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ヘイズ夫妻が訓練したチンパンジーのヴィキはナット、ボルト、釘、ねじ、ワッシャ、クリップの山を分類して六つの缶に入れることができたそうです。
同じものは同じものとしてまとめるだけなので、このくらいのことができても驚くにはあたらないと思うかもしれませんが、ヴィキの分類能力はこれだけではありません。
図のような多数のボタンがあると、これを二つに分けるのですが、そのときどきで色で分けたり、形で分けたり、大きさで分けたりして分類するのを楽しむ風だったといいます。
いろんな種類のボタンがごちゃごちゃあるので、人間が分類しようとしてもどのように分けたらいいか迷うのではないでしょうか。
人間でも、丸と四角に分けるとか一通りの分け方をしたら、それ以上ほかのわけ方を考えないヒトもいますから、チンパンジーといえども柔軟な考え方ができるようです。
ただチンパンジーは言葉を持たないので、分類をしても白ボタンとか灰ボタンあるいは丸ボタン、角ボタンというふうに分類に名前をつけるということはありません。
ところで、丸ボタンというのは、大きさや色の違ったボタンをまとめているので、具体的にイメージ化しにくいもので、抽象化されたものです。
色や大きさを捨象しているので視覚イメージ化しようとするなら、色も大きさもないようなボタンをイメージしなければならないということで、イメージ化しにくいのです。
二つに分けるという課題であれば、性質によって分類して分けるという方法だけでなく、二つの山が同じになるという分け方もあります。
右と左に同じものを分けていって、左右の山が同じようにするいわゆる山分けの方法もあります。
チンパンジーは山分けを好まないのかもしれませんが、より抽象的なわけ方のほうを選ぶのですから不思議です。
しかも、チンパンジーは、せっかく抽象的な分類ができても、それに名前をつけることができないので、それを他人に伝えることはできません。
人間の場合は名前をつけることで、抽象的な概念をも頭の中に記憶することができ、名前によって他人に内容を伝えることもできますし、思い出すこともできます。
ただし、人間は言葉を聞いて名前だけを覚えることができるので、実際にその意味を知らなかったり、不完全にしか知らなかったり極端な場合はまちがっていたりします。
意味を知らなかったり、間違っていても言葉を使うので、なまじ言葉を使うために混乱することもあるのですから皮肉なものです。
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