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図の左側は英語、右側がイタリア語ですが、イタリア語は日本人のローマ字読みにちかいものです。
アルファベットは表音文字といわれますが、同じようにアルファベットを使っていても、綴りと読みの関係がほぼ規則的なものとソウでないものがあり、英語に比べるとイタリア語のほうが表音的です。
そのせいか、音読をするときはイタリア人のほうがイギリス人よりはるかにスピードが速いという研究があります。
イタリア人のほうがイギリス人より音読スピードが速いのが、文字綴りのせいかどうかは、しゃべっているときのスピード自体がイタリア人のほうが速いようなので、なんとも言えませんが、綴りと発音の対応が規則的なほうが音読しやすいのは確かです。
ところが音読でなくて、黙読のほうはどうかというと、速読術のようなものができたのはアメリカが最初で、流行しているのもアメリカガ一番です。
音読というのは文字を音声に変換する作業ですが、黙読は文字綴りを音声に変換する必要がなく、むしろ音声に変換しないですめばその方が能率的です、
速読といえば、日本語のほうが英語よりしやすいと考えられ、その理由は漢字が表意文字だからという説明がされますが、速読術の発祥がアメリカであることから考えれば、そうした説明は思いつきに過ぎないことがわかります。
日本人が読んだ場合は、英語よりも日本語がはるかに速く読めるのは当然で、漢字が表音文字だからだというためなのかどうかわかりません。
英語の綴りは、表音文字とはいいながら非常に不規則で、英語圏の人にとっても難しく厄介で、失読症の人の割合もイタリアなどに比べると、その割合がかなり多いそうです。
日本の場合はカナと漢字を使っていて、カナを覚えるのは楽ですが、漢字を覚えるのは楽ではありません。
カナを覚えれば、漢字にふり仮名という手段もあって、意味がわからなくてもとにかく音読することはできます。
そのため。日本は文盲率が非常に低いといわれるのですが、漢字を理解している度合いをも考えると、とくに識字率が高いといえるかどうか疑問です。
日本語は漢字かな混じり文となっていて、カナだけでは非常に読みにくく、漢字が加わることで読みやすくなっているのですが、漢字を覚えるのは記憶に負担がかかり、長年の学習によっても読み間違いが多いという原因となっています。
「漢字の読み方」のような本がいくつもあるというのは、日本人にとっても漢字の習得が容易でないことを示しています。
漢字が読みにくいというのは漢字文化圏でも日本特有の現象ですが、これは訓読をしていることだけでなく、音読みも呉音、漢音、唐音、現代音などいくつもの読み方をのこしたままになっていて、さらに当て読みも加わって、混乱しています。
英語も日本語も文字が読みにくいというのは、古い時代には文化的後進国だったために、外国語を大幅に取り入れざるを得なかったためです。
文字と発音の関係が複雑で、混乱しているのですが、そのためかえって、どのように読むのかわからなくても意味がわかればよいという、黙読が発達する原因となったのかもしれないのです。
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