うさたろうの 気儘なフランス散歩

2年の予定が丸7年。赤貧学生としてのフランス生活にも終止符。約4年8ヶ月続けてきた日記、改め、気儘なフランス散歩…

学生ストを横目に思う

2006-02-28 05:41:41 | フランス(教育・学問・社会)
んもぅ~っ!これじゃあ何を撮りたかったんだか全くもって分からないじゃない!!!
しゅん

朝の、とある大学の入り口前(真ん中のオレンジ色の垂れ幕のところ)、たくさんの生徒がたむろっているのを撮りたかったんですけど。。。

そう、私の住いは、この大学の目と鼻の先。
そして、毎朝、フリーペーパーを取りに行くメトロの駅がこの広場の一角にあります。
ですから、今朝もいつも通りそこを通りがかったのですが。
普段より人が多い。
目を凝らしてみると、門の前にバリケードが築かれ、誰一人として校内に入れないようにしている。
何事だろう?と思って、ちらしを配っている人のところにわざわざ行ってもらってきました。

ふむふむ…あぁ、そっか。
学生が、先日議会の承認を得ずに法制化されてしまった新雇用契約形態に関する法律(←説明すると、ものすごぉ~く長くなってしまうので割愛。ってよくわかってないんじゃないの?と裏の声)に反対してデモをしようとしているのね。
…ご苦労様です。

ん?れれ、でもうちの大学は授業あるよね?

なぁんて家に戻ろうとしたら、あぁ!無念。
1週間ばかり前に話題にした、IKEYAの広告をまとったバスが目の前をサァ~っと通り過ぎて行ったのでした。
バスって、写真を撮るには早すぎるよぉ~




それにしても。このフランスでしょっちゅう行われるデモ行進。
慣れとは恐ろしいもので、最近は、消極的ながらも何となく理解できるようになって来ました。

こちらに来た当初は、「そんな無駄な労力を使って何にもならないのに。バッカみたい。」という気持ちが強かったし、公共サービスのデモ行進のみならずストも頻繁で、影響を受けると
「考えられない!許せ~ん!」と憤っていたものですが。

諦め度数がグゥ~ンと上昇したことと、日本のように殆どデモ行進なんてやらない・最後のどうにもならない悲痛な叫びのようなものと違って、こうして何でも行進されちゃうと、デモ行進して態度に表さないと本気じゃないんじゃないか、そんな気分になってくるとでもいいますか。

つまり、スゴイ問題が起こったら、連帯感と使命感を帯びて万人に訴えるがため何が何でも必ずデモ行進をする。みたいな。
そんな図式が潜在意識の中にあるのだと思います。
…歴史的背景・そしてそこから生まれる価値観の違い、なんでしょうね。


昨日(日曜日)も、実は大々的なデモ行進が行われました。

23歳の若者が誘拐され、高額な身代金を要求されたものの、結局は犯人グループから残忍な拷問を受けた挙句瀕死の状態で発見され搬送中に亡くなった、という尋常では考えられない悲惨な事件が先日起きました。
…これも詳しくは説明しませんが、そもそも彼がターゲットにされた理由は「ユダヤ人=金持ちだと思われたから」、と。

そして、彼に対する哀悼の祈りを捧げると共に、それは反ユダヤ主義への反発、とどのつまりは人種差別への糾弾ということになり、昨日のデモ行進が全国的にも行われたのであります。

…ホントは、あまりに大々的だったし、人種差別はやっぱりスゴク反対なので、行って見てこよう、気分が乗れば経験のためにもちょっと行進も、と思っていたのですが。
あまりの午前中の寒さに、すっかりそんな考えは吹き飛んでしまった…。

ま、でも後でテレビとかでいろいろ見て、行かなくて良かったと思ってます。
政治色が強くなっちゃったみたいな面もあったし、何かやっぱり私の思いとは全然違う方向だったかな、と思うので。

…スゴク穿った見方をしちゃうようですが、多分、昨日行進した人の中に「人種差別反対」と本気で唱えながら、実は自ら人種差別をしている人もいるんじゃないかなって。
それくらい、親切で優しい人も多いけど、日常の生活の中で「さりげない」人種差別にあうことも結構あるもんなんです。。。

ん、今日は何だか寂しい結論になってしまいましたねぇ…。
月曜日から、失礼しましたぁっ