、「毎日、君のお耳を嗅がせてほしい」と秀吉に申し出ました。
秀吉も了承したそうです。曾呂利新左衛門は、大名が出仕するたびに秀吉の耳を嗅ぎました。大名たちは疑心暗鬼になります。なにか告げ口されているのではないかと思いますよね。大名たちは曾呂利新左衛門につけ届けするようになり、金銀その他の贈り物が山のようになったといいます。

立原道造のことば

2009-07-16 12:09:46 | Weblog


パステルは やはらかし。
  うれしかり、ほのかなる 手ざわりは。
  うれしかり、パステルの 色あひは。
                立原道造




夢みたものは ひとつの幸福
ねがったものは ひとつの愛
               立原道造