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論理的ではない見え方

2006-07-22 22:48:28 | 視角と判断

 図の4つの円形は球形にも見えますし、丸い穴の奥に光があるようにも見えます。
 球形に見えるのは、明るい部分が進出して見え、暗い部分が後退して見える状態が、明るい部分に光が当たり、暗い部分が影になっているというイメージと合致するためです。
 左上の場合は上からの光、左下は下からの光、右上は左からの光、右下は右からの光が当たった場合のイメージです。
 いま4つの円をいっぺんに見ると4つとも凸型つまり球形に見えます。
 光が同時に上下左右から当たって影ができているとは考えにくいのに、4つの円がすべて球形に見えるというのはどういうことでしょうか。
 もし、光は上から来るというふうに仮定すれば、左上の円だけが球形に見え、その他の3つの円は球形には見えないはずです。
 ところが左上の円が球形に見えるのと同時に他の3つの円も同時に球形に見えるのです。
 
 「上のほうから光が来るから下のほうが影になって見えるから球形だ」というようなことを脳がいちいち考えて判断するため円形が凸型(球形)に見えるのだとすれば、4つの円がいずれも凸型に見えるというのはいかにも奇妙です。
 脳は説明を好むといってもこれでは支離滅裂です。
 4つの円がいずれも凸型に見えるのはなぜかとかといえば、脳はそれほど論理的ではないということでしょうか。
 四つの円はそれぞれ球形に光が当たったときのイメージに合致するので、球形と感じ、光の方向の違いがあっても感覚のほうを優先させているのかもしれません。あるいは単に明るい部分が進出して見えるというだけのことかもしれません。

 これまでは明るい部分のほうに注目したので凸型に見えたのですが、円の暗い部分に注目すると穴の奥に光があるように見えます。
 右側の二つはトンネルの向こう側に出口の光が見えるような感じですし、左上の場合は穴のそこから見上げた場合、左下の場合は穴の下のほうから光が見える感じです。
 このように同じ図形が凸型に見えたり、凹型に見えたりするのは、見ている対象が立体的なものではなく平面図形だからです。
 実際の球形であれば、両眼視差によって立体的に見えるので、影の手がかりだけによるわけではないので見え方が変わるということはありません。
 平面に描かれた図形の場合は、影の部分をどう見るかによって見え方が変わるのです。「光が球形に当たったイメージ」とか「トンネルの向こうに光が見えるイメージ」というのは後から考えた類推(アナログ)的な説明なのです。

 右の二つの四辺形のうち、上のほうは真ん中が明るいので、真ん中が前に膨らんでいるように見えますが、逆にへこんでいるようにも見えます。
 普通の円筒形であれば、膨らんだほうが手前になるので大きく見え、下の図のような形に見えるはずです。
 それが逆に真ん中が縮小しているので、凹んでいるようにも見えるのです。
 逆に下の図は真ん中が暗いので,真ん中が凹んで見えるのですが、真ん中の部分が大きいので暗い部分が手前にせり出して見えます。 
 この場合は向こう側から光が当たり逆光で見た感じになります。
 これらの場合も平面に描かれた図を立体的に見ようとするため、見え方が不安定になっている例です。
 


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