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造字とギャル文字

2006-03-18 23:23:08 | 言葉と文字
 携帯メールで使われるギャル文字と言うのがあります。
 上の図は「ギャル文字変換サイト」でギャル文字風に変換したもので、「ケータイをもったサル」「としよりには」「りかいできない」「だからって」「おこらなくてもいい」「じゃないですか」と書いています。
 ふつうに文字を表示したほうが楽なのに手間をかけていろいろな記号を使って造字をしています。
 年寄りがこういうものを見れば「何なのだ、これは」と唖然とするのが普通です。
 正高信男「考えないヒト」では,こんなことをしているのはコミュニケーション能力を失ってサル化している証拠だとしています。
 年配者の多くは、こういう意見を読めば我が意を得たりで、大いに納得するのではないでしょうか。
 
 しかし、こういうのは感情的な納得で、理性はどこかに忘れています。
 仲間だけにしか通じないような言葉や文字を使うというのは、昔から若者には見られた行動なので、いきなりサルみたいだというのはどうかなと思います。
 サルに記号を覚えさせることはできますが、サルはその記号を加工して自分たちの中だけで通用させるなどということはしません。
 若者はいつの時代でも、新しい言葉を作ったり、言葉に新しい意味を持たせて使ったりするものです。
 年配者から見ればただの間違いとか、愚にもつかない内容、奇妙な表現などを臆面もなく示したりするものです。

 また、日本語の場合は漢字というものを使ってきたため、いろんな人が造字をする習慣があります。
 アルファベットを使っている人たちは造語はやりますが、造字というのはやりません。
 もともと、漢字は多くの人が造字をやって出来上がっているもので、まがりなりにも辞書に載ったことがあるものだけでも五万字以上といいます。
 特定の人が計画的に作っていればそんなに多くならなかったでしょう。
 日本でもいわゆる国字といわれる、和製漢字がありますが、それ以外に一般化しなかったものや、特定の地方だけに残っているものもあるそうです。
 すし屋などに掲示されている魚偏の文字なども、いってみれば勝手に作られた造字があり、読みかたが分からないで当たり前というものもあります。
 文字をいじくって自分の独自の感情を盛り込もうとか、仲間内だけに通用するような文字を作るということは、レベルの高低は別として、今に始まったことでことではないのです。

 「それにしてもギャル文字というのはレベルが低い」と怒りがおさまらない人もいるでしょうが、ギャル文字使用者はこれだけしかできないとは限らないので、あまりこだわる必要はないと思います。

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