うさたろうの 気儘なフランス散歩

2年の予定が丸7年。赤貧学生としてのフランス生活にも終止符。約4年8ヶ月続けてきた日記、改め、気儘なフランス散歩…

弥生を待ちわびつつ一人鍋

2006-02-27 08:17:33 | うさたろうの食生活
先々週の野鴨に引き続き、先週は家禽の七面鳥の大量死、フランスの鳥インフルエンザの影響がかなり深刻になっています。

日本は早々にフランス産のフォアグラも含めて家禽類の輸入禁止。
そんなニュースが、こちらの週末のトップニュースで報道されていたりしました。
…なんでも、日本はフランスのフォアグラ4番目の輸入大国だったそうで。
(誰が食べてたのぉ?…日本でそんなにしばしばお目にかかった印象はないんですけど。)

国内でも買い控えが広がっていますが、このちょっとしたパニック状態を制するのに政府も必死です。
シラク大統領も「調理すればウィルスは絶滅し影響はない」と言明。

「そうよねぇ、養鶏場の方も大変だわ。買ってあげなきゃ」と思うものの、他にも食べるものがある中、敢えてこの時期に食べなくても…なんて小市民である私は、つい、最終的には豚肉や牛肉を買ってしまっています。。。

今日も、そういうわけで牛さんと豚さんを挽いてハンバーグでも作ろうかなぁなんて考えながら、30分くらいかけて歩いて、初めてのマルシェの肉屋さんに。

ところが、そのマルシェまでの道のりがあまりに寒かったので(ここ数日スッゴイ冷え込んでいるのです。小雪がチラついたり…春はどこなの?って感じです)、やっぱりオーブン料理か鍋に…。という思いがよぎり、ウィンドーを覗き込んでいたのでした。
そして結局…
私が頼んだのは、豚肉のフィレ肉500g。



恥ずかしい話、これまでも買おう買おうと思いながらも、実はフランスに住み始めて1度も買ったことがありませんでした、豚さんのフィレ。
だって、高いんですもの。
…といっても、そんなに高くはないのですよ。
ただ、牛のステーキ用の肉、フィレやアントルコートなどと同じ、グラム値段するのです。
だから、ずっと日本で、牛肉が1番高いと思い込んできた私には、やっぱり何だか手が出なかったのでした。

それに。
フツーの豚肉も、こちらはスッゴク美味しいのです
トンカツなどにしても柔らかくてジューシーに出来上がるので、そんな高い豚さんを買う必要を感じたことがなかった、というのも本当です。



しかし。
今日は出来心で、メニューも思いつかないまま買ってしまった。
さぁて。何を作ろう。
美味しいステーキと同様のお肉だもの、間違いなく美味しいに決まっている。
あまりゴテゴテ調理しなくて、お肉自体が楽しめるもの。
そ、ありきたりとはいえ、シャブシャブでしょう!

自分一人なので、肉切り機も出さず、包丁を研いで薄切りに。
肉は真っ赤。
こちらの肉なので、脂は勿論、サシで入っている訳はありません。
ひょっとして「肉肉しすぎてシャブシャブにかえって向かないのじゃないか?」と不安がよぎりましたが、そのまま続行することにしました。

今日は常夜鍋ではありませんが、豚さんなので鍋には料理酒もたっぷり入れて、葱・白菜・えのき(これは中国産の缶詰)・豆腐を投入。
たれは、ポン酢とゴマだれ(かなりゴマが粒粒だけど…)も用意して一人鍋の始まりです。
ワインは?
はい、1本だけ買い置いてあった白、ソーミュールにしてみました。やっぱり和食の範疇だから赤よりいいでしょ…

で。
主役の豚さん、これがスッゴく美味しい!
普段のより更にずっ~と柔らかくて、味もソフト。
ですから、意に反して、ゴマだれよりポン酢があう。
パクパクいけちゃいました。



これまでも、何度か日本のお友達と我が家でシャブシャブをやりましたが。
フツーの豚さんでも、時によっては牛より豚に軍配があがることもありました。
でも。
この豚のフィレ肉でやれば、必ずや豚さんが人気の的になることは間違いないでしょう。
…ひょっとすると日本の牛シャブとも勝負できるかもしれません。

これで、こちらで豚シャブ屋さんを開いたらきっと大盛況だなぁ…なんて、またありもしないことを想像しながら、一人のくせにまったりと長い夕飯の一時が過ぎていったのでした。
…明日、残りのお肉で何を作ろう?